
予想していた内容とは違う、
それなのにものすごく
しっくりくる結末に
安堵しました。
ある意味では、
誰もがもっとも観たかった
エヴァンゲリオンの
ひとつの形なのかも。
シンジの成長、
自らの意志での
運命への対峙。
破を観たときに、
自分の意志でレイを
救おうとしたシンジに、
これこそが求めていた
エヴァなんだ!!
と多くの人が喜んだが、
Qでそれが否定された形に
なってしまった。
だからファンの多くは
Qをあまり好きではないと
感じていたし、
その感情はシンジと
そのままリンクしている。
でもQがあったからこそ
シンでのさらなる
シンジの成長に
感動できるのだ。
上映期間が開きすぎたのが
問題であっただけで、
Qはシンとセットで
観るべき作品だったと思えば
Qの持っていた意味も
理解できてくる。
そして、序破Qだけでなく
テレビ版、
そして旧劇場版も含めた
全ての物語への、
さようならを告げた
ラストシーンは、
圧巻の一言だろう。
新しい伴侶とともに
未来へ進むシンジに
拍手を送りたい。
この先少しネタバレ
↓
マリというキャラクターが
加わった理由が、
判明した気がする。
彼女は「母親」になれる
女性だったのだろう。
設定的にもユイや
ゲンドウと同世代の
大人の女性なわけなのだが、
アスカの髪を切ってあげたり
彼女の恋愛感情を
気にかけてあげたり、
姫と呼んで大事に
している様子が
描かれている。
シンジに対しても
「絶対に見捨てない」
という姿勢を貫いている。
ウダウダウジウジと
悩むキャラが多い
エヴァ世界において、
彼女は異質であって、
そして明るく救いのある
キャラクター性を
持っている。
戦闘においても、
強く頼りになる。
ひたすら
前向きであり、
めげることがない。
カップリング的な部分で
これまでのキャラを
出し抜いている感があることに
不満を持つ人も
いるかもしれないが…
何度もループし、
不幸を重ねる世界の中で
シンジを見捨てない女、
というイレギュラーな
存在が生まれたこと。
それがあの幸福な結末に
繋がったのだと思えば、
マリは文字通りの
マリア様、聖母の役割を
担ったのだろう。
実はどの場面でも
シンジはマリを
拒絶することがない。
接点が少なかった、
ということもあるのだが…
他者への距離が近いマリは、
本来ならばシンジが
苦手なタイプだと思うのだが、
カヲルくんと同じように
シンジはマリのことは
すんなり受け入れている。
漫画版を元にすると
マリはユイに好意を持つ、
同性愛者として
描かれている。
そうした性的な感情が
変化したのかは
わからないが…
(アスカへの恋人のような
接し方を見ると、
同性愛的な感情も
変わらずあるのかもしれない)
少なくともユイの
息子であるシンジのことを
去っていくユイの代わりに
自分が支えるのだ、
という気持ちを
持って戦っていたのなら
母性の固まりであるとも
言えると思う。
今回の物語は、
マリがいたからこそ
平和な結末になり、
マリという存在が
生まれてきたからこそ
円環の物語に、
楔を打てたのかもしれない。
さらにネタバレ
↓
カヲルくんは、
かなり謎が残ったわけだが…
見方によっては、
彼はゲンドウに欠けていた部分を
補うようなキャラクターで
あったとも言える。
シンジを救うことを
自分の目的にしていて、
シンジ自身も彼に
親しみを覚えている。
カヲルくんと
父さんは似ている、
という言葉もある。
ピアノが好きなことも
よく似ている。
ゲンドウの性格が
ねじ曲がっていたせいで
(そしてシンジも
似たようなものだったので)
二人の関係というのは
冷ややかなものに
なってしまっていたが…
ゲンドウの中にあった
息子を理解したい、
という気持ちが
形となった、
あるいはそうした
魂の半分みたいなものが
宿っているキャラ
だとしたら?
ループを繰り返す中で
一人だけ記憶を持ち、
今度こそはシンジを救う、
と動いていたカヲル。
ラストの場面で、
レイと一緒にいたのが
カヲルというのは、
ユイのコピーである
レイに対しての、
ゲンドウのコピーである
カヲル、
その二人が新生された世界で
結ばれている、
というのは幸せな
ラストのような気がする。
もっとも…
ユイそっくりで
かわいいレイに比べ、
なんでゲンドウの
コピーがカヲルくん
みたいなイケメンなんだ!?
という疑問はあるが…!
そこはほれ、
だからカヲルは
ゲンドウの理想を体現した
半身なんじゃないの?w
人に優しくて、
シンジヘの父性があって
誰かのために行動できて、
そしてイケメンっていうね…
まぁ、この辺はしっかりと
語られていないから
あくまでも想像なんだけど
「渚司令」
って呼ばれてることからも、
ゲンドウと無関係、
ってことはないと思うんだよね。
作中での絡みがほとんどなく、
ゲンドウ自身がカヲルの
存在もよく知らない、
みたいになっているから
カヲルの創造に
主体的にゲンドウが
関わってるわけでは
ないと思うけれど。
ミサトさんの結末は、
切なかった。
「行きなさい!
シンジくん!」
からの
「あなたは何もしないで
ちょうだい」
というQでの変貌ぶりを
残念に思うファンも
多かったのだが、
ミサトなりに
下手するとシンジより
苦しんできたのだろう。
彼女はもう一人の
主人公だった。
最後はいつものミサトらしく。
彼女の魂も、
また再生できたのだろうか?
冬月はゲンドウの
味方のようでありつつ、
Qではシンジにも
優しさを見せていた。
もしかしたら、
彼はシンジこそが
ゲンドウを止められると
思っていたのかもしれない。
冬月自身がユイへの
特別な思いがあるだけに
ゲンドウの野望を
理解できると同時に、
本当の意味でゲンドウを
救うためには、
シンジこそが必要な
存在であることを
わかっていたのかも。
だからこそ、
最後はマリに
他のエヴァシリーズを
託したのだと思う。
破とQの間にあった
出来事こそが、
多くのキャラにとって
重要なポイントに
なっていたと思うが、
そこが断片的にしか
描かれていなかったのが
残念というか、
エヴァらしいというか。
破の終わりに
Qの予告として
描かれながら
Qではまったく
映像に出てこなかった
空白の14年。
ニアサードインパクトの
あとに起きたという、
サードインパクトの件。
本当ならばそこを
もう一作として
描いてくれていたら
良かったのに、
とは思う。
ミサトをはじめ、
ヴィレのメンバーにとっては
その期間があっての
Qとシンなので。
ある程度のストーリーが
しっかり明かされたこともあり
以降はゲームなどで、
この空白の時間のことが
映像として描かれれば
さらにわかりやすく
整理できるのだが。
謎は謎として、
残るほうがエヴァらしいか…
シンジは、
そして傷ついた
それぞれのキャラたちは
今回、救われたと同時に
彼らの物語は終わった。
エヴァという物語に
囚われてきた
多くのファンにとっても
ひとつの終わりであり、
未来に目を向けろという
メッセージでもあるだろう。
でもさよならは、
次に会うための
おまじないでもある。
今度はシンジたちではない
別の形でのエヴァンゲリオンと
再会できる日を、
どこかで期待している。