維新の会、太陽の党合流で 「脱原発」の文字消える
「日本維新の会」代表の橋下徹大阪市長と、「太陽の党」共同代表の石原慎太郎前東京都知事は十七日、大阪市内で記者会見し、太陽の党が解党して維新の会に合流することを正式発表した。
代表に石原氏、代表代行に橋下氏が就任。
第三極の結集を目指した東と西の雄が手を結び、知名度と発信力で活路を見いだそうとした形だが、政策の違いに目をつぶっての合流は、野合との批判が高まるのは避けられないだろう。 (生島章弘)
石原氏 小異を捨てて大同団結し、最初の一戦を戦う。
後は橋下氏にバトンタッチする。
橋下氏 心強い新代表を迎えた。
燃え尽きるまで戦い抜く。
両氏は同日、大阪市で開かれた維新の全体会議で、エールを交換しあった。
両党は合流に先立ち、八項目の政策で合意した。
内容は石原氏が否定的だった消費税の地方税化が盛り込まれ、エネルギー政策では橋下氏がこだわっていた「脱原発」という文字が消えた。
橋下氏は「一番見解の隔たりがある事柄については合意ができた」と胸を張ったが、選挙が近づき、慌てて持論を捨てて歩み寄っただけの印象だ。
この日、維新と、みんなの党(渡辺喜美代表)、減税日本(河村たかし代表)は、合流しない見通しとなった。
だが橋下氏の政策は、石原氏よりも渡辺、河村両氏の方が近いといえる。
つまり「小異」の二人を“捨て”て「大異」の石原氏と組んだことになるのだ。
この合流には、人間関係の不安材料もある。
維新は、小泉改革を主導した竹中平蔵元総務相がブレーン。
一方、維新の国会議員団の代表となった平沼赳夫・太陽の党共同代表は、竹中氏が主導する郵政民営化に反対して自民党を離党した。
天敵ともいえる二人が合流により「呉越同舟」することになった。
平沼氏は同日の記者会見で「竹中氏の主義主張が日本の国是にあうかという問題もある。
今後、考えをぶつけていかなくてはならないと思う」と語り、依然としてしこりが残っていることをうかがわせた。
急ごしらえで手を結んだ連携からは、早くも亀裂の芽が見える。
東京新聞 TOKYO WEB より 一部編集して転載