僕は全盲で車いす。
それは先日、トレーナーさんとジムで
パラ・パワーリフティングの大会に向けて
トレーニングをしていた時だった。
ジムには、テレビがありトレーニングしながら
見られるようになっている。
ちょうどダンベルで胸を鍛える
トレーニングをしていると、あるCMが流れた。
それがこちらです
僕は、ダンベルを両手に持ち
体の前で平行に持ち上げていたのだが、
このCMが流れた途端に僕の腕の力が抜け
もう少しでダンベルを落とすところだった。
危ない 危ない
僕の腕の力が抜けてしまったのには理由があった。
実は数日前、彼女とテレビを見ている時に
このCMが流れたあと
彼女 「ペタペタペタグーペタペタペタググーかわいいふりしてハードだよぉ〜」
と彼女が歌っていたのを思い出した。
というよりなぜかジムで流れたCMの声が
一瞬でその時の彼女の声に変換されたのだった。
「ペタペタペタグーペタペタペタグーかわいいふりして」
と可愛らしい声で歌っていたと思ったら
「ハードだよぉ〜」
とどこから出てきたのかと思うくらいの
普段の彼女の声からは想像できない
デスボイスだったのだ
そのギャップがおかし過ぎて力が抜けてしまった
僕なのでした
『大会前なんだから、ダンベルとか落として怪我しないでよね』byさち
『えっさ、さちのせいだよね』byのぶ
『私は悪くないし』byさち
※このお話はノンフィクションです。