■施設特有のやり方■
介護業界は
まるでサッカー界のように
スタッフの移籍が激しく、
いろいろな施設を渡り歩く猛者も
多く見かけます。
もちろんそうすることで、
さまざまな経験を積むことができる
メリットはたくさんありますし、
反対にしょっちゅう転々としすぎて
しっかりした技術を身に付けられない
人もいますから、
それが良いか悪いかはここでは
断じることはできません。
しかしながらところ変われば
やり方も変わるわけで、
昔からそこにいる人と、
新しく来た人との間で、
うまく噛み合わない場合が出てきます。
サッカーでもよく
「おい!足元にパスしろよ!」
「うちのチームはセンタリング上げて
高さで勝負してるんだよ!
お前が合わせろ!」
という感じの選手同士のいざこざが
よく発生しますが、
なかなか前のチームで身につけたことは
消せないものです。
介護の世界も出入りが激しいので、
そういうやり取りはよくあります。
それでいいと思います。
いろんな知識、技術の情報は
良いものはどんどん取り入れて
いくべきですから。
でもときにとんでもない
ミラクルプレーすぎて、
ついていけないと思うこともあります。
たとえば
「尿取りパッドに切り込みを
入れると良いですよ!
そうすると尿が下のほうに
吸収されやすいから、
交換の回数が少なくなります!」
とか…
なんでだよ!?
だってパッドって中の綿が
尿を吸収してゼリー状になるんですよ。
切り込みなんか入れたらそのゼリーが
出てきてしまうし、
認知症の人なんか下手すりゃ
それを食べてしまいますよ。
確かにパッド交換めんどくさいから
回数少なくしたいのはわかります。
それにグループホームは
オムツ関連の備品は、
利用者負担なので家族から
「お金がないからあまりパッド交換は
しないでほしい」
と言われることもあります。
切ない話ですが、
そういうことは現実にあります。
しかしそういう特殊なケースはともかく、
当たり前のように、
パッドに切り込みを入れるヒマがあれば、
そんな小細工はいいから、
普通に交換しろよと言いたい。
まず目指すべきは自分たちが
いかにラクするかでなく、
いかに快適に過ごしてもらえるかです。
他にもおかしいなと思うことは
いろいろあります。
たとえば寝るときに
自分で車椅子に乗り移れる方の
ベッドサイドに、
車椅子を横付けで置いたら
「それって拘束ですよ!
四隅を囲んだら拘束じゃないですか!」
とか。
「それにそんなところに車椅子を
置いたら、
自分で乗り移ろうとして転んじゃうから
置かないほうが安全じゃないですか!
前の施設ではそうでしたよ!」
もう、こういうの完全に本末転倒。
自分で動けるように、
あえて車椅子をサイドに置くのだから
なんの拘束でもないんです。
だけど動かれたら困るから、
部屋に車椅子を置かない、
その考えこそが拘束なのです。
四隅を囲もうが何をしようが、
その人は自分で動けるし、
自分で動いてもらいやすいように
そうしているのは
拘束ではありません。
しかし四隅を囲まなくても、
自分で動かないでほしい!と
初めから考えていることのほうが
よほど恐ろしいです。
転んだら?
いいじゃないですか、
それは普通に生活して起こりうる事故。
俺が管理者として
責任持って家族に説明し、
必要なら謝罪もします。
こんなバカバカしいような話が
いくらでも出てきます。
そのくらいレベルの低いことを
平然とやっている施設もある。
そんなところからは
何も学ぶことはありません。
施設にはその施設それぞれに
いろんなやり方があると思いますが、
いったん立ち止まって
本当にそのやり方は正しいか?
井の中の蛙ではないか?
と考えることも必要です。
もちろん、俺自身もそうですけどね。