■認知症の3割が入院時に拘束■
認知症の方の3割が、
病気やケガで入院したときに
なんらかの身体拘束を
受けていることが
判明したそうです。
いまさら…といいますか、
病院なんかに行くと
頻繁に目にしますからね。
僕らは介護施設のスタッフなので
身体拘束が原則禁止なので
行ってはいませんが、
病院という場所の事情を
考えると、
それ以外の対応が
しづらいということには
一定の理解も示してあげないと
かわいそうかなとは思います。
というのも認知症といっても
様々なので自傷他害の恐れが
強くあるような方の場合には
他の患者さんを傷つけたり、
本人もケガをしてしまう
場合があるのです。
「認知症の方の行動には
何らかの理由がある」
これは教科書的な話で
まったくそうなんですが、
その理由がわかったとしても
実際に現場レベルで
どんな対応が求められるかというと
「ほぼつきっきり」
での個別対応です。
というのも認知症の方の
行動の理由がわかったとして
それをしないように、
うまく声をかけたり誘導しても
「その声かけを忘れる」
のです。
「伝える」→「いったん収まる」
→「すぐ忘れる」→
「また始まる」
この繰り返し。
なので下手すると
夜中だろうとなんだろうと
症状が始まったら、
一定のおさまりがつくまでは
何時間もそうした対応を
求められてくるわけです。
これを病院で忙しい看護師さんに
やれということ自体、
あまりに無理はあります。
看護師さんだけでなく
僕ら介護スタッフも、
似たようなものですが…
つまりそうした行動を
予防するためには、
拘束が良いとは思わないにせよ、
教科書通りに対応を
しなさいと押し付けて、
マンパワーだけに頼るのは
無理があるのです。
最近、ちょっと悩んでいる
内容ともリンクするのですが…。
夜になるとものすごく
奇声をあげて騒いだり、
昼間は歩かないのに
歩行して転倒してしまう方がいます。
夜勤をしているスタッフは
「ほとんどこの人専属の夜勤!
他の人のことができない」
と困って苦しんでいますし、
実際に他の利用者さんから
苦情も頻繁に出ています。
僕はこのレベルであれば、
すなわち通常の認知症対応で
あまりにも手にあまるならば
拘束はしないまでも、
薬は飲んでもらうべきと
考えますが…
家族もそのほうがいいと
望んでもいるのですが…
夜の状況を知らない
昼間しか勤務しない職員は
「そんなのかわいそうだ、
工夫すればなんとかなるはずだ」
と言います。
そんなわけでなかなか
踏ん切りもつかないまま
経過を見てきたんですが…
先日、僕の夜勤時に
やはり転んでしまい…
もうとにかく大暴れして
どうにもならない状況でしたが、
ある意味それもよくあることだし、
ご家族にもそれは伝えているので…
悪いことにその日は、
日記に書いたように
母が癌かもしれなくて
検査に行く日。
子供が学校に行く前に
帰って話さないと
いけないこともある。
しかもこれが本当に
うちの職場ならではの
ひどいところですが、
その日の夜もまた、
僕が夜勤の予定だったんですよ。
つまりつまり一晩中
大騒ぎが続いて、
疲労困憊の中で、
二晩続けての夜勤、
おまけに翌日も
母が癌であった場合
連続夜勤の明けで
寝る暇もなく
他院へ僕が母を連れて行くことに
なるという予定(事実、そうなりました)。
一刻も早く帰って、
身体も心も休めないと
あまりに無理です。
そういう中で早番の者が
普通~に遅刻をしてきたので、
ゆっくり申し送りをする
時間も心の余裕もなく
「いつものように騒いで
転んでいるけど、
たいしたことはないと思う。
それ以外の申し送りはないです」
と伝えて帰ったんですね。
実際、その転倒したあとも
ずっと(元気に)騒いでいましたし、
朝になるとすっかり
忘れたように普通に
会話していましたから。
これがそのあとから
グッタリしているとか、
様子がおかしい、
吐き気があるなど変化が
あればそりゃ、
自分が忙しくても当然。
ちゃんと申し送りはしましたが…
しかし僕が気付かないうちに
たんこぶができていたようで。
するとその早番職員が、
僕のことを
「こぶになるほどの
怪我をしてるのに
ちゃんと申し送りしなかった」
と批判し始めるのです。
確かにひとつの事実として
怪我をしているのであれば、
僕の落ち度はあるとは
思うのですが…
ただ、こういうことに
つながっていくだろうことは
ずいぶん前から予想していたので
それを未然に防ぐ手立てを
提案してきたのです。
しかし実際に自分が
夜勤をしない職員が
一方的に「薬=悪」と決めつけ、
夜勤スタッフに全部
丸投げしてきていました。
これでは夜勤スタッフが
参ってしまいます。
さあ怪我をしたまえ、
という状態で見ろと言われ、
ちょっとでも目を離したり、
対応が少しでも悪ければ
怪我をされてしまい、
そしてやってない人間から
責められる。
他のスタッフに限らず、
僕にしても人間なので
いくら管理者だケアマネだと
言っても、
自分が不安定なときにまで
さすがに仕事は完璧に
できるわけじゃないのです。
このところ4人ほど看取りも
してきましたが、
その緊急対応も全部、
僕がやっていますので、
家にいても気が休まらず、
ほぼ待機状態。
夜勤も人一倍やっています。
自分の体調も悪い、
おまけに母親が癌になる、
そんなことは数十年に
一度のことです。
「そんな精神状態なら
仕事をするな」
と言われるかもしれませんが、
やらないと回らないんです。
昨日も休みのはずだったのに
夕方出勤してます。
月末の母の入院の日ですら
夜は夜勤ですし。
言い訳がましいとは
思うのですが、
ミスがあって仕方ないと
開き直るつもりはないし、
転んだときの観察ミスは
あったのでしょう。
観察させてくれないくらい、
暴れていたので、
こっちは抱え上げてベッドに
戻すのが精いっぱいでしたが…
申し送りをちゃんとする
ゆとりがなかったのは
悪かったと思うが、
夜勤をする人も僕も、
これだけ追い詰められて
仕事をしているのですよ、
ということはその批判してる
スタッフには伝えましたが
以後、無視されています…
管理者の僕のほうから
そうした特殊な事情を伝えつつ、
申し送りが不十分だった点は
申し訳ないと言っているのに、
平気で無視を決め込む
そのパートもどうかとは
思いますがw
8年も一緒にやってきて、
その8年の中でたぶん、
今が一番僕自身が
親のことなんかで
つらく苦しい思いを
しながら仕事しているのに、
コレだから嫌になりますね。
そもそもその人が
遅刻してこなければ、
申し送りをゆっくりする
時間くらいは取れたので。
まぁ、この問題自体は愚痴も
入ってきてしまうので
この辺にしておくとして
僕が言いたいことは、
もちろん
「怪我をさせていい」
ということではなくて、
「でも通常の対応では
怪我が防げないケースがある」
ということです。
僕が大変であるように、
病院の看護師さんも
大変な業務をされています。
僕の事情を見てわかるように、
介護スタッフにしても
誰もが暇で時間があるわけでも、
精神的にゆとりがあるわけでも
ないのです。
僕は身体拘束自体には
反対の立場は取りますが、
代案も出さないままで
そこでやっている人を
批判するというのも
また違うと思うんですよね。
病院でも施設でも、
自傷他害があるような
ひどい状態の認知症の方に
つきっきりの介護は
できないと思います。
あるいは無理にそれをすることで、
他の方が犠牲になるんです。
おまけに職員も、
精神的に追い込まれます。
それはまぎれもない事実なのです。
やっている人にしか
わからない感覚だとは
思うのですが、
だからこそ、
やってない人が一方的に
批判をするのは良くないです。
冒頭述べたデータというのも
研究チームなる皆様が
発表した数字で
「身体拘束をしてはならない」
と結んでいるのですが、
その人たちの何人が、
実際の認知症介護を
やっているのでしょう。
ゼロではないですか?
「身体拘束をしてはならない」
は良いとして、
代案を考えましょうよと。
あるいはしたくなくても
そうせざるをえない、
そういう現場にある人の
声にも耳を傾けましょうよ。
拘束をしないで
教科書通りに頑張っているが、
疲弊して追い詰められている。
そういう現実もあるのだから
末端の人たちを救う方法も
考えましょう。
こういうことを書くと
「じゃあやっぱり拘束していいと
思っているんだろう」
とか極論で糾弾する人も
出てくるのかもしれませんが、
その極端さこそが、
恐ろしいんですよ。
介護の世界に白黒が
ハッキリしたことなんて
ないです。
すべて人間がやることなので。
一方的な正義が入り込むと、
そこに存在するはずの
人の意思がつぶされるので
それをするなら、
ロボットにやってもらうと
良いと思いますね。