君は僕と一緒で天才じゃない・・・
君は僕と一緒で天才じゃない。
僕よりはバドミントンの才能がある君。
だけど、才能は、努力しないと開花されないんだよ。
若い時の僕は、
「努力」という言葉が嫌いで使いたくなかった。
だけど、その分、誰にも負けないくらいの練習をした時期がありました。
「努力」って、嫌な練習もガマンしてやらないとってイメージがあったけど、
好きなことに、嫌な練習ってないんですよね。
辛い、しんどいはあるけれど、
「これが出来たら強くなる」って楽しさしかなかった。
僕自身が全国大会に出ることはなかったけど、
教えている子が全国選手になったり、その相手をすることで、
全国で勝つための基準やセオリが見えてきた。
それを今の指導でも、伝えているけれど、
全国大会に出たことがない子にとっては、少し非現実的なものに、
感じるのかもしれない。
全国選手が普通にやっていた練習を、
出来ない時点で、その子たちは、全国選手にはなれないのかなって思います。
僕は選手経験で指導してきたわけではないので、
指導者の勉強をして、指導してきました。
僕の先生は、世界や日本トップクラスを知っている方々なので、
「田中、世界で戦うためには、勝つためには、これが当たり前の基準なんだよ」
と教わりました。
「逆に言うと。その当たり前に基準に達することができなければ、
そこでは戦えないし、勝てないってことだよ」
とも教わりました。
本気で勝ちたかったら、その基準に達した選手だけを教えることが手っ取り早い。
たくさん選手がいる中で、勝てる選手を見極めて教えることも必要だと、
話されたこともありました。
先生方は、高校生以上の指導が多い方たちなので、
もちろん実績と共に、いい選手が集まることもあったと思います。
僕の場合は、何も知らない、何も分からない、
幼児、小学生から教えます。
幼児、小学生、中学生、高校生、大学生、一般と、
その幅は大きくあります。
才能があるかないかなんて、まだわからない子たち、
ただ言えるのは、僕よりも先にバドミントンに出逢っているので、
僕よりは上手くなる可能性を、みんな持っていると思います。
僕と同じくらい、もしくは、僕以上に練習すれば、
みんな必ず上手くなると思います。
そう思って教えています。
僕は、バドミントンでは、部活にはいっていたわけでもなく、
誰かに教えてもらったわけでもありません。
何冊もバドミントンの本を読み、勉強しました。
教えてもらったのは、教え始めてからなので、
全然上手くはないと思います。
ただ、教えていると、全国選手も生まれるので、
その子たちに負けない程度くらいは頑張っていました。
小、中、高女子の全国選手くらいの相手はできるくらいには、
打てていました。
全国選手とそうでない子との差は、今まで何千人と相手してきて、
感じるものがあります。
全国選手になる子は、僕の指導を常に超えてきます。
僕の求めるバドミントンをすべてクリアーしてきます。
その練習で出来なくても、次に見る時には、出来るようになってきます。
そして、もっと教えてほしいと言ってきます。
そういう子の見ている先は、世界のトップ選手のプレーです。
僕が見るのも、そういう動画です。
こういうことがない子は、やっぱり全国選手にはなれません。
僕の練習、求めるバドミントンをこなせない子は、
全国選手にはなれません。
あくまで教えている子に関してです。
昔教えていた子で、3人のうち2人は実業団に行き、1人はいけませんでした。
その子が、数年ぶりに逢ったときに言っていたのが、
あの環境を用意してもらっていたのに、もっと頑張れたのに、
もったいないことをしたと言っていました。
その子は勉強もオール5、もちろん全国選手でした。
それでも、もっと頑張れた、頑張るべきだったと言っていました。
2人は、世界選手ってさぁ、こんなのしていたよ。
っていうと、とにかくできるまでする子でした。
その子は、その部分がほんの少しだけ足りなかったんだと思います。
さあ、君たちはどうしたい?
どうしようか?
って最近の子たちには思います。
僕の指導を超えてこない、求めるものをやろうとしない、
簡単に妥協できる。
妥協したら、その大好きな子とでは、絶対に勝てません。
妥協しない子の集まりの中で、チャンピオンが決まる中で、
妥協できる時点で、そのレースからはチャレンジも挑戦もしていません。
そういう子たちは、県のトップどまりの子です。
そこまでいけたら、褒めてあげてもいいと思います。
だから僕は褒めるんです。
本気で勝ちたい子には、想いを伝えますが、
そうでない子にそこまでやっても、返ってくるものはありません。
だからこそ、君たちはどうする?
と聞きたくなります。
聞いている時点で、全国選手は難しいのかもしれません。
僕がどんなに君と勝ちたい、君たちと勝ちたい。
といっても、その答えがないのだから、
どうにもなりません。
逆にその答えがある子は、何とかしてやりたいと思います。
もっと気軽でいいんでと思います。
「田中先生、田中コーチ、全国行きたい、教えてよ、強くしてよ」
ただこれだけでいいと思います。
田中信雄