■認知症を知ろう4■
認知症を知ろうシリーズの続きです。
認知症になると必ず起きると
いわれている中核症状。
前回は見当識障害と
理解・判断力の障害を
説明してみました。
今回は中核症状の続きです。
中核症状…実行機能障害
実行機能障害、
まぁ読んで字のごとくなのですが、
認知症になると何かを実行する、
という機能が失われていきます。
とくによく言われているのは
「計画を立てて実行することが
難しくなる」
ということです。
わかりやすい例をあげると、
冷蔵庫に油揚げがあったときに
大根と油揚げの味噌汁を
作ろうと思い立ったとします。
そこでスーパーに大根だけを
買いに行くのですが、
油揚げがあったことを忘れて、
油揚げも一緒に買ってきて
しまいます。
それならそれで油揚げ多めの
味噌汁でも作れればいいんですが、
いざ味噌汁を作る段階になったら
大根のことも油揚げのことも忘れて、
結局別の野菜で味噌汁を
作ってしまいます。
そうなると冷蔵庫の中には
大根と油揚げが残ってしまいますよね?
認知症になるとこういうことを
何度も何度もしてしまうので
冷蔵庫の中には同じ食材ばかりが
並んでいるような状態になります。
冷蔵庫開けたら油揚げばっかり!
みたいな。
実はこれけっこう多い症状で、
一人暮らしのおばあちゃんが
ボケてないか気になったら
冷蔵庫の中を見てみると
実にわかりやすいと思います。
認知症が出てきている方の場合、
同じような食材ばかりが
並んでいたり、
それも賞味期限を何年も
過ぎていたりとか、
頻繁に目にします。
ひとつの例として冷蔵庫の話をしましたが、
基本的には日用品全般に
そうだと思います。
そういう部分を気をつけて見てあげれば
早期発見にもつながるかもしれません。
また「実行機能」の障害といっても、
計画を立てることが苦手なだけで、
実際に実行する能力自体は
残されていることも多いです。
そんなときは周囲の人が
ほんの少し手助けしてあげたら
まだまだできることも多いのです。
上のような例では
「今日は大根と油揚げの味噌汁だよね?」
と誰かが声さえかけてあげれば、
冷蔵庫に油揚げがたまることは
防げるということです。
他にも計画を立てることが必要な
日常動作といえば、
着替えなども挙げられると思います。
着替えというのは簡単なようで、
実際にはかなり複雑な面があり、
服というのはどの順番で着るかが
しっかり決められているわけです。
ですが順番を決める、
という動作のための計画を立てることが
認知症の方には非常に難しいのです。
このあたりを周りの方が意識し
サポートしてあげると、
認知症の方は助かるということです。
中核症状…その他(感情表現の変化など)
その他、とひとくくりにしてしまえば
あらゆることを指すことに
なってしまうのですが、
認知症の方は全般的に自分の感情を
上手に処理することが
難しくなります。
非常に簡単な言葉で言うなら
「その場の空気が読めない」
という表現でもいいのかもしれません。
(もちろん敏感に空気を読む人も
いるとは思います。
あくまで例としてとらえてくださいね)
たとえば静かにしなくてはいけない場所で、
騒いでしまう。
笑ってはいけない場所で笑ってしまう。
もちろん僕ら認知症でない人は
そんなことはしません。
なぜならそれをしたら周囲がどう思うか?
そのことがわかっているからです。
つまり予測ができるから、
自らおかしなことはするまいと、
自分を制御できるのです。
ですが認知症の方にはできません。
だからおかしな行動をしてしまいます。
空気を読む、
というのは何もそういう場所の空気に限らず、
たとえば相手が発する言葉が持つ真意、
そういうことに対してもいえます。
「そんなバカな!」
と誰かが言ったときに
「バカな!」
という言葉は驚きの表現だと、
僕らはすぐにわかりますが、
認知症の方はそれが
わからなくなってしまい
「バカ」
という言葉に反応してしまいます。
「自分はバカじゃない!!」
と怒りだしてしまったりするのです。
認知症の方が怒っているとき、
なぜそうなっているのか、
非常にわかりにくいとは思うのですが、
こまかく原因を分析していくと
案外、こちらが発した何でもない言葉に
反応して怒ってしまっているような
場合もあるということです。
つづく~