■本人本位の意味■
最近「本人本位」という
キーワードでこちらに
来られる方が増えてるので
改めて記事にしてみます。
「本人本位」
「利用者さん本位」
というのは介護業界では
よく語られる言葉。
簡単に言うと
高齢者だから、
認知症だからと
ひとくくりにせずに
その人らしい生活を
送っていただきましょう
という意味です。
実際にはそれ以上でも以下でも
ないのでは?
と思うんですが…。
この
「その人らしさ」
というのがネックになるのか、
「その人の好きにさせること」
という極端な意味に
理解しているスタッフも
多いです。
その人の好きにさせるのは、
介護といえるか?
言えないと思いますよ。
たとえば夜はほとんど寝ない、
パンツが汚れても替えない、
風呂も入らない、
ごはんは好きな物しか食べない、
昼間はずっと引きこもってる。
「○○さんがお風呂に
入らないって言ってます!
○○さんの希望なので
その通りにします!
本人本位ですから!」
じゃ、介護職員いらねーじゃんw
僕らが優先しなくては
いけないことのひとつには
要介護状態がひどくならないように
介護するというのも
含まれてますよ。
むしろ、それは利用者さんにも
求められている。
介護保険というのは
自らの要介護状態を
ひどくしないように
使うためのお金であると、
規定されています。
みんな知らない、
興味もないというだけですね。
上記のような好き放題の生活が、
その人を施設に入らざるをえないような
身体状況、あるいは認知症の
悪化を招いたのですから、
それを継続させて
「私たちは本人本位のケアを
している!」
などと言えるわけがないです。
本人の希望を通すだけなら、
介護サービスなんか
使う必要がないと思います。
僕らがすべきことは
本人の希望に基づいたうえで、
介護職員としての
適切な判断も交えながら、
一緒にその人の生活を立て直し、
支援していくことに他なりません。
判断能力がない人なら、
当然、こちらが判断する
必要だってあるでしょう。
もう、わからないスタッフは
ちっともわかってないというか、
あるときは
「具合が悪い、死にそうだ~」
と言っている利用者さんに
(死にそうは言いすぎですが、
本当に具合は悪かった)
「ご飯食べますか、どうしますか~?」
なんて呑気に言ってるんですよ…。
なんでそんなこと
聞いてるのか尋ねたら
「だって、本人に聞かないと
わかんないじゃないですか」
となw
これ利用者さんも怒ってましたけどね。
「メシどころじゃないって
見てわかんないのか!」
って。
僕らがすべきは
「今は食べられないと思うから、
横になって休んでくださいね」
「あとで食欲が出たら
食べてくださいね」
と声をかけたり、
「脱水になったら困るから
水分はとりましょう」
と用意するとか、
そういうことだろう。
とくに最後の「脱水予防」なんかは
本人には思いつかないから
まさにここに僕らの判断を入れる
意味があって、
だからこそ僕らがそこに
スタッフとして存在する
意味があるんですよ。
「お茶なんて飲むかどうか
聞かないとわかんないじゃ
ないですか」
とか
「お茶飲まないって言ってるから
あげなくていいですよね」
なんてのは本人本位と呼ばない。
僕らは召使いでもなければ、
ホテルマンのように
お客様を相手にサービスを
しているわけではないのです。
本当に全部を本人の思うように
やっていったならば、
そもそも施設自体いりませんね。
みんな
「家に帰りたい」
が第一希望なんだからw
「その人らしい」
とは
「元気な頃のその人らしい」
も含みますよ。
認知症になり判断ができない人が
とっている行動に対して、
本人本位だから好きにさせてるとか、
そんなのは
「介護放棄」
という虐待です。
そもそも元気な頃のその人は
いまのように、
いつも不潔にしていたり、
他人に迷惑をかけて
平然としていましたか?
たいていは違いますよ。
それは病気の症状です。
元気なころには、
毎日かどうかは好みはあっても、
お風呂には定期的に
入っていたでしょうし、
ときにはイヤなことも
我慢しながら生活したでしょう。
それも含めてその人らしさです。
人生には良いことも
イヤなことも存在する。
イヤなことを全部取り除き、
お花畑みたいにすることは
相手を人間として
見てないと思います。
たとえイヤなことがあり、
怒ることがあっても、
それが人間というものだから
理解してそばで支える。
本人本位の意味は
そういうことだと思います。