
有名な聖徳寺(正徳寺)での
道三と信長の会見が
描かれた第14回。
史実においても、
この会見によって
道三が息子よりも
信長を評価するように
なっていったと
言われている。
ドラマにおいては、
この日着ている着物も
連れてきた兵も
帰蝶の指図ですよ、
俺は帰蝶の手のひらで
操られてるだけです、
とにこやかに語る
信長であるが…
なぜ重臣を連れてこないか
問われると、
まだ若い佐々成政、
前田利家を
道三に紹介し、
「この者たちはいくさに強い。
土豪の三男、四男坊だから
自分で身を立てなければ
ならない、
だから必死に戦う」
と語る。
自分に必要なのは、
保身を考える重臣ではなく
自分と同じ目線で
道を切り開く者たちだと
野望の片鱗を見せる。
そんな信長にかつての
自身と同じものを感じ、
道三は共感する。
「男として男を認める」
という感覚なんだよなぁ。
この会見というのは、
実際にあった出来事だけど
本当に素敵だと思う。
当時の武将たちって、
まさに命がけで戦い
身を興してるわけです。
であるからこそ、
血縁だからとか、
家柄が良いからなんて
ことよりも、
志を同じくする者にこそ
自分の命を託したい。
それが本音でもあると思う。
この会見のあと、
今川方によって
孤立した城を救うため
出撃する信長のために
信長の居城である
那古野城を守る
援軍を道三は派遣します。
これも戦国時代としては
非常にまれなことで…
というのも、
わざわざ隣国の君主が
城を留守にするのだから
いくら婿とはいえ
「俺の城、代わりに
守っておいて!」
「よし、わかった!」
なんてあり得ないわけですよ。
普通ならそのまま
乗っ取ってしまっても
おかしくない。
ましてあの蝮の道三だし。
それを何の思惑もなく
きっちり守ってあげる。
よほど信長のことを
気にいっていたことが
史実からも伺える
エピソードだ。
しかしこれに対し、
当然のことながら
道三の息子である
義龍(高政)は反発します。
それに対し道三は
わざと煽るかのように
「信長のことが気に入った」
「お前たちも気をつけねば
信長にひれ伏すことになる」
と告げてしまう。
これ、信長のすごさや
野望を見抜いてしまった
道三の本音では
あるけれども、
息子にとっては屈辱的で
つらい言葉だなと思う。
どうしても信長との比較、
という見方をされてしまうが、
義龍がそんなに無能かというと
実際はそうでもないんだよね。
ドラマ上でも一見は、
重臣たちの操り人形
みたいに踊らされている、
と見られがちだけど
義龍が目指す国作りは
道三のようなワンマン経営
ではないということなんだ。
たとえば
「俺が気にいったから
援軍を出す!
何が悪い!?」
というやり方そのものに
疑念を持っている。
それも当たり前ではあるんだよね。
いくさに出るということは
死ぬ人間もでる。
美濃を守るためじゃなく、
道三が信長を気に入ったから
信長のために死ねという話。
もちろんそれは
道三からしてみれば
単に信長が可愛いだけじゃない。
信長と仲良くすることが
美濃の繁栄につながると
いう思いは当然、
あるはずなんだが
そこは息子からしたら
相容れない。
このとき光秀も
義龍の意見のほうが
理にかなっているのではと
擁護するが、
それでも道三は援軍を
派遣し信長は勝利します。
そして信長の、
鉄砲を駆使したいくさを
目の当たりにした光秀も、
その姿に魅了され
興奮冷めやらぬ、
といった表情を見せる。
まぁ、これが信長という男
なんだろうなぁ。
実力によって
評価を得てしまう。
その信長はいくさで
討ち死にした若い側近たちを見て
「お前もか…
お前もか…!!」
と本気で悲しんでいる。
そして悲しみを
ふりきるように
勝利を吠えるんだ。
非情なイメージのある
信長ではあるけれど、
部下の死を本気で
悲しんでいたというのは
信長公記でも
書かれている意外な
一面でもあります。
義龍の母であり、
道三が側室として
可愛がってきた深芳野さんが、
亡くなってしまいます。
事故死なのか、
それとも…自ら命を
断ったのか…。
海岸で倒れていたときにはもう。
義龍は父上のせいだ、
母上のことを
慰みものにして
飼い殺しにした!!
自分に家督を継がせて
もらうことだけが
母上の希望だったのに
それをも奪ったのだ、と。
激しくなじります。
しかし道三の悲しみ方を見ても
決してそんなことはないんだよね…
この父と子の対立は
本当に悲しい。
道三はあくまでも、
義龍にもっと強くなって
自分の跡継ぎとして
ふさわしい男になって
ほしいからこそ、
厳しい態度を見せてきた。
「(このままでは)
家督は継がせられない」
とは言ったけれど
本気でそう言っている
わけではなかった。
道三流の叱咤激励でも
あったはず。
でも深芳野は深く傷つき
命を断った。
「家督を継がせてやると
言ってきたではないか!?
なぜなんだ!」
と嘆く道三が痛々しい一幕です。
これはまさに道三の
ワンマンぶりというか、
他人の気持ちを上手に
考えてあげられない
悪い側面が招いた
悲劇でもある。
来週以降はついに
道三と義龍の対立が
本格化していきますね。
本木雅弘さんの
素晴らしい演技で
これまでにないほど
人間らしい、
魅力的な斎藤道三が
描かれてきましたが
そろそろお別れ…。
まさか義龍に言った
この言葉が
自分に返ってきて
しまうとは…

