キングダムの作者が、
こじるりと不倫しただの
3月に離婚しただのと、
マスコミが騒がしい。
またそれに乗っかって
見損なった、
というような批判が
飛び交っていることが
実にバカバカしい。
本音を言うなら、
俺は家族のことを
とても大切にしているから
不倫をする奴は嫌いだ。
だが、作品というものの前で
そんなことは、
どうでもいいことである。
作者の人柄と作品の評価は
まったく別物だからだ。
例えば秋元康が嫌いだと
いう人はけっこういるかも
しれないが、
川の流れのようにとか
365日の紙飛行機を
聴いたときに、
多くの人は良い歌だと
普通に感じるはずだ。
作品を評価するとは
そういうことである。
そもそもキングダムという
作品そのものが、
品行方正な漫画ではない。
そこに描かれているのは
圧倒的な暴力であったり、
人の力ではどうにも
ならないような、
突然の死であったり…
戦場における略奪や
暴行のような悲劇にも
目を反らすことなく
正面から描いている。
主人公の信は、
そうした卑劣な行為には
断固として反対する
熱血漢ではあるものの、
それも本来ならば
甘い理想でしかなくて
信が仕えている
政の目的は武力で
中華を統一することだ。
つまりそこには、
どうやっても逃れられない
罪のない人の死も生まれるし
あるいは同じように、
統一を夢見る他の者たちの
夢を根こそぎつぶして初めて
叶えられる夢なのである。
人は生きていけば必ず、
どこかで人を傷つけ、
自分の夢のために
誰かを蹴落とすことから
逃げることもできない。
それでも!と
理想を叫ぶ物語、
それがキングダムだ。
作者がしたことは
残念なことではあるが、
そこから得た経験は
必ずこの漫画に
生きるはずだと思う。
何か間違いを
犯したからといって
徹底的に叩くのは
本当に正しいことだろうか?
本人は反省していないだろうか?
そこから得たことを
未来に活かせるのでは?
少なくともキングダムという
素材はそれを表現できる
素晴らしい作品なんだ。
だから世間がなんと言おうと
作者はこれからも、
作品にだけ真摯に向き合えばいい。
作品が素晴らしければ
俺は評価をするし、
きっと世の中の多くの人に
勇気を与えるものが作れる。
これまでがそうだったのだから。
ひとつの過ちで、
そのすべてが失われはしない。


