■暴力の定義も難しいな■
この仕事をしていると利用者の暴力は
ときどき目にします。
とくに認知症の方だけを受け入れてる
グループホームでは、
デイサービスなどに比べて
その頻度が高いと言わざるを得ません。
暴力を振るう人を
受け入れておくべきか?
実はそんな義務はありません。
どちらかといえば、
むしろ出ていってもらうほうが
当たり前です。
なぜなら他の利用者の安全を
確保する義務のほうが
実際には存在しているからです。
しかしどこまでを暴力とするかは
相手が認知症である以上、
けっこう難しいんですよ。
たとえばひっかいた、
手で払いのけたを
暴力とするならば下手すりゃ
毎日ありますから。
では僕が見た中でかなり最悪なケース、
たとえば自分の意見を通すために、
職員に包丁を向けるとか、
杖を振りかざして暴れる、
あるいは他の利用者に
馬乗りになって襲いかかる。
これはまぎれもなく暴力でしょうな。
しかしどれも原因としては
やはり認知症が挙げられます。
これ難しいのは、
じゃあ認知症ならみんな
暴力を振るうのかといえば、
むしろそんな人のほうが少ない。
だけど、どちらも認知症なんです。
以前にどうしても暴力がひどい方のことを
家族に相談させてもらったら
「そんなの、うちのばあちゃんだけじゃなく
みんな認知症なんだから
同じようなもんでしょ?」
と言われたこともありました。
そんな認知症になったからといって
全員暴力振るうようなら、
危なくて生活なんかできませんってw
そこまで危険で給料も安いんじゃ、
さすがに僕も長く続けられません。
認知症っていろんな種類があるんですよね。
上に挙げたような強烈なケースは
たいていはピック病、
前頭側頭型の認知症ですが、
アルコールでそこがやられてる人もいますね。
あるいは脳梗塞でも
できた部位によっては
そんな症状も出ます。
いずれにせよ
「他者を傷つけてはならない」
「公共の場では周りにも
配慮しなくてはいけない」
という人間として当たり前のことが
理解できないという症状なのです。
そういう人がいたら
ホームは危険ですよね?
追い出してほしいですよね?
でも行くところがないんですよ…
このレベルにあると、
家庭ではおそらく見られないです。
でも精神病院なんかで長期入院を
させてくれるかといえば、
それもない。
精神病ではなく、
認知症だから。
認知症は老人施設で見ろよと、
そういうことです。
しかし施設というのは、
大勢を守るという義務もある以上、
あまりに暴力がひどければ
断らざるを得ない、
それも事実ではあるのです。
そうなったとき、
その人の居場所はどこに?
しかしもっと難しいのはですよ、
認知症なのかどうか、
それもわからない人も
いることなんです。
たとえば普段から他者に対し高圧的、
威圧的、暴力的な言動を
する人っているでしょう?
実際に手は出さないまでも、
常に他人を威嚇してないと
世の中を渡れないような人は
必ずいるのです。
お店に行けばクレームばかりとか。
肩がぶつかれば怒る、
目が合えば怒る。
パーソナリティ障害でも
あるのかなとも思うんですが、
そんな奴、
街に出たらいっぱいいますよ。
じゃあそういうタイプの人は、
介護サービス使わないの?
って言ったら、
やっぱり使うんです。
以前どこかに書いたように、
相手がヤクザでも元犯罪者でも
一定のサービスは提供するのが
福祉というものです。
「他人に合わせることができないから
暴力を振るう」
という病気の人もいれば
「他人に合わせることが苦手で
つい威圧的になってしまう」
という性格の人もいます。
これを同じと考えたらいけないんです。
もちろん日常生活ではどっちも同じ、
できるだけ関わらなきゃいいって
話ですけどね、
仕事でおこなう介護は違うので…。
日記の神様を信じるか、
みたいな記事にも書きましたが、
現実をリアルに見るならば
経歴で生じてる問題は、
本人に責任があります。
しかし介護の仕事という視点で
見るならば、
誰に責任があろうと、
そこから助ける努力をするのが
僕らの仕事です。
つまり僕j自身はそこを使い分けて
仕事をしているのですが、
ごっちゃになってる人も
目にしますね。
この人はキライ、
暴力的だから怖い、
関わりたくない。
自己責任だからほっとけばいい。
それじゃだめなんですよね。
つまりは追い出すのは簡単だけど、
向き合う努力も求められるってことです。
向き合って向き合って、
それでもどうにもならなければ、
追い出す形になることもある…
それは仕方ないことです。
大勢を守っていくために
そうする義務も負っているのだから。