どうする家康第48回あらすじ&感想後編 | NobunagAのブログ

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どうする家康

第48回「神の君へ」後編




「殿、起きてくだされ!」


家康の耳に鳥居元忠の声が

聴こえてきた。


「大変でございますぞ殿!」


平岩親吉の声もする。


「殿!いつまで寝ておられる!」


「起きてくだされ!早う!」


目を開ける家康。


「随分よう寝た…」


そこにいたのは、

若き日の家康…。


「何じゃ?改まったなりをして」


「何を寝ぼけたことを!

今日が何の日かお忘れか!」


元忠に続いて親吉も急かす。


「今日は若君様のご祝言の日で

ございましょう!」


戸を開けると賑やかな声がする。


「急げ!」


皆が祝言の用意をしている。


「そうか…

そうであった!」


若返った家康は、

思い出したように叫ぶ。


「若様!お待ちくだされ!」


酒井忠次の妻、登与が

少年の信康を追いかけている。


「信長の姫など要らん!

祝言など挙げん!」


「わがままを申されますな!

若様、若様!お着替えを!」


それを見て家康は笑う。


「ハハッ、しょうのないやつじゃ。

姫様はこちらへ向かっておるのか?」


「殿、のんきなことを

言っとる場合ではござらん、

大変でござる!」


と、元忠は焦っている。


「池の鯉が…」


親吉が困ったように言う。


「鯉?」


家康は尋ねた。


「ああっ、先頃

信長様から贈られた鯉でござる!」


元忠がいても立っても

いられない、といった

感じで説明する。




「おめでとうごぜ〜ます!」


信長の家臣だった秀吉…

いや、まだ木下藤吉郎だった

賑やかな男が、

家康のもとにやってきている。


「美濃攻めのさなかというのに

わざわざ届けてくださり

かたじけない、木下殿」


「いやいやいや!

この猿めは言われたとおりに

お届けしたまでだがや。

ご両家の絆と繁栄の証にと

信長様御自らお選びに

なったものでごぜ〜ますからな」


樽から池の中へと

鯉が移される。


家康の脳裏にあの怖い

信長の顔が浮かんだ。


「信長殿自ら…」


「ああ…このいっちゃん

でけえのが、あれ、信長様。

で、その隣、あれ、家康様。

で、これが若君様を表しとるっちゅう

ことで」


と、鯉を見ながら藤吉郎は

説明した。


「なんとまあありがて〜こって

ごぜ〜ますなあ!」


「ああ」


信長自らの贈り物、

ということで家康も

大切にしていたものだ。




「その鯉がどうした?」


家康の問いに親吉が

困ったように答える。


「おりませぬ」


「おらぬ?」


元忠が事情を説明する。


「ゆうべまでは

確かにおったんですが

三匹とも…いやお三方とも

池におりませぬ」


「おらぬ!?」


家康は驚いて元忠に

掴みかかった。



「万が一、鯉の身に何かあったら

そん時ゃあ、ど〜なるか

わしゃ知らんで…

気ぃつけや〜せ」


そんな藤吉郎の言葉が

思い出され家康は戦慄した。



「なぜよう見張っておかぬか!」


「今、忠世殿があちこち

捜し回っておりますが…」


そこへちょうどよく

大久保忠世がやってきた。


「殿!殿!」


「おおっ、忠世、見つかったか!」


「それが…このようなものが

落ちておりまして」


忠世が包んでいたのは


「ほ…骨!?」


すでに身を削られて

骨だけになった、鯉…


「誰かが食っちまったものと…」


「どこのどいつじゃ、

あほたわけが!」


家康は怒った。



事態は酒井忠次と

石川数正にも知らされた。


「何ですと!?」


「万が一、信長様に知られたら…」


「はあ…」


家康はため息をつく。


「殿!」


渡辺守綱がさらに最悪な

知らせを持ってきた。


「織田様からの使いが参りまして

五徳様、間もなくご着到なさります!

つきましては信長様も一緒に

お見えになるそうでございます…」


「い…今、何と申した!」


家康は驚愕する。


「ですから信長様も一緒に」


さらに恐ろしい言葉が続く。


「贈った鯉を見るのを

楽しみになさっているそうで」


「何で信長が来るんじゃ!」


家康は守綱の襟首を掴む。


「はあ〜、いや…」



焦った家康は母のもとにも

聞きに走った。


「鯉?」


「ゆうべここで鯉をさばいたやつが

いるはずなんじゃ、

心当たりはありませぬか?」


「さあ?誰か知っておるか?」


於大は侍女たちに問いかける。


「わ、私らは朝一番に来ましたが…」


「誰もおりませなんだ、のう?」


「ええ、だーれも」


「ああっ、あら。あ〜、

こ、こんなところに。うん?」


なぜかわざとらしく

於大が何かを拾い上げる。


「笄?これは本多家の!」


家康は平八郎のもとへ向かう。



「お前たちであろう!

庭にいたところを見たと

いう者もおるぞ」


「ハッ、な…何のことやら

分かりませんなあ」


「我らはゆうべ

庭で槍の稽古をしていたまで」


「そうじゃ」


平八郎も共にいた小平太も

知らないと言う。


部屋の中にはなぜか

この頃にはなかったはずの

二人の晩年の甲冑があるが

家康は気づかない。


「確たる証しがあるぞ。

これは本多家のものであろう!」


と、家康は笄を見せる。


「ハ…ハッ、こ…この俺が

笄を落とすようなまぬけとお思いか!」


平八郎が怒る。


「殿、本多家は平八郎だけでは

ござらぬ」


と、小平太。


「そうじゃ」


「あっ、そういえば

のんべえ殿と夏目殿は

ゆうべ遅くまで酒を飲んでいたと

聞きました」


「忠真と夏目が?」


「我が叔父に限って

そのような!」



家康は二人のもとへ向かう。


「本多忠真、夏目広信!」


相変わらず夏目の名前を

間違える家康。


「夏目広次にございます」


「そうであった…!

それはどうでもよい!

ゆうべ鯉を食ったろ、

信長の鯉を!」


「私どもはあぜ豆をつまみながら

ちびちびやっていただけで…」


忠真は酔いが残っているらしく

まだ眠っている。


「忠真。忠真!」


家康は忠真の尻を叩く。


「台所に落ちておったぞ」


「うん?

かたじけない、だが

水を飲みに行っただけ」


忠真はむくりと起き上がる。


「わしはもう酒を断ったんじゃ!

疑うとはなんたる無礼!

七之助〜!」


酒を断った、などと言いつつ

家康を親吉と間違えて

怒り出す。


「違う!七ではない。

これは殿じゃ!」


夏目広次が忠真を突き飛ばすが


「いいぞ平八郎…」


と支離滅裂である。


「あっ!そういえば

鯉に目がないお方がお一人…」


夏目は思い当たった。


「誰じゃ」




「いくら鯉に目がないわしでも

あの宝物を食うたりは

いたひまへん!」


鳥居の爺様…忠吉が

歯の抜けた口調で釈明する。


「多分」


「多分?」


「う〜ん…近頃は物覚えがとんと…

昔のことはよう覚えてるんですが

ゆうべのこととなると…」


もはや老人である忠吉は

記憶があやふやである…


「鯉を食うたかどうかぐらい

覚えておろうが!」


「食うておりまへん!

…と思います」


「はっきりせい!」


家康はイライラして、

床を叩くと立ち上がる。


「もし食ったのなら…」


太刀を掴む家康。


「成敗せねばならん」


「食った」


忠吉は即答した。


「食うたかもしれません。

きっと食うた、

食ったんじゃ」


投げやりに言うと

忠吉も立ち上がった。


「食ったんじゃな?」


家康は刀を構える。


皆がじっと見つめ息を飲む。


そこへもっとも恐れていた

知らせがついにきた。


「織田様御一行、

ご着到にございます!」


もはや猶予はない。


忠吉は背を向けて座った。


「ひょの!お手討ちにして

くだされ。

誰かが首を差し出さねば

ならぬのなら

このおいぼれから

お願い申し上げます」


その言い方ではまるで

食ってはいないのに

誰かの罪を被って

犠牲になろうとしている

ようではないか…


しかし信長は迫っている。


家康は困惑しつつも、

刀を振り上げた。


どうする、家康…


が、斬れるわけがなかった。


家康はへたりこんだ。


「もうよい」


「よい、とは?」


「大事な家臣を…

鯉と引き換えにはできぬ」


「ひょの…」


皆がホッとし忠次が


「信長様にはなんと?」


と尋ねた。


「正直に言うしかあるまい」


数正が心配する。


「信長様の逆鱗に触れたら?」


「そんな相手なら

縁組みなんぞこっちから

願い下げじゃ」


「では鯉を食うても

お許しくださるので?」


忠吉が確認する。


「鯉は所詮、鯉じゃ。

食うて何が悪い」


忠吉も皆も笑顔になる。


忠次が意外なことを

言い出した。


「そのお言葉、

待っておりました!」


「ん?」


家康は不審げに顔を上げる。


「よう申した、家康」


嬉しそうに於大が来る。


「皆の衆、殿から

お許しが出たぞ。

これで晴れて鯉が

食べられますな!」


皆が笑い出す。


「鯉?」


女たちが運んできたのは、

しっかりと料理された鯉だった。


「こんな見事な鯉を

食わない手はありませんからな!」


元忠が喜ぶと忠吉も


「よだれが止まらんかったわ」


と同意する。


「何が宝物じゃ、

馬鹿馬鹿しい」


平八郎が呆れたように言うと

小平太も本音を明かす。


「信長にこびへつらうなら

まだしも、

信長の鯉にまでへつらっていられるか」


「大事にしたってどうせ死ぬんじゃ、

さっさと食っちまった方がええわ!」


「そうじゃ、そうじゃ!」


元忠と親吉が笑った。


家康は困惑する。


「まんまと担がれましたな」


忠世が楽しそうに言った。


「殿、ほんの戯れでございます。

お許しを」


夏目が頭を下げた。


「戯れで済むか!

今から信長に謝るのは

わしなんじゃぞ!」


と家康は抗議するが


「殿。信長様は美濃攻めのことで

大忙し、ここへ来られるはず

ございますまい」


そんな忠次の言葉を聞くと


「はあ〜、良かった〜」


と情けない声を上げて

家康は安堵した。


皆が大笑いしている。


家康も笑うが…


「よくないわ!ばかにしおって!笑うな!」


と怒った。


「主君を一同でからかうとは

なんという家臣どもじゃ!」


「それがひょのと家中の

よいところじゃ!」


「もしわしがあのまま手討ちに

したらどうするつもりだったんじゃ!」


「さようなことはなさらぬと

信じておりました」


当たり前のように言う小平太に

平八郎も頷く。


「皆、よう分かっておるのでござる。

殿というお人を。

そのお心を」


家康は黙り込んだ…



老いた家康もあの若き日と

同じように黙り込んでいる。



酒井忠次が


「殿。まことにありがとう

ございました」


と改めて礼を述べている。


平八郎、小平太が続く。


「ありがとうございました」


「ありがとう存じます」


「ひょの、お礼を申し上げまする」


「何もかも殿のおかげで

ございます」


夏目が笑う。


自称三河一の色男、

忠世も微笑んだ。


「いつまでもお支えいたしまする」


子供の頃から共にいた

元忠と親吉…彦と七が並んだ。


「わしらはずっと殿と一緒じゃ」


「どこまでもついてきますぞ」


「ありがとうございました、殿」


石川数正も頭を下げた。


家康は涙ぐむ。


「こちらこそじゃ…」


若き日の家康のはずが、

その声は老いており…


足元も危うい様子で

家康はゆっくりと座る。


「心より…感謝申し上げる」



老いた家康もまた、

朝の光の中であの日のように

頭を下げていた。


「お幸せでございますなあ、殿」


瀬名の声に家康は、

潤んだ瞳を上げた。


瀬名が微笑んでいる。



若き日の家康もまた、

瀬名を見て涙を浮かべていた。


「そうじゃな」


家康は改めて皆を見回す。


「わしは…ハハ…

幸せ者じゃな、

ハッハッハッハッ…」


若い声に戻ると家康は、

泣きながら笑った。



老いた家康も同様に

涙を流し微笑みながら

頭を垂れた。


家康、死去。



「海老すくい、海老すくい」


と祝言の場で忠次を筆頭に

皆が踊っている。


「お婿様はどこらほどに

おりゃしゃあす、

鮒、鮎、鮒、鮎…」


あれほど祝言を嫌がっていた

少年の信康も皆に混じり

楽しそうに踊りだした。


「お嫁様はどこらほどに

おりゃしゃあす」


信康が五徳に手を差し出すと

五徳も遠慮がちに手を握り

皆の輪に混ざっていった。


海老すくいの唄を聞きながら

縁側で飲んでいた家康。


「なんとよき光景でしょう」


瀬名が幸せそうに言う。


「こんなよき日は

二度ありましょうや…

まるでいくさなどいみたい」


「わしがなしたいのは

今日この日のような

世かもしれんな」


若き家康が感慨を込めて言う。


「是非ともあなた様が

作ってくださいませ」


「わしには無理じゃろう」


瀬名は笑った。


「フフ…ただの白兎ですものね」


「ハハッ、そうじゃ…フフ…

だがこの者たちを見ていると

いつの日かそんな世が

来るような気がするのう」


「まことに…」


皆が笑顔で踊っている。


「わしは信じるぞ。

いつかきっとそんな世が来ると」


「フフ…はい」


(いつかきっと…)


家康と瀬名は遠くの街並みを

眺めた。



見慣れた風景の向こうには

たくさんのビルが立ち並び、

東京タワーが見えている。


家康の目指した先、

作りたかったはずの未来。


それはきっと、

いま、我々が住むこの現代へと

長く長く続いているのだろう。




どうする家康・完


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東照社縁起


家康の生涯をつづった絵巻物。


150年に及んだ戦国時代。


家康は乱世の終わりを見届けた

かのように75年にわたる

波乱の生涯に幕を下ろした。


死期を悟った家康は

枕元に側近たちを呼び寄せ

遺言を伝えたという。


遺体は久能山に納め

一周忌が過ぎた後

日光山に移すべし。


その御霊は東照大権現という名の

神とかて日光に祭られ

三代将軍家光の手により

現在の姿に造り替えられた。



一年間、徳川家康を演じきった

松本潤が日光東照宮を訪れる。


そこにある彫刻には

家康の平和への思い、

政治の思想が集約されているという。


何よりも大事なのは命。


いつの世も子どもが

安心して遊べることを願った。



家康の墓所を訪れる松本潤。


森の中に一筋の光が射した。




嬉しやと二度(ふたたび)さめて

一眠り

浮世の夢は 暁の空



在りし日の家康公に

手を合わせ松本潤は、

胸を張る。


その姿を神となった家康公は

きっと見てくれているだろう。



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この最後の20分にこれまで

温存していた「鯉の話」を

存分に描いたことによって、

物語は原点へと回帰した。


本来の家康は


「どうする家康」


の言葉通りに


「どうすればええんじゃあ!」


とことあるごとに騒ぎ立てる、

弱く頼りない若者だった。


そんな姿が


「イメージと違う!」


と、批判されたものだが

本作で描きたかったのは

そういう


「人間、家康」


なのだから最後まで貫いてほしい、

と自分は思い続けてきた。


だから真田信繁の突撃で、

狼狽えて若い頃のように

怯える家康であっても

良いのではないかとすら

思っていた。


が、現実には家康が

到達してしまった領域は

まさに神様のような

精神状態であり…


もはや若い頃へは戻れない、

といった状況になっていた。


そのために若い者たちは皆、

寄り付くこともなくなり、

孤独な死を迎えることになる。



が、獏を彫っていた家康。


その行為自体がもはや、

夢だったのか現だったのか…


寝たきりであっただけに

その時点で半分は、

もう亡くなっていたのかも

しれないのだが…


獏とは悪夢を食べる幻獣である。


家康の生きたあの辛い人生を

獏が食べてくれて、

最期は良い夢を見せてくれた…


そう考えると家康が、

いつも思い出しては

笑ってしまい、

ちゃんと話せなかった

あの事件…


「鯉の話」


があった若い日へと

戻ることができた、

それを思い出しながら

死ねたのだと思うと、

最後の最後に希望は

残されていたのだなと思う。


そういう意味で、

このラストシーンというのは

物語に必要なものだったと思う。



家康にとっての最良の日。


誰もがそうだろうが、

まだ若くて希望にあふれ

自分には何が出来るか、

何が出来ないかを模索していた日々。


愛する妻がいて、

可愛い子供はまだ早いながら

祝言を迎えている。


その嫁はあの怖い信長の娘…


だが、信長が怖いとはいっても

その信長のほうは家康のことを

かわいがってもくれており…


後年、二人が一時的に

決裂してしまったような…


信長は友のような家臣に

恵まれた家康を警戒し、

決して信長の本意とまでは

言えなかったろうが、

妻の瀬名と子供の信康を

奪うことになってしまった。


家康は信長を憎むことでしか

その罪悪感から逃れられず

思えばあの頃から、

少しずつ家康の人生の

歯車は狂っていった。


でも、鯉をくれた頃の信長は

怖いけれども家康を

かわいがってくれる

兄貴分でしかなかった。


秀吉もまだ藤吉郎と名乗る小者で…


生意気で嫌がらせのようなことを

すぐに言ってくる、

家康にとっては嫌いな奴だったけれど

その藤吉郎は家康のことが

本当は好きだった。


家臣たちは、皆


「友垣」


のようなもので家康のことを

半分はからかいながらも、

愛してくれていたし、

大切に思ってくれていた。



家康にとって、

当たり前にあった

まだ幸せだった時代。


天下のことなど

考えるようなゆとりもなく

ただその日を生きることに

精一杯だった時代。


そんな家康と瀬名が

見通していた未来の先に

我々が生きる現実がある。



確かに茶々も家康のように

未来を見通してはいた。


か弱きものの国…


それはあながち嘘ではなく

現代の闇、病みを言い当てている。



が、人は誰もが狼のように

強くはあれないし、

虎のように生きられない。


ましてや神様でもなければ

狐や狸のように狡猾にもなれず、

神話のオロチのように

強くもなれない。


兎は数だけは多く、

そんな兎たちが集まって

身を寄せ合う。



「兎は強うございます、

狼よりもずっとずっと

強うございます」



我々は一人ひとりが

兎のようなものだ。



少なくとも家康が作った

未来であるこの現代では

かつてのようないくさは起きず、

子供たちは幸せに暮らせている。


一方で茶々が指摘したように

人の業に飲まれてしまい、

不幸な人生を送る者もいれば

幸せには生きられていない

子供たちもいるだろう。



彼らの物語は続いている。


我々の中で。


厭離穢土欣求浄土。


そんな世界を作れるか、

家康が身を切るようにして

切り開いたその礎を

確かなものにできるか。


それこそが本作が

我々に残した大きな

大きな問いかけでは

ないだろうか。



様々な批判があった

本作ではあるがその大半は

歴史をよく知らない、

あるいは最近の研究のことを

わかっておらず、

過去の作品ばかりにこだわった

取るに足らないものばかり。



自分はよく書いているのだが、

戦国時代は幕末へと

繋がっているし、

彼らの生きた先には

現代があるということ。


本作はそれを見事に

具体的なものとして

最終回に描いてくれた。


新しい試みも多かったし、

松本潤さんをはじめ

俳優陣が本当に

素晴らしかった。


瀬名が自害した回もそうだが、

紀行も含めて最終回は、

完結であると思う。



子どもたちが平和に

遊べる世の中。


兎は兎のままでもいいのだ、

そうやって生きられる世の中を

我々はどうやって築いていけるか。


茶々が言ったような、

他人を嘲るようなことなく

たとえ弱くても己を律して

まっすぐに生きられるか。



非常に良いドラマだったと思う。



まだまだ書きたいことはあるが、

総集編もあることだし

本作の良かった点や、

もう少しこうだと良かった、

という点はまた改めて

別の記事にしようと思う。


まずは本作に関わった俳優陣、

全スタッフの皆様に

感謝します。