家族は苦しんでいる | NobunagAのブログ

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◆家族は苦しんでいる◆
 
施設で仕事をしていると、
実にさまざまな家族に出会います。
 
毎週のように面会にこられる家族もいれば、
中には施設に入れたが最後、
ほとんど面会にすら来ない家族もまれにいます。
 
介護スタッフは好きでしているはずの仕事とはいえ、
日々の業務でかなり疲れています。
なにせ24時間お世話をしています。
 
そのため、
ともすればまるで自分たちこそが家族であるような、
錯覚に陥ってしまうことがあります。
 
そんなとき、
自分たちと本当の家族とを比べてしまうことも、
あるかもしれません。
 
すなわち自分たちはこれだけがんばってお世話しているのに、
本当の家族ときたら協力すらしてくれてないじゃないか、
というように。
 
「あの家族はほとんど来ないね」
 
というような職員のグチはおそらく、
どこの施設にもあるはずです。
 
というか俺自身もついそんなことを口にしてしまいそうな
瞬間はいくらでもあるのです。
 
だけど、
寄りつかない家族が、
本当はそんなに悪いのでしょうか?
 
確かにごくまれにですが、
本当にどうしようもない家族というのはいると思います。
しかし件数にしたら100件中1件程度じゃないでしょうか?
それはどこの世界であっても、
どうしてもダメな人はいるというだけのことで、
介護云々だけに言えることではなく、
特別困難なケースであるというだけです。
 
その他の会いに来ない家族、
協力してくれない家族というのは、
それぞれその人たちにしかわからない事情を抱えているはずです。
 
それも理解できぬまま、
相手を責めることはできません。
 
愛する人が病気になって、
とくに認知症をはじめとする脳や、心の病におかされて
これまで元気だった姿をじわじわと失っていく、
それを見続ける苦しみは、
経験した人にしかわかりません。
 
俺も自分の家族が病気になったからこそ、
そういう家族の気持ちに共感できますが、
もしそんな経験がなければやはりわからないままだったと
思います。
 
苦しみの程度はその渦中にいる人にしかわからず、
他人が簡単に審判していいようなものではないです。
 
「会いに来ない」
 
のではなく、
 
「会いたいけど会いに行けない」
 
可能性はないですか?
 
「会いに行かなきゃいけないってわかってるけど、
どうしても行けない」
 
そんな家族もいませんか?
 
変わってしまった姿を見るのがしのびないから、
あるいは悲しいから、
またあるいはそんな病気の人を
施設に預けてしまった罪悪感があるから。
 
もちろん、ものすごく極論をいえば、
そんなことのほとんどは言い訳です。
 
病気で苦しんでいるのに家族が会いにいかないなんて、
道理からは外れていると思います。
 
でも、それでも行くことが本当に苦しいのだということ、
それはわかってあげてほしいです。
 
本当は会いに行かなくちゃいけない相手なのに、
それができなくなってしまうほど、
苦しみ追い詰められてきたんですよ。
 
本当は大事な人のはずなのに会いに行けない、
もしくは会いに行かないなんて選択肢をとってしまうほどに、
家族が負ってきた心の傷の深さを想像してください。
 
よくケアマネの立場としては、
スタッフからも
 
「もっと家族を巻き込んでください」
とか
「家族にも協力してもらってください」
 
ともお願いされます。
 
わかります。
 
スタッフの気持ちはじゅうぶんすぎるほどわかります。
 
そしてケアマネは何より本人の味方なので、
本人のことを考えれば、
家族に関わってほしい、
会いにきてほしい、
できれば家に帰してほしいのが当然です。
 
でもできないときがある。
 
悲しいですが、
それが現実であって、
だから病気は恐ろしいのです。