■不穏なのはスタッフである■
先日、仕事から帰ると
スタッフから電話。
すぐに出られなかったのですが
30回くらいかな?
あまりにもコールが鳴るので
もしかして何か重大な
事態でも起きているのかと思い
あわててこちらからかけると
「〇〇さんが不穏で
手に負えません!」
とのこと。
「家に帰りたいって言ってます!
こちらの言うことは聞きません!」
まぁ…わかるよ、
そりゃ知ってますよ。
その利用者さん、まだ入居したばかり。
息子のことが心配で、
ほとんど一日、家に帰りたいとか
息子に会いたいと
訴えてはいます。
ただ、ある程度自分のことはでき、
うちのホームにしては珍しく
家事の手伝いもしてくれるような
まったくもってグループホームらしい
利用者さんでもあります。
まだ70代なので若年性の
認知症も入ってるのかな。
基本的には冗談が好きで
明るくて楽しい人ですが
症状が出始めると、
若いぶん、なかなか手ごわい。
どうしてもこちらが説明しても
すぐに忘れてしまうため
かなり頻繁に不安を
訴えます。
認知症だけでなく、
うつ病も持っているので
とくに夕方などは一度不安になると
同じことは何度も訴えるのです。
で、だからどうしたとw
つまりここまで分析は
できているわけですよ。
そういう方にどう対応するか、
というのはその日一日、
実際に僕がスタッフの前で
見せています。
息子のことが気になると
言い出したなら
「あぁ、息子さんって俺の友達だし
さっきも電話して話したばかりだよ、
大丈夫ですよ」
家が気になるとおっしゃれば
「家は俺が出勤するときの
通り道だから見てきたけど
何も心配ないですよ」
と伝えます。
ときには半分冗談交じりに笑顔で
「家に帰りたいんですよね~、
お~よしよし」
と子供にするみたいにハグしながら
「でもお母さんがそんなに不安だと
息子さんも安心して、
仕事に行けなくなっちゃいますよ」
と諭したりもします。
たいていこのどれかで
安心しますね。
ただ…忘れてしまうので
何度も同じことは訴えます。
だから僕はこれを何十回も
やります。
それだけなんですよ。
基本的にこの方の抱える
「息子に会いたい」
だとか
「家に帰りたい」
というのは僕らには
叶えられない願いなんです。
叶えられないことを何度も
求められるのだから
ストレスは感じますが、
ある一定の切り替えしによって
いったんは収められるので
それをやってればいいのです。
だますようなものですが、
叶えられないことは
叶えられないわけですから
それを前提にする中で
どう伝えるのが一番
本人が傷つかないか考えればいいです。
たとえ嘘があったとしても
優しい声かけをしてあげれば
問題は解決せずとも
不安だけは取り除いて
あげられます。
しかしできないスタッフは
それをまったくしない。
スタッフまでまさか僕が本当に
その方の息子さんの友達なんだ~、
とか
家が通り道にあるんだ~!
なんて思ってないだろうなw
思っていそうだよ…。
結局、こういうことばかりなので
利用者さんのほうも
僕の言うことしか聞かなくなり
一日中、僕を追い回す
利用者さんがまた一人増えます…。
僕は問題の解決はしてません。
が、聞いてあげるというのと
うまく返してあげる、
それをやってるだけなんです。
一度でダメなら10回でも
100回でもやってる。
そのことがなんでわかんないかな。
さんざん何度も目の前で
スタッフにお手本を見せてるのに。
利用者さんが不安を訴えだしてるのに
自分のほうがろくに話も聞かず
しまいには
「家族に電話します!」
とか、もうね…
家族だって夕方になると
こうして不安を訴えるのが
困るから施設に預けたんですよ。
もちろん本人の一番の希望は
家族に会うことであるから、
家族に電話して声を聴いて
安心してもらうのも、
手段としてはありですよ。
べつにそれは否定しないし、
自分もそうする場合はあります。
が、それはあくまで
まず自分たちが対応してみて
この場合だけは家族の協力が
必要だなと判断しただけです。
それ以外は極力、
自分で解決します。
そうしないと家族も大変です。
それに僕らはプロだからです。
不安を訴えだしてから、
30分もしないうちに、
ついさっき帰った僕のところに
電話をしてきて、
おまけに家族にも電話したがる。
なんのためにあなたは
そこに存在しているの?
って話ですよ。
「家に帰りたい!」
と言ってる利用者さんに対して
オドオドしてキョドった態度を見せ、
余計に不安にさせて
症状を悪化させるから
手に負えなくなるんです。
常日頃から
「自分にはわからないから
管理者さんに言ってください!」
とか逃げてるから、
その利用者さんに
「こいつは聞いてくれない奴、
何もできない奴」
と判断されてるんです。
利用者さんにとって
ベストなのは問題を解決してあげること。
すなわち
「家に帰らせて家で生活させる」
です。
でもできないじゃないですか、
家族は預けるという選択を
選んだんだから。
ならばその中で利用者さんにも
家族にもある程度は
満足してもらえる支援を
していかないといけないのです。
「不穏」
という言葉自体がバカな言葉。
不穏=おだやかでない
ということですが、
利用者さんは不穏でなく
「不安」
なのであって、
それに振り回されて
おっかない顔で
僕や家族に必死に電話してる
スタッフのほうがじゅうぶん
「不穏」
です。
不穏な人が不安な人に
対応するから不穏が
増えてるだけです。
僕に電話するのも
家族に電話するのもいいけど
その前に全力は尽くしたか?と。
たった30分ですからね。
1時間も2時間もいろいろ工夫したけど
どうしてもダメ…
というならわかるけれど、
まったく違いますからね。
仕事への考え方が甘すぎる。