プロはボランティアにならない | NobunagAのブログ

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■プロはボランティアにならない■
 
介護の基本は人として接すること。
 
そして人はこわい人よりも、
優しい人にお世話をしてもらいたい。
 
だからある程度の優しさがないと、
この業界ではやっていけないと思います。
 
だけど過度の優しさや
ボランティア精神は必要ありません。
 
 
 
実はもう10年以上?前の話になりますが、
一緒に働いていたあるスタッフAさんは、
ものすごくやる気に満ち溢れていました。
 
デイサービスの業務だけで
飽き足らなかったAさんは、
一人暮らしのある利用者さんの家へ、
帰りに立ち寄って食事を作ってあげるなど
していました。
 
Aさんにしてみれば思いやりからの
行動だったのでしょう。
 
でもそれはおかしいんじゃないかと
感じていた俺は、
ある日Aさんに言いました。
 
「そこまでしないほうがいいんじゃないの?」
 
するとAさんは怒ってこう言い返しました。
 
「なんで?あなたのほうこそ人を助けたくて
この仕事してるんじゃないの!?
そんなこと言うなんて冷たい人だね!!」
 
この言葉は俺にとっても
けっこうなトラウマです…。
 
 
 
確かに、
ヘルパーとは人を助ける仕事。
 
今も俺はスタッフが目の前の利用者を
ほったらかしで
この人は特養へ行くべきだの、
きっとこれは大きな病気だからこんなところに
いないで病院に行ったほうがいいよね~と
話していたりすると、
 
「そんなことより目のまえの人を自分が
助けること、困ってる家族を助けることを
一番に考えてよ」
 
と言ってしまいます。
 
 
だけど、Aさんのしていたことは
本当に人を助けていたのでしょうか。
 
(Aさんから見て)困っていそうな
(Aさんにとって)お気に入りの特定の人に
(Aさんがしてあげたい)食事作りをしてあげる。
 
主役はぜんぶAさんなんですよ、これ。
 
 
 
同じことをデイサービスに来てる
一人暮らしの人全員にできるわけじゃなく、
Aさんがチョイスしたかわいい相手だけ。
 
食事作りだって、
本当にその人は困っていたのかどうか。
 
利用者にはたいていケアマネがついて
いるのだから、
もし本当に食事作りの補助が必要なら
ヘルパーを入れるなり、
配食サービスを手配するなりするはずです。
 
そこをケアマネがもし気づいてなければ、
伝えるくらいのことはすべきと思いますが、
何も自分が勝手に訪問してまでする必要もない。
 
第一、もしそんなことをしたら、
遠方に住んでいる家族が知ったとき、
どう思いますか?
 
ありがたいと思う?
本当に?
図々しい、
私たちへの当てつけかしら!
と感じる可能性は?
 
食事作りが
本当に利用者さんの役に立ってる?
本当に?
 
もしかしたらその方は、
Aさんに出会うまでは、
苦労しながらも一生懸命時間をかけて
食事を作って、
それがその人の身体機能の低下や
認知症の進行を抑えていたのかもしれませんよ?
 
ケアマネはそれがわかっているから、
過度のサービスを入れてなかったのだと
思いますよ。
それを見極めるためのケアマネなんだから。
 
 
優しさも度が過ぎれば
優しさではないんです。
 
 
介護のサービスを利用者、家族が
気兼ねなく使えるのは、
対価を払っているからです。
 
どちらにも上下関係などあってはなりません。
 
お金を払っているからお客様で、
我々はお金をもらっているから奴隷という
わけでもありません。
 
公費も使いながら
適切なサービスを受け、
適切なサービスを提供するのです。
 
Aさんのしていたことは、
一見優しいようで
Aさんが上、利用者は下と
はっきり区分けしてしまっています。
 
 
もちろん、それでも善意に基づいたことなら
それはそれで良いのでしょう。
 
ボランティア精神だって大事なことです。
必要ないとも言いませんし、
ボランティアの人が手伝いにきてくれたら
すごくうれしいですよ。
でも私たちは、ボランティアではない、
というだけです。
 
 
一番ダメなのは、
こういうふうに過度の思いやりで
行動する職員、
必ずすぐ辞めるんです。
 
 
もうほとんどが身体も精神ももたずすぐ辞めます。
 
 
もちろんAさんも数ヶ月で辞めました。
だって続くわけないじゃないですか、
そんなこと。
 
そしてその後はまた介護の職につき、
またすぐ辞め、
また介護職につき…ずっとそんなことを
繰り返します。
 
 
迷惑なのは中途半端に関わられた
利用者のほうだと思いませんか?
 
自分にできないような無理を
200%の力で提供して
行く先々でたまたま気にいった
ほんの一握りの人だけ助けてあとは
あっさり放置して勝手に去っていって、
どれだけの人を救えるのでしょう。
 
 
それよりはできるだけ100%に近い力で、
ときには70、80しか出せないときも
あるかもしれないけれど、
細く長く続けながら、
広く浅くでもいいから、
なるべく目にとまった多くの人を
助けたい。
 
それが俺の考えです。
 
 
もちろん今は正直けっこう無理はしていて、
以前も書いたように
 
「僕は無理をする 妥協はしない」
 
というNMBの歌の歌詞のようでありたいと
がんばっていますが、
それでも自分の限界なんか知っています。
 
 
無理しすぎて
途中で投げ出すようなことはしません。
 
 
それが毎日仕事として続けるプロだと思う。
 
 
仕事を辞めたら近所のじいちゃん、
ばあちゃんに
120%の力で何かしてあげてもいいけど、
仕事としてやることには、
一線は引く。