光る君へ第18回あらすじ&感想後編 | NobunagAのブログ

NobunagAのブログ

家庭菜園、ゲーム、アイドルなど趣味の話題や、子育て、介護関係のことをつらつらと書いています。

光る君へ

第18話「岐路」後編



道長が詮子の願いを

断ってしまった一方で

伊周は人望を集めるべく

多くの公卿を招いていた。


彼らの目の前には

豪勢な料理が並んでいる。


「実資殿はおいででないか…らしいな」


「らしいとは?」


藤原顕光が尋ねる。


「私の話なぞ聞きたくないのであろう」


「はあ…」


真面目な実資は、

懐柔されることを避けたに

違いなかったが、

伊周は構わず挨拶を始めた。


「ようこそおいでくださった。

志半ばにも達せず

病にて身まかりました

父、道隆は皆様のご意見を

聞き入れることの大切さを

繰り返し私に語っておりました。

これよりは己を強く持ち

父の遺志を継がねばと

胸に誓っております」


その言葉を公任が

測りかねるように聞き、

道綱は料理が気になり

キョロキョロしている…


「おかげさまで我が妹、

中宮は帝のご寵愛深く

私も帝と近しくさせて

いただいておりますので

皆様と帝をつなぐ

架け橋となれるよう

精進したく存じます」


伊周は皆に頭を下げると


「さあさあ、どうぞ

召し上がってください」


と促した。


道綱が、笑顔になる。


伊周は自ら公卿らに

酌をして回った。


「ああ…これはこれは…」



帝は定子を抱きしめながら


「これで堂々とそなたの兄を

関白にできる」


と語る。


帝なりに考え、

まずは道兼を…と

決断したばかりであったが

その道兼は亡くなってしまった。


やはり若い帝にすれば本音は

定子の兄である伊周を

関白にしたい、という

思いも強くあったのだろう。


「うれしゅうございます」


元々はその架け橋となるため

后となった定子からすれば

兄に対して不満はあろうとも

目的は果たさねばならない。



「いよいよ伊周か…」


実資は暗い顔で歩いている。


「よろしくない流れであるな…」



「つまり伊周殿は

皆の承認を取り付けたと

いうことか」


斉信と行成は

公任からの報告を聞いている。


「うん。以前に比べれば

やや人物がマシになっていたぞ」


「道長様が関白になられるのが

道理だと存じます。

伊周殿ではありません」


むかしから道長に憧れている

行成は伊周の就任には

反対である。


「そりゃ道長になってもらった方が

俺たちはありがたいんだけどな」


なにせ道長と幼い頃から

友人である彼らにしてみたら

道長が上に立ってくれれば

自分たちにも利はある。


斉信もそれに期待している。


が、公任は否定した。


「道長にはならんだろう」


「分からんよ。行成みたいに

大の道長びいきだっているんだから」


斉信はからかうように言う。


「はい、私は大の道長様びいきに

ございます」


行成は開き直るように述べた。


「されど自分の地位を

なんとかしていただこうなどと

厚かましいことは考えておりません」


斉信への反撃を忘れない。


「俺は厚かましいのが売りだからな」


斉信はさらに開き直ってみせる。


「道長になったら売り込むよ」


公任は呆れながら、

もっと肝心なことを気にしている。


「まあそれはいいが、

道長本人に関白になる気はあるのか?」


行成も斉信も公任を見た。


さすがに公任は、

道長の性格をよく理解しているのだ…


「道長にその気はないと

俺は思うな」


確かに道長は権力に固執しない…


行成は考えこんだ。



まひろが家事に精を出していると


「まひろ様」


と呼びかける声がする。


「ああ…」


ききょうである。



「中宮様より賜りました

お菓子ですの。

お裾分け」


ききょうは菓子を広げる。


「まあ…ありがとうございます。

このようなぜいたくなもの」


「召し上がってみて」


「では…頂きます」


まひろは菓子を口に運ぶと


「おいしゅうございます」


と感嘆の声をあげる。


「フフフ」


ききょうは笑顔になった。


「内裏の中は今、

次の関白がどちらになるかの

話ばかりなの」


少し疲れたようにききょうは

話し始めた。


「もううんざりして

逃げるようにまひろ様に

会いに参りましたのよ」


「次の関白はさきのさきの

関白、道隆様の若君だと

父が申しておりましたけれど…」


「私も内大臣の伊周様に

関白になっていただきたいの

だけれど権大納言の

道長様という説もあるのです」


思わぬ名前が出て、

まひろはききょうを見つめた。


「あら?道長様、ご存じ?」


まひろは答えに詰まったが

ききょうは


「あっ、昔、漢詩の会で

ご一緒したわね」


と納得した。


「ええ、ええ…

よく存じ上げないですけれど

その道長様の政の才は

どのようなものなのでしょう?」


それとなく尋ねるまひろ。


「う〜ん…何しろ細かいことに

うるさく厳しいのです。

中宮様が螺鈿細工の厨子棚が

欲しいと仰せになったら

そのようなぜいたくは

許されないと仰せになったのですよ」


定子に仕えるききょうからは

道長の評価は芳しくないようだ。


「信じられませんでしょう?」


しかし、道長らしい…

と、まひろは笑ってしまう。


「おかしいですか?」


訝しげに聞くききょう。


「あ…いえ」


「公卿の間でも女官の間でも

人気はありませんし

そもそも偉くなる気もないし

権勢欲もまるでないようですので

やはりありえませんわね」


ききょうは菓子を口に運ぶ。



ききょうが帰ると

まひろはぼんやりしながら


あの人、人気がないんだ…


とあらためて思った。


良いのか悪いのか、

権勢欲もないけれど

真っすぐなのは

道長らしくもある。


「ただいま」


惟規が帰ってきた声がする。


「お帰りなさい」


「何だよ、男もいないのに

物思いにふけって」


「久しいのう」


為時も出迎えた。


「若様、今日試験を

済まされたのですって」


と、いとが報告する。


「父上、今度こそいけるやも」


「幾度もその言葉を

聞いたような気がするが…」


為時が呆れる。


擬文章生になって以来、

きっと何度も試験に挑戦しては

失敗しているのだろう… 


それでも弟の帰宅は嬉しく


「父上、宣孝様に頂いた

唐の酒で夕げにいたしましょう」


まひろはそう提案した。



「今、学生たちの間で

はやっているのは

白氏文集の新楽府です」


「白居易か」


「読んだことない」


まひろの好奇心が疼く。


「じゃあ教えてあげる。

白居易が民に代わって

時の為政者を正しているもの

なんだよ」


「どういうふうに

正しているの?」


「ん?読んでないから知らない」


惟規らしいあまりにひどい

答えにまひろは落胆し、

為時も心配になる。


「そんなことで文章生の

試験は通るのか?」


「これは試験に出ませんでした」


「父上、その新楽府お持ちですか?」


「いや、家にはない」


まひろはため息をつく。


「惟規、新楽府手に入らないかしら?

民に代わって時の為政者を

正しているもの、読んでみたいの」


「え〜…」


まひろは見つめる。


「どうしよっかな〜…

これ以上、姉上に賢く

なられてもな〜」


「お願い!」


「え〜…」



夜半。


帝のもとを詮子が

突然、訪れた。


母、とはいえあまりに

急な訪問は異例である。


俊賢が


「お上は既にお休みで

ございます」


と、止める。


「どけ」


詮子は冷たく命じた。


「どけ!」


その声を聴いて帝が


「何事だ?」


と顔を出した。


「お上、お人払いを」


ただならぬ様子の母に、

帝は俊賢に下がるよう

目で合図をした。


詮子はあらためて

帝の前に座る。


「次の関白について

お上のお考えを

お聞きしたく参りました」


「伊周にいたします」


と、帝は即答する。


「明日には公にいたします」


「恐れながらお上は

何もお見えになっておりませぬ。

母は心配にございます。

さきのさきの関白であった

道隆はお上が幼いことを

よいことにやりたい放題。

公卿たちの信頼を失いました。

伊周はその道隆の子。

同じやり口で己の家のためだけに

政を仕切りましょう。

お上をお支えするつもりなぞ

さらさらありますまい」


必死に詮子は訴えるが

帝は聞かない。


「朕は伊周を信じております」


帝からしたら本当は

伊周ではなく定子を

信じているのだろうが、

退くわけにはいかない。


「伊周は母上の仰せのような者

ではございませぬ」


「お上は中宮にだまされて

おるのです」


さすがにこの言葉には

帝も顔色を変えた。


「だまされているとは

どういう意味にございますか?」


「せんだっては道兼を

関白にして落胆させたゆえ

今度は定子の兄にと

と思いなのではないかと

思いまして」


さすがに定子を悪く言う、

ということは避け

あくまで帝の心情を言い当てた。


「朕は定子をめでております」


帝はそこには胸を張った。


「されどそのことで

政が変わることはございませぬ」


それが本当ならばそれでいいが、

詮子にはそう思えない。


「悪いことは申しませぬ。

道長になさいませ」


「道長を関白にと

考えたことはございませぬ」


詮子がただ生き残りを

かけてる、あるいは

道長が可愛い弟である、

ということとは別に、

詮子自身が長年にわたって

道長という一人の男を

見てきての意見なのだろう。


詮子はこれまで以上に

熱を込めて訴えた。


「私は姉として道長と共に育ち

母としてお上をお育て申し上げて

まいりました。

そのどちらも分かる

私から見た考えにございます。

道長は野心がなく人に優しく、

俺が、俺がと前に出る人柄では

ございませぬ」


何せ、今回の件は詮子すら

道長本人に断られている。


が、そういう人物だからこそ

詮子は上に立ってほしいのだ…


「若く荒っぽく我の強い

伊周に比べてずっと…

ずっとお上の支えとなりましょう。

お上に寄り添う関白となりましょう」


詮子はこれまでにないほど

切々と訴えかけたが、

帝は


「朕は伊周に決めております」


と譲らない。


とうとう詮子は情に訴えかけた。


「母を捨てて后を取るのですか。

お上はどんな帝になろうと

お望みなのですか?

何でも関白にお任せの帝で

よろしいのですか?

お上のお父上はいつも

己の思いをくもうとせぬ

関白の横暴を嘆いておいででした。

父上の無念をお上が果たさずして

誰が果たしましょう。

母は自分のことなぞ

どうでもよいのです!」


詮子は涙ながらに語る。


「ただ一つ願うはお上が

関白に操られることなく

己の信じた政ができるようにと

ただひたすらそれを

願っているのでございます」


そのためにこそ、

詮子は幼少期の帝に

ともすれば冷たい、

と思えるほどに距離も置きつつ

上に立つ者として姿を

学ばせてきたのだ…


帝も目を閉じて聴いている。


「どうか…どうか、

お上ご自身のために

道長にお決めくださいませ。

どうか、どうか…」


泣きながら頭を下げる母…


「朕は…。

伊周に決めております」


帝はそれだけを言うと、

その場にいられず

立ち去った。


「お上!」


詮子は無力さに

涙を流した。



だが…


翌日、一条天皇は

伊周ではなく道長に

内覧宣旨を下した。


関白、ではなく

内覧なのは帝なりの

配慮もあったのだが、

道長にとっては内覧でも

問題がないことだったし

何よりこれまで道隆が

病の間は内覧を務めていた

伊周の顔は潰された。



その伊周は定子のもとを

恐ろしい顔で訪れる。


「どけ、どけ!」


いつも以上に苛立ち叫ぶ

伊周にききょうら、

女房たちは廊下に下がる。


「お静かになさいませ」


定子は表情を変えずに

伊周を諭すように抑える。


ききょうはそんな定子を

ちらりと見た。


伊周はふらふらと

定子に近づいていく。


「帝のご寵愛は偽りで

あったのだな」


「そうやもしれませぬ」


結局、思い通りには

出来なかったのだから

定子もそう答えざるを得ない。


「年下の帝のお心なぞ

どのようにでもできるという

顔をしておきながら

何もできてないではないか」


かつては優しかったはずの

兄、伊周もすっかり

権力の虜になってしまっている。


「関白ではなく内覧宣旨のみを

お与えになったのが

帝の私へのお心遣いかと思いました」


おそらくはそうなのだろうし、

定子の推測はあたってはいる。


「ハハハハハハ…」


伊周はそんな冷静な定子に

笑うしかない。


「私は内覧を取り上げられた上に

内大臣のままだ!

そんなお心遣い、何の意味もない」


確かに帝は定子には

配慮はしてくれていても

伊周には何も利はない。


「こうなったらもう

中宮様のお役目は

皇子を産むだけだ」


伊周はまるで死ぬ間際の

父、道隆のようなことを

いい始めた。


「皇子を産め。

皇子を産め。

皇子を…皇子を産め。

早く皇子を産め〜!」


実の兄とはいえ、

帝の后に対して本来は

許されない物言いである。


ききょうはそんな伊周の

背中を敵を見るように

睨みつけている。


定子は黙って兄の言葉を

聴いていた。


「素腹の中宮などと

言われておるのを

知っておいでか」


さすがにひどい言葉に

定子は目を見開いた…


「悔しかったら

皇子を産んでみろ。

皇子を産め。

早く皇子を…。

早く皇子を産め!」


定子は唇を噛み締めて

その屈辱に耐えた。



夜。


帝と床を共にしている定子。


帝も胸を痛めており


「嫌いにならないでくれ」


と語る。


「嫌いになどなれませぬ」


「そなたがいなければ

生きられぬ」


帝は定子を抱きしめ


「許してくれ」


と、詫びた。


「そばにいてくれ」



「お別れです」


と、突然にさわがまひろを

訪ねてきた。


「え?」


「父が肥前守を拝命しましたので

一緒に行かねばなりません。

せっかくまひろ様と

仲直りできましたのに…」


「お父上が国司になられるのなら

おめでたいではありませんか」


が、さわは気が晴れない。


「肥前は遠い国…

もしかしてもう、

お目にかかれないやもしれません」


泣き出すさわ。


「これでよければ…」


まひろは涙を拭うよう

手ぬぐいを渡す。


「でも国司の任期は4年でしょ?

もう会えないなんてことは

ないと思いますけれど…」


宣孝もそうだったのだが、

さわは号泣する。


「あれ?何泣いてんの?」


惟規がやってきた。


「あ…惟規様」


「何だよ」


「さわさんのお父上が

肥前の国司になられるそうで

一緒に行かれるんですって」


「俺にも当分会えないから

泣いてたんだ」


からかうように言うが


「昔は私、惟規様をお慕いして

おりましたけれど

今はもうやめました」


「は?」


あっさりフラれた惟規…


「よき思い出でございます」


「人の心はうつろうものなのよ。

ねえ」


気まずそうにまひろが言う。


「でもお別れは寂しゅう

ございます」


さわはまひろに泣きつく。


「さわさん、お会いできますよ」



そして、ひとつき後。


一条天皇は道長を右大臣に任じた。


道長は内大臣の伊周を越えて

公卿のトップの座に就いたのである。



思わぬ道長の大抜擢に、

倫子と義母にあたる穆子も

驚いている。


「女院様をこのお屋敷で

引き受けたのが大当たりだったわね」


「私も一度はえ〜…と

おもいましたけれど、

何が幸いするかわかりませんわね」


2人は笑う。


「帝があえて関白に

なさらなかったのは

女院様と中宮様のお気持ち、

それぞれおはかりになったからかしら」


「恐らく。

帝もご苦労なことにございますね」


「関白も左大臣もいないのですから

内覧でなおかつ右大臣のお役目を

頂いたのだったら

これはもう政権の頂きに立ったのと同じ。

でかしたわね、倫子」


穆子は嬉しそうだ。


「自分は上に立つことが

苦手であると殿はいつも

おっしゃってましたのに

これからご苦労が増すことに

なると思うと心配でございます」


「父上もあの世から

お守りくださいましょう」


「まだ、不承知、不承知と

おっしゃってるかも

しれませんけれど」


母と娘は笑いあった。



「右大臣様は関白の職は

いらぬと仰せになったそうだ」


手を合わせている

明子に俊賢は言う。


「驚かぬのか?」


明子はすっかり道長を

愛しており、

道長の立場がどうであるかには

興味はない。


「関白でも右大臣でも

我が殿に変わりはございませぬ」


「関白になってしまっては

意のままに動けぬ。

存分に働ける場に

とどまりたいと仰せになったそうだ」


現場にこだわる道長らしい判断だ。


「ただ者ではない」


俊賢はしきりに感心している。


「この前まで道長様なぞ

眼中になかったくせに」


「ああ。

これほどの心意気の方とは

思わなかった。

されどこれからは右大臣様

一本で行く」


こうして道長の人気は

上がっていっている。


「情けない兄上」


明子は思わず呆れる。


「俺のことを道長様に

褒めておけよ」


気にせず俊賢は自分を売り込む。


なにせ妹はその道長の

妻の一人なのだから…


「褒めるところがございませんけれど」


俊賢も手を合わせた。



道長はふと思い返す。


まひろの言葉を。


道長様は偉い人になって

直秀のような理不尽な

殺され方をする人が

出ないような、

よりよき政をする

使命があるのよ。


出世を望んだわけでもないが

はからずもそれができる

立場になった…


誰よりもいとおしい

道長様が政によって

この国を変えていく様を

死ぬまで見つめ続けます。


月を見ながら道長は

まひろを想う。



あの思い出の廃屋に

まひろは来ていた。


道長はそんなまひろを見つめる。


まひろは…道長に気づいた。


道長は何か言いたそうに

まひろを見た。


が、


昔の己に会いに来たのね。


道長に、なのか。


自分に、なのか。


そんなことを心でつぶやき、

まひろは黙って道長の横を

通り抜ける。


でも、今、語る言葉は何もない。


道長は一瞬だけ、

まひろに手を伸ばそうとしたが

まひろは去ってしまった…


_____________________________________________


ききょう…清少納言は

史実?においては

やはり伊周推しではあるのだが。


こればかりは定子に仕える

女房なのだから当たり前だが

道長は嫌われてる、

というのは非常に面白かったw


実資なんかは道長に

一目置いてくれているけれど

その実資はやはり人付き合いは

うまくないというか、

公私の線引きがはっきりしてる

潔さがあるから。


道長は相手が中宮であっても

贅沢はダメだ!と言うし、

忖度というものはないから

道隆存命時には関白である

その兄にもたてつきまくっていた。


そもそも人の機嫌を取ってまで

偉くなろうと思っていないので

野心家の男=魅力的、

というとくに清少納言のような

女性から見た時には、

なんだこいつ…!?


って感じなんだろう。


そしてそんな道長の様子を

ききょうから聞いて

笑っているまひろ…


やはりこういうのは、

ドラマならではの楽しさである。


「あの人、嫌われてるんだ…」


とちょっと心配しつつも、

そんな道長が愛おしいというか

私は彼の良さを知ってる、

みたいな感情というのは

理解もできる。


と!!


言いながらもせっかく、

関白ではないにせよ

実質的な関白といえる

内覧になった道長が、

まひろに会えるかな?と

廃屋に行って再会したのに


「過去の己に会いに来たのね」


とあっさりスルーしてくる

まひろの怖さよ…!


こういうところは女の怖さだ。


道長は絶対、期待してた…


だって…べつに自分が無理して

成り上がったわけじゃないにせよ

結果的にあの若さで、

政権のトップに立ったんだし

あのときの約束を果たせそう

なんだから…


昔の恋人のようにはなれずとも


「よくやったわね、道長様!」


くらい言われたいのが

男ってもんじゃないか…


なのに、まひろはスルー。


マジ、怖い。


この脚本を書く大石静氏も怖い。



印象的だったのは、

一条天皇の母である詮子さま。


道長の前では伊周に

関白になられたら、

私達は終わりよ!と

あくまで自分たちの地位に

こだわっているようだったが…


帝の前で涙ながらに

伊周では何故ダメなのか、

道長の何が良いのかを

語っているときには、

本当に母として帝を

案じていることも伝わる

複雑な演技になっていた。


とはいえ詮子が言うほどに、

定子はべつに悪い女性ではない。


だからこそ帝が胸を痛めるのも

よくわかる部分もある。


定子はたまたま道隆の娘で、

伊周の妹であるからこそ

こんなつらいポジションに

されてしまっているだけ。


とくにききょうはそのことは

理解しているだろうから、

彼女が定子を大切にするのも

当たり前だろう。


定子は本当に気の毒だとは思う。


事実、その生涯も薄幸なものだし

清少納言の輝きも史実では

彼女とともに消えてしまう。


ドラマはちゃんとその後を

描いてくれると思うけれど。



詮子が道長を思いっきり

贔屓にしていたのは、

ドラマだからではなくて

実際にそうなのだが、

ドラマの道長は決して

嫌な奴ではないからこそ

詮子が弟だからといって

特別扱いしているわけではない

ことも伝わってはくる。



元々、人の上に立つ人は

それを最初から目標に励んできた

帝のようなタイプの人と、

べつに本当は上に立ちたくはないけど

その能力があるがゆえに

周囲から推されてそうなる人の

2種類がいる。


つまりはタイプが違う、

2人が手を取り合うからこそ

良い政ができるはずだと

考える詮子の考えは

間違ってはいない。


道長は権力欲に乏しいから

不正はしないだろうし、

忖度もないから帝が

道を踏み外しそうならば

止めてもくれるだろう。


そういう道長だからこそ、

息子の側で補佐してほしい…


それは母として当然の

願いであったろう。