全国に待機患者「岡本医師しかできない」 滋賀医科大・小線源治療訴訟 | Nobby のサーフ&グルメ

Nobby のサーフ&グルメ

Yahooブログから引っ越してきました。
各種設定はこれからぼちぼちやろうかなと思っています。
よろしくお願いします。

滋賀医科大病院(大津市)の前立腺がんの小線源治療を巡り、手掛けてきた岡本圭生医師が治療を妨害されたなどとして、患者らが大学側と対立し、訴訟となっている問題で、岡本医師による治療を望む「待機患者」が発生している。

 

十二月から岡本医師の治療は同病院で行えなくなったが、当人の治療を望む患者が全国から十五人ほど集まっており「他の病院で治療を続けてほしい」などと訴えている。

 小線源治療は、がんの周囲に微弱な放射線を出す小型の線源を挿入し、がんの病巣を壊す手法。

岡本医師は、挿入した複数の線源を組み合わせて比較的高い線量を照射する治療法を確立したとされ、高リスク患者の非再発率が五年で95・2%だったとしている。

 

患者らは「岡本医師にしかできない治療」と主張し、当人による治療を望んでいる。

 大学側は二年前、岡本医師が特任教授を務める寄付講座を二年間の期限付きで延長。岡本医師による手術の実施をことし六月末までと決めたが、患者らが大学側を訴え、大津地裁が十一月末まで治療を維持するよう大学側に命じていた。期限切れによる講座閉鎖に、患者側は「実質的な雇い止めだ」と反発している。

 

 大学側は今後、泌尿器科の別の医師らが小線源治療を行うとしている。大学側は取材に、泌尿器科の医師による小線源治療を十月一日に行ったとし、「数百例以上の治療計画を立ててきた放射線科指導医と泌尿器科指導医が協働し、経験豊富な非常勤講師の指導の下、合併症もなく終了した。十二月からは毎週治療予定で、岡本特任教授の施術終了後も切れ目が無いように、前もって準備します」などと答えた。

 

一方、岡本医師による手術を望む、会社役員の男性(69)=大阪府=は「岡本先生の小線源手術の非再発率が、驚異的に高い。患者に医者も多く、信頼されている」と主張。

「早くどこかの総合病院に落ち着かれて、治療を続けていただきたい。他病院で治療ができれば、全国から患者が押しかける」と話す。

 高リスクの前立腺がんと診断された元会社員の男性(72)=東京都=は、岡本医師の技術を「いわば神の手」と褒め、「日本、世界にとって貴重な医師を追放しようとする病院は、いったい何を考えているのか」と批判する。

 岡本医師は今後について、他病院で治療を続ける計画は未定だとし、取材に「(待機患者の)思いを考えると、非常につらい心境です」と答えた。

◆大学側「誰が手術しても同じ」

 同大病院の小線源治療の継続を巡っては、患者らが大学を相手取り、▽泌尿器科の別の医師らが未経験であると告げずに手術しようとしたことに対して損害賠償を求める▽岡本医師への妨害禁止を求める、という二つの民事訴訟を大津地裁などで展開してきた。

審理で、大学側は「岡本医師の治療は優れたものではない」と主張し、医師同士による批判の応酬に発展している。

 

十一月末の証人尋問で大学側は塩田浩平学長、松末吉隆病院長、放射線科の河野直明医師の三人が証言。松末病院長は、岡本医師の治療は他病院と比べて「優位性がない」との旨を述べ、「術後の死亡例もあるが(患者に)十分説明していない」と主張した。

岡本医師と治療を行っていた河野医師は、線源を扱う泌尿器科医よりも、計画を定める放射線科医が重要であるとして「誰が(手術を)行っても同じです」と述べた。

 患者側は、大学側の分析は不適切な論文の比較に基づくもので、大学側が岡本医師の評価を下げるために「不正なカルテ閲覧をした」と主張。

同月下旬の証人尋問で、岡本医師は「患者さんの命より、組織の

メンツが優先されることに深い懸念を感じています」と話している

 今月十七日には、患者らの尋問がある。

 (作山哲平)

中日新聞 WEB より転載しました。不都合があれば削除します。(ブログ管理者)