■介護における私的公的な気持ち■
乙武さんの不倫を見ても
わかように、
たとえ障害者であっても
ろくなことをしない人はいる
ということがよくわかるでしょう。
高齢者でも認知症でも
同じです。
非常に残念なことですが、
いくら年を取っても、
ろくでもないことばかり
している人は当然います。
ではそういう人は
助けないか?
助けますよ。
それが仕事だからです。
この仕事をしていると
本当にいろんな方に出会います。
ワガママ放題好き放題に生きて
奥さんにしょっちゅう
暴力を振るい見放された人。
事件を起こして家族から
縁を切られた人。
生活保護なのにもらうお金は
酒とパチンコにつぎ込む人。
確かに状況的には
社会的に弱者だけれど
自分をその立場に追い込んだのは
まぎれもなく自分、
という人がたくさんいます。
そういう人のために
真面目な在宅ケアマネが
汗水たらして役所を駆け回り、
本人の代わりに、
親戚たちに頭を下げている
という話もよく聞きます。
私的には実に腹立たしいですね。
仕事をしてきた人なのに
貯金がゼロとかだって
おかしいじゃないですか。
老後に備えなかった本人に
責任はあるんですよ。
あくまで個人の感情だけでいえば
この人は何をやってきたんだ、
なぜ自分じゃ何もできないのに
家族にはつらくあたり、
俺は一人で生きるんだ!
とカッコイイこと言いながら
結局最終的に人の手を借りて
生きてるだけじゃないかと。
そう感じます。
だけど助けることに関して
手は抜きません。
仕事だからです。
むしろそういう人を
なんとか救い出せたときには
達成感すらあります。
救われてよかったね、
とも思います。
これも仕事だから。
つまり公的には、
そういう人だからこそ
救いたい、
救わなくてはいけないと
感じてもいるのです。
私的に怒りを覚えても
それを公的な仕事に持ち込めば
虐待にもつながりかねません。
施設でよくある虐待についても
よく事情を調べてみると、
高齢者のほうにも問題がある
ケースもけっこうあります。
スタッフが一生懸命頑張っても
ありがとうとも言ってくれない、
召し使いのように使われる、
つまらないことで
何十回もコールで呼ばれる。
メシがまずい、これはキライ、
お茶が熱い、ぬるい…。
早くしろ!私を一番に見て!
俺が呼んだらすぐ来い!
…。
私たちは奴隷じゃない!
いいかげんにして!
そうだよね、
嫌だと思いますよ。
僕もよく感じますもん。
そう、思うのは自由だし
こういうふうに振る舞われたら
嫌だな、と感じるのは
人間として自然な感情ですよ。
私的にはね。
でも公的にそれを
表に出してはいけません。
この部分の自分の気持ちを
うまく使い分けて
コントロールしていくこと。
それが意外と難しいのかも
しれませんね。
よく介護業界に長くいる
ベテランさんでも言います。
「利用者さんなら
腹が立っても仕事として流せる。
自分の親なら許せない」
たぶん僕もそうです。
自分の親が対象だと、
公的な気持ちよりも
私的な気持ちが勝つからです。
だからこそせめて、
仕事でする介護では
そこは割りきらなきゃ
いけませんね。