エレベーターで5階に移り、シャーロックのドアを開ける。

 

「いらっしゃいませ!」

「あれっ、お店間違えた?」

「いえ、正しいです(笑)。」

 

カウンターの真ん中の席に座る。

まずは、吉本さんの優勝カクテル「ボニータ」をいただく。

 

「改めて、ごぶさたしております。

 お店を移られた、というのは噂で聞いていましたが、こちらでしたか!」

「こちらこそ、『シャーロックの朝倉』をよろしくお願いします。」

「吉本さん、バー東京から、どうやって引き抜いたの?」

「そんな人聞きの悪い言い方、やめて下さい。キチンと筋は通しましたよ。」

「分かってますよ〜(笑)

 でも、こうなったら柏木さんと朝倉さんがいれば十分ですね。

 吉本さんには『逆出禁』になってもらいましょう。カクテルは作ってもらうけど、

 もう、僕の視界には入らないでね。」

「久しぶりだな〜、『逆出禁』(笑)」

 

という訳で、たった今からオーナーを『逆出禁』にした。

 

次のお酒は、朝倉さんの「モッキンバード」。

バー東京で、テキーラの話しになった時、彼女のお気に入りという事で作ってもらった。

さらに、柏木さんの「サイドカー」。

深夜を意識したのか、コアントロー・ノアールを選択した所にセンスが現れる。

 

彼女たちとも、今まで以上に「お酒のお話し」ができそうだ。

私のとって、シャーロックの新しい物語のスタートだ。