◆間違ってもいい認知症介護◆
これまでたくさんの
認知症の方のお世話をさせていただいてきました。
症状も千差万別、
対応方法も十人十色。
認知症介護において、
正解を探すことはとても難しいです。
自分自身、管理者としてケアマネとして、
スタッフや家族からどう対応すればいいのかと
問われることはとても多いです。
大事な利用者であり、
他者の命を預かる身として、
できるだけ間違わないように、
いろいろな勉強をしているつもりではありますが、
それでも毎日が手探りです。
絶対に間違わないアドバイスをすることは、
たぶんこの先も不可能なのではないかと思っています。
限りなく正解に近付く努力は続けていきますが、
やはり間違うときは間違ってしまうと思います。
家族の方の比べて多少恵まれているのは、
たとえ失敗してもそれは次の利用者さんに
生かせる可能性はあるということ。
もちろんこれは極端な話であって、
だから間違っていいという意味でもないんですが…
ただし、そういうチャンスがあるという意味では
家族の方よりは気が楽な部分もあるということです。
ちょっと言い方が悪いかもしれませんが、
家族の方は一発勝負です。
だから間違いに対して過敏になってしまうし、
間違わないように、失敗しないようにと
慎重にならざるをえません。
ですが家族の方に言いたいのは、
それでも間違っていいんだということです。
だって、
本当に難しいのだから。
1回でうまくいくほうが珍しい。
10回やり方を変えたってうまくいかないこともある。
完璧にやれる人はたぶんいない。
この職種の中で出会ういろんな介護士を見てもそう。
完璧に近い人、
限りなく対応力がある人はまれにいるけれど、
まったく失敗しない人は見たことないです。
ましてや家族の方というのは、
それぞれに自分の家庭を持ったり、
仕事がある中で、
介護という現実に向き合っています。
我々、介護職員のようにたくさん経験があるわけでもなく、
いつでも仕事として全力を注げるわけでもありません。
間違っていいと思います。
こんなふうに簡単に書くと
認知症の本人に対して失礼でしょうか?
確かに間違った対応が本人を苦しめる可能性はあります。
ですが間違わないことはとても難しいのです。
大事なことはたとえ間違ってもいいから、
家族としてしっかり本人と向き合ってあげることじゃないでしょうか。
間違わない努力をした結果として、
結局間違ってしまったとしても、
全力で向き合ったことに何ら変わりはありません。
間違っても自分を責めなくていいです。
間違ったらやり直す、
何度スタートに戻っても、
介護には必ずゴールがあります。
進んでも進まなくても、
ゴールは向こうから近付いてくるのが介護です。
何もしなくてもゴールがくるのです。
極論なんでしょうが、はっきり言えば放っておいても、
自然にお別れの時は勝手にやってきて、
それで終わりということです。
それなのに何かをしてあげようと努力をする、
それが人としていかに大切なことか。
家族の方はそんな自分にもっと誇りを持ってくださいね。