​この話は
中途障がいになった20年の歩みです。


僕は全盲で車いす。


救急車で搬送されているときも


僕の意識はあったようだが僕は全く覚えていない。


当時付き合っていた彼女から連絡を受け


家族も栃木から駆けつけた。


病院に到着してからは点滴のみの対応だった。


翌朝(4月8日)


僕の居る病室に担当医が来て僕に


名前と実家の住所を聞いた。


僕は名前と実家の住所の途中までは答えたが


番地が答えられない。(番地は1のみなのに)


それを聞いた担当医は


「まあ、高熱で混乱しているだけでしょう。ただの風邪ですね」


その様子を見ていた家族はおかしいと思い


検査をしてくれるよう頼んだ。


担当医は「わかりました」と言ったのだが


昼を過ぎても何の検査も始まらなかった。


心配になり家族が担当医のもとへ行くと


担当医はおやつを食べていた。


それを見られた担当医はまずいと思ったのだろう。


そのあとすぐに検査が始まった。


色々な検査の中に髄液検査があった。


その結果を見た担当医は


「うちの病院では手に負えない」と・・・


対応できる病院に僕は救急搬送された。


救急搬送されている途中


僕は昏睡状態に陥ったのだった。


この日の記憶も僕にはない。



つづく