◆認知症なのか性格なのか加齢なのか◆
ちっともわからない。
というのも自分の父の話。
よく仕事では家族の立場の方々から
「親のこのような行動は認知症ですか?」
と尋ねられることがあります。
そういう質問に対しては慎重に答えざるを得ません。
認知症になったからといって一般的な症状すべてが
出てくるわけでもなければ、
たとえば脳の MRI を撮るとあきらかに委縮が顕著なのに、
症状なんかさっぱりないという人もいるからです。
さて、自分の親です。
昨日、どこをどう探しても俺のマンガがないので、
聞いてみたらどうやら勝手に捨てたようです。
何やら母が
「人のモノを勝手に捨てたらいかんから、
ちゃんと本人に確認するように。
というか部屋に置いといてやればいいじゃん」
とは言ったようなんですが、
そんなことはおかまいなし。
しかしそのマンガというのも、
一冊ではなく続きものの数冊、
しかも捨てていい雰囲気がするような古いものじゃなく、
まだ最近買った新しいものです。
俺が本が好きでマンガでも小説でも大事にしているというのは、
長年一緒にいたのだからとっくにわかっているはずですが、
勝手に捨てたら怒るというのもわかっているはずですが、
なぜなのかさっぱり理解できません。
ただ、今回の場合、
捨てられたことに対する怒りがわくというより、
「オイオイ、本当に大丈夫かよw」
という心配のほうが大きいです。
うちの父というのは大変に強権的な、
自分の考えを容易に崩さない、
他者の価値観を理解しようとしない、
ある種絶滅的なほどのいわゆる日本のジジイです。
俺はいつもブログに書くように、
人にはいろんな価値観があるということを、
できるだけ認めようと思って生きていますが、
そうなったのは完全に父を反面教師として
学んだからです。
その意味では感謝はしています。
そんな父ですから、
まぁ息子の本を勝手に捨てるなんてことは、
今回が初めてということではありません。
警戒しなかった俺も悪いのでしょう。
そんな家庭イヤですが、
昔からそうなのでw
しかしそこは差し引いても、
このところ身勝手さに磨きがかかっているというか、
あまりにも自分のことしか考えない行動が目立っていますし、
何度も同じことを言うようなことも増えています。
認知症ではないかと疑ってしまう瞬間が目立ちます。
ちなみに父は65歳。
もし認知症だとしたら若年性です。
とてもおそろしい。
つい最近も、
市役所へのある手続きを俺にしてほしいとかで、
ずいぶんモメました。
突然それを今週中にやれ!などと言い出すのです。
実際にはそんな急ぐ必要がないものであるに関わらずです。
思い立ったら吉日ではないですが、
とにかく自分が思いついたことは、
即やらないと気が済まないし、
他者のことでも即やらせないと気が済まない…。
まず今の俺自身は第二子であるあっちゃんの書類を
終わらせてからでないと困ることや、
仕事が忙しくてそれどころではないこと、
時間ができたらすると伝えました。
ですがそんな事情は無視。
「今日は休みだが打ち合わせで忙しい」
と言って出掛けたのに、
打ち合わせ中にメールがきたから、
てっきり何かあったのかと
(弟のこともあり、俺自身身内からのメールには敏感です…)
「今日するように」
「無理」
と返すと
「では今週中に必ずするように」
それも無理だと前から言ってるのに、
なんなんでしょう、これ。
高額な買い物も増えています。
実家に戻るたびに何か新しい家具などが増えていたり、
今度は車を買うと言っています。
自分で稼いだお金ですし、
本当に必要ならば別にそこまで否定しようとも思いませんが、
何事にも程があると思います。
「たとえば仮にグループホームに入ったら、
月約15万×12ヶ月×α年数分、お金はかかる。
そういうことも考えたうえで使ってくれ。
自分の金という考え方はそろそろ控えて、
家全体の金と考えてくれ」
というようなことをやんわりと伝えましたが、
「おまえは俺の金を狙っているのか」
と。
これじゃ手に負えません。
なんともお恥ずかしい話をつらつらと書いてしまいました。
「同じことばかり言う」
「後先考えず行動してしまう」
「人がイヤがることをする」
「他の人の事情、空気を読まない」
「人のモノを勝手に捨てる」
これ、全部グループホームでも
認知症の人はします。
だから心配になるのです。
うちの場合、
父自身もこれまで精神的にいろんなダメージを
負って生きてきていますので、
認知症ではなくもしかしたらうつ病とか、
他のメンタル系の病気かもしれません。
だけどもしかしたら心配してるこっちがバカなだけで、
もともとワガママな人が年をとってより強固な超ワガママに
なっただけなのかもしれません。
なんにせよ今後の生活がまた思いやられますが、
こうしてせっかく介護の専門家という仕事をしていても、
自分の家族となるとさっぱり手がつけられません。