■責任は誰が取るのか■
介護の仕事をしていると
どうしても避けては通れない問題。
転んでしまった、
誤嚥してしまった、
体調を崩してしまった、
「責任は誰が取るんですか?」
と医師や看護師、
または家族から問われることは
けっこうあると思います。
責任、難しいですよね。
それを言われるとイヤだから、
利用者さんの生活は
ものすごく制限されます。
なるべく動かないで!
スタッフ一人のときは座ってて!
やわらかいものを食べて!
風邪引くから外行かないで!
タバコ吸うな!
酒もいっさい飲むな!
「施設に入った老人」らしくしてください。
うん、バカバカしいなw
こんなもん人間の生活じゃないですよ。
生きていれば事故もあるし、
病気にもなるんです。
それを完璧に防ぐために、
どれだけのことを
犠牲にしようというのでしょう。
僕の場合はこんなんでも
管理者なので
「責任は僕が取ります」
と言ってしまえばいいだけなんですけどね。
事故を起こして良いとか、
体調を崩させていいという
開き直りじゃないですよ。
もちろんそこはじゅうぶんに
気をつけるのは当然のことです。
しかし多少のリスクがあっても
その人の生活の尊厳を
重視するほうが、
僕は重要だと思っています。
前の記事にも書いたように
老病死はまぎれもなく
全員に訪れるのです。
だからどんなふうに生きても、
必ずそのときはきます。
孤独に生きても、
家族と自宅にいても、
施設にいてもいつかは、
その瞬間がくるのです。
ですからそれはある意味で
普通のこと。
なのにスタッフのほうが、
医師や看護師、
家族に責められることを恐れて
「私の目の前では絶対に
何も起きないでほしい」
と委縮させられてしまう現実があります。
それがエスカレートすると、
さっき書いたように
「だから何も動かないで!」
となってしまったり
「危ないから絶対これは
食べないで!」
と過保護になり、
相手の自由を奪うようになります。
「私の目の前で死んでもいいんだよ」
と思えるようになると、
介護の質はもっと高くなると
僕は思います。
ただそれは僕らの
勝手な開き直りになったり、
家族の誤解を招く恐れもあって
本当に難しいのですが…。
実際に具合が悪くなっても
病院に連れていかないでほしい、
僕に見守られて死にたいと
言う人はいますけど、
本当にそうなったときに
家族はどう思うでしょう?
アンタはうちの婆さんを
見殺しにしたと言うかもしれません。
訴えられるかも?
クビになるかも。
それは怖いですよ。
怖いから責任を持つ、
って断言することも
普通のスタッフには難しいんです。
そもそも人間は死をタブー視
しすぎていますからね。
でも考えてみれば、
誰にでも寿命だって決まっているし、
本当にいつどこで死ぬかは、
人間が簡単に
コントロールできることでは
ないんですよ。
それが老いる、ということ。
絶対安全で絶対に健康を害さずに
介護をするなんていうのは、
神様と勝負するようなもんですw
介護スタッフの皆さんには、
もちろん利用者さんが
健康を害したり事故が起きないように
じゅうぶんな努力はしてほしい。
それとともに、
医師、看護師や家族の皆さんには
どんなに介護スタッフががんばっても、
どうしても防げないことはある。
そのことも理解していただきたいです。
責められてばかりでは、
本当に介護スタッフはみんな
精神的にも病んでしまいますからね…。
とまぁ、僕自身とかうちの施設じゃないけど
そういうことで悩んでおられる
介護の記事をちょっと目にしたので
書いてみました。