■介護が好きなのか■
と問われれば
「介護という行為が好き」
とは答えられないのが
偽らざる気持ちだったりします。
むしろハッキリ言えば
好きではない、です。
介護職員失格?
でもね、そんなもんだろうとは
思いますよ。
ときどき
「私は介護が好きなんです!」
と言ってこの仕事を選ぶ人もいますが、
たいていは挫折します。
というのも介護、
とくに認知症の介護というのは
簡単に好きといえるような
内容ではないのです。
簡単に好きと言える人は
認知症の現実を知らないで、
ただのイメージで言っているだけ。
ある人の徘徊に対して、
何十回も付き添う。
何時間経っても終わらない。
便を食べてしまった口の中を
キレイにする。
もちろんおとなしくなんか
してくれませんから、
こっちの服に便がつくこともあります。
何かをしてあげても、
暴言を吐かれたり、
ときにはパンチも飛んできます。
あるいは暴れている相手を
取り押さえなきゃいけない
こともあります。
お互いに怪我をする危険性も
じゅうぶんあります。
こういう「行為」に対して、
楽しい、好きだと胸を張れるほうが
どこかおかしいというか、
ドMじゃないかというw
つまり何が言いたいのかというと、
介護が好きじゃなくてもいいんです。
ただそういう症状の人を見て、
本音をいえばイヤだとしても
ほっとけないから対応できる人、
認知症で苦しんでいる、
あるいは困っている家族を見たとき、
自分の知識や経験で
ほんの少しでも力になって
あげられればと思える人。
そういうスタッフが増えてほしいです。
僕は「任侠ヘルパー」というドラマは
すごく本質を描いてるなと思うんですが、
その主人公は口も悪いし、
態度も悪いけれど、
心のどこかに弱っている相手を
見捨てられない気持ちを持っています。
もちろんドラマはドラマ、
現実は現実ですから
ドラマの主人公のように
ヤクザ者である必要はないのですが、
本質として大事なことは
心の中心にそういう強い気持ちを
持っているかどうかです。
家族の方にも伝えたいのですが、
介護をしているときに、
イヤだなと思うことは
決して恥ずかしいことではありません。
そんなふうに感じてしまうあなたが、
親に対して冷たい人間なのでもありません。
僕のように報酬を得ながら
仕事でやっていたって、
イヤだな、苦しいな、めんどくさいな、
いつまで続くのかな…
そういう気持ちはたくさん感じます。
それが介護なのです。
だけど心のどこかであなたが、
それでも親を見捨てられないぞ、
介護は好きじゃないけど、
できれば逃げ出したいけど、
少しでも踏みとどまるぞ、
と感じているのならば
どうかそういう自分に胸を張ってください。
それは人間として素晴らしいことです。