僕は全盲で車いす。


僕が一人暮らしを始めてから


僕は彼女の会社の社長のご厚意で


社員というわけではないが ほぼ毎日


彼女と一緒に出社させてもらっているおねがい


その会社は駅ビル内の1階にあり


僕は1日に2、3度 壁をつたいながら


車いすで移動し裏口から外へ出て


太陽に当たったり


昼休憩ではタバコを吸ったりしている。


僕がいつも過ごしている部屋から裏口までは


ドアがいくつもあったり距離も少しあるので


自分で自由に移動できるようにと


何度も彼女と移動の訓練をし 


一人で移動できるようになった。


ビルの1階には他にも美容室や塾が入っていて


トイレは共同で使用している。


そして そのトイレの清掃は


障がい者福祉施設の利用者さんや


職員の方が一緒に来て行ってくれている。


清掃は午後ということになっているが


来る時間は特に決まっていないようだ。


だから時間はいつもバラバラ。


僕はいつものように壁をつたいドアを開けながら


車いすで移動し裏口へ向かった。


が・・・その日はトイレ清掃の時間と


ちょうどぶつかってしまったびっくりガーンびっくりガーン


トイレは裏口に近いところにあるため


裏口から出入りし道具なんかも置いているようだ。


裏口から外に出ようとしていた僕に気づいた


福祉施設の職員さんが僕に声をかけてきた。


職員さん 「車いす、少し動かしますね」


のぶ 「はい。でも、僕目が見えないので・・・」


と職員さんの方へ顔を向けるようにして話す。


職員さん 「ここでいいですか?」


のぶ 「あの、僕目が見えないので・・・」


と返すのだが もういないのか返事もない。


僕の移動の頼りは壁だったので


壁から遠ざけられてしまった今


僕はどこにいるのか どこになにがあるのかも


全くわからないガーンガーンガーン


パニックになりそうな自分を何とか


落ち着かせようとするのだが 


それと同時に心の中では


『あのさ、こっちが話しているんだから、最後までちゃんと話し聞けよ!仮にも福祉に、障がい者に携わっている人なんでしょー』プンプンプンプンプンプンプンプンプンプン


普段あまり怒ることのない僕だが


珍しく怒りが込み上げてきたムキー


そんな腹立たしい出来事なのでしたムカムカ


そして この話にはさらに続きがあるのです。


次回へつづく・・・・・



注意実はこの職員さん、以前にも僕が目が見えないことを伝えたことのある人なんです。その時は「そうなんですね」と言っていました。見えないけれど、僕は声でわかるんですよね。


※このお話はノンフィクションです。