■オムツは悪くない■
介護スタッフをやったことがある人は
経験があるかもしれません。
施設長の命令のもと、
突然始まるオムツ外し週間。
どこかの研修で利用者さんに
オムツを穿かせるなんて
尊厳を奪う行為だ!と
教わった施設長は
今日からオムツゼロの
素晴らしい施設にするんだ!と
やる気まんまん。
オムツだけならまだしも
紙パンツの人も
パッドを当てている方も例外なし。
軽度から重度の人まで
全員が強制的jに
昼も夜も布パンツの生活となります。
施設長が介護を知らねば知らぬほど、
こういう突然の思いつきで
スタッフも利用者も振り回されることに
なります。
はっきり言ってバカバカしい。
どんな素人だよと思ってしまいます。
オムツを外しても大丈夫な人には
当然外してあげたほうが良いでしょう。
でもオムツが必要な人だっているんです。
画一的にオムツを
ゼロにすべきなんて考えるのは、
オムツをしている人を差別しているに
他ならない。
僕らの目指すべきは、
オムツをしていることを
差別する施設じゃなく、
オムツをしている人でも、
その人らしく暮らせる施設じゃないんでしょうか?
オムツが悪いんじゃないんですよ。
「オムツをしてる人だから
もう2度とトイレに行かなくていいでしょ」
と考えるスタッフに
問題があるのであって、
オムツさえ止めさせれば
解決するわけじゃないんです。
あまりにもバカな話ですが、
利用者さんと農作業をするときに、
つなぎの服を着てもらおうとしたら
「つなぎは拘束じゃないんですか?」
と聞いてきたスタッフもいると聞きます。
なんてバカバカしい…w
念のためにこればかりは断言しますが
つなぎ服自体には何の罪もありません。
農作業をするのにつなぎを着ても
1ミリたりとて拘束ではありません。
動かさないためにつなぎ服を着せるのが
拘束というだけです。
女性は出産などを経験するために、
とくに高齢になると笑った瞬間に
尿漏れしてしまう人は大勢います。
そういう人がパッドを当てることで、
安心してみんなと談笑できるなら
どうぞ使うべきだと思います。
紙パンツを穿いているから
安心して生活できる人もいます。
オムツをしていないと不安な人もいます。
手段よりも目的に目を向けるべきです。
介護の世界に100人、1000人全員を
しあわせにする魔法、
劇的に回復させる手法はありません。
「オムツ外しで利用者は尊厳を持って
生きられる!」
なんて断言していたらそれはウソです。
1人に1人に合わせてあげてください。
一斉に全員のオムツもパッドも紙パンツも
取り上げるなんてむしろ虐待です。
そのせいで人前で漏らしてしまって
一番悲しい思いをするのは誰でしょう?
利用者さんですよ。
こんなことを書くと、
意地悪な人は
「じゃあ、あなたは全員が
オムツで良いと言うのか」
と思うかもしれませんが、
もちろんそうではありません。
必要な人が必要なときに使うなら良いし、
必要がなくなればやめればいい。
そのためのお手伝いをするのが
介護職のプロなんです。
そんなことは僕がケアマネとして
指示なんかしなくても
うちのスタッフは自発的に考えて
介護をしています。
スタッフのほうから
「○○さん、最近は尿意も出てきたし、
介助すれば歩いてトイレにも行けるので
オムツを外してもいいですか?」
って教えてくれます。
そのときにはぜひそうしましょうと答えます。
そうやってスタッフが自発的に
何かを考え、
実行する環境を作るのが
施設長や管理者の役割だと思います。
自分の介護観の押し付けや
研修で聞きかじった知識で、
スタッフを苦しめたり、
結果的に何も利用者のためになってない
ことをするのは本末転倒です。