まだ、空は暮れ切っていない。帝国ホテルを出て、有楽町方面に歩く。

晴海通り沿いのペニンシュラへ。直通エレベーターで上がると、ピーター・バー到着。

カウンターに通してもらうと、高広さんが、

 

「あっ、お久しぶりです。」

「3ヶ月ぶりです。申し訳ない・・・

 まずは、ボンベイ・サファイアでギムレットを、お願いします。」

 

こちらでのジンは、ボンベイ・サファイアが基本だ。やはり、使い慣れていると、

落とし所が、ピタッと決まっている。さすがの一杯だ。

高広さんの横で、そつなく動く女性が・・・

 

「あの〜、失礼ですが、松本さん?」

「はい、そうです。お久しぶりです。」

「すっかり、バーテンダーらしくなりましたね。一瞬分かりませんでした。」

「髪を切って、イメチェンもしましたので・・・」

「じゃあ、XYZを、お願いします。」

 

キッチリ、教科書通りの動きでシェーク。カクテルの出来もバッチリ。

これからの彼女の成長が楽しみだ。すると、高広さんが、

 

「まだ、帰らないですよね!」

「もちろん! では、XYZダークを、ラムはお任せします。」

「では、パンペロで!」

 

深みのある味わい、でもサイドカーとは違う。素晴らしい!

そこへ、このフロアを仕切っている鎌田さんが来る。

 

「ぜひ、フレンチ85(75のテキーラ版)を、お願いします。」

「では、ドン・フリオのレポサドで!」

「アネホに行かないのが、王道ですね。」

 

フレンチ85で、やり切った感満載なので、今日はお終い。