施設入所と家族の罪悪感 | NobunagAのブログ

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■施設入所と家族の罪悪感■
 
管理者、ケアマネとして入居の相談に乗っていると、
実に多くの家族が、
自分の親を入所させることへの
罪悪感を感じていることに気づきます。
 
本来は施設は利用者本人が選ぶべき場所ですが、
うちは認知症の方専門の施設ということもあり、
実際には8割くらいの方が、
家族の希望で、
半ば強制的に入居せざるをえないのが現状です。
 
たとえ、
若い頃には
 
「私がボケたらそのときは施設に入れていいからね、
あなたたちに迷惑をかけたくないから」
 
そんなふうに言ってた人ですら、
いざそうなると
 
「イヤだ、行きたくない」
 
と言います。
 
「アンタは私を捨てるのか!」
 
と非難を浴びせられる場合もあります。
 
なぜこうなるのでしょう?
 
まぎれもなく、
認知症だから。
病気だからです。
 
そもそも若い頃の
 
「私がボケたら施設に入れてね」
 
という言葉だって
 
「本当はイヤだけれど」
 
という気持ちを隠して
子供のためを思って遠慮しながら
言っている場合も多いんですが、
認知症になるとそういう体裁を保つということができなくなり、
あるのは本音ばかりという状態になってしまうのです。
 
だからストレートな心の声が飛んできて、
家族はひどく傷つきます。
 
「知らないところに行きたくない!
アンタは鬼だ!」
 
親からこんなこと言われたら普通は傷つきます。
 
本当は傷つかなくていいのに。
 
そう、傷つかなくていいんですよ。
 
その言葉は病気が出させている言葉だから。
 
良い親を演じている自分と、
子供のような自分。
 
どっちがその人でしょうか?
 
それは難しい問題ですが、
両方ともに本心なのです。
 
たとえば俺だって子供に迷惑をかけるなら、
大好きな子供のためなら
自分が施設に入っても良いと
今は思えます。
 
ただ、認知症になって自分が子供に帰ってしまったら
そんなことは言えないかもしれません。
親である姿を、
演じることができないかもしれないのです。
 
そしたら子供を傷つけるようなことを
平気で言ってしまうかもしれない。
 
しかし、そういう状態にある人を、
家庭で看ることが本当にしあわせなことでしょうか。
 
認知症でとても手がつけられないのを、
無理してがんばってお世話をして、
身体を壊し、精神的にも追い詰められ、
下手をすれば家庭も崩壊して。
中には親と心中する人もいれば、
大事な親を殺してしまう人もいる。
 
そんなふうに子供を追い詰めることを
親であるその人が、
心から望むでしょうか?
 
たとえ
 
「それでいい!私だけを見て!」
 
と言われても、
それは親の言葉ではなく、
病気が言わせる言葉です。
聞き流してください。
 
 
もちろんがんばって在宅介護を続ける人もいますし、
それはそれで立派なことです。
 
どのようなやり方をしようとも、
介護には必ず近い将来終わりがきます。
 
それはしっかり念頭に置いたほうが良いです。
 
中には仕事もすべてやめて
介護に情熱を捧ぐ人もいますが、
それも危険かなと思います。
 
介護が終わった瞬間、
自分には何も残っていない…
 
そんなふうになってしまった人も、
何人か見ました。
 
 
だから在宅にせよ、施設にせよ、
それは一生続くことではないし、
そのうえで子供自身が
後悔しない道を選択すればいいのです。
 
私たちには決められない!
本人に自分のことだから、
さあ選択してくれ!
 
と言ったって、
病気だからできないんですよ。
悲しいけど、
本当にそうなんです。
 
だからこわい病気なんです。
 
自分で方針を選択できるガンのほうが
良いんではないかと思うくらい、
人間の尊厳を破壊する病気が認知症です。
 
 
そして一生懸命考えたうえで、
施設を選択してもそれで終わりじゃない。
 
 
むしろ新しいはじまりです。
 
 
もし施設に入れたことで自分たちの負担が解消し、
数ヶ月、数年経ってから
やっぱり自宅へ引き取りたいと思えるようになったら
そうすれば良いでしょうし、
今後のことなんてそうやってそのときに応じて
少しずつ解決したらいいんですよ。
 
 
間違ったらやり直せばいい。
 
 
いくら高齢者に残された時間は少ないとは言ったって
間違いにちゃんと気づけたら
それをやり直す時間くらいはあります。
 
 
そのことに気づけるのが、
子供であったり、
専門的な見方ができるケアマネです。
 
入居の申し込みをした時点で、
ほとんどの方がすでにかなり追いつめられています。
 
だから
 
「施設が空きそうですよ」
 
と言われたら、
とりあえず入居させてみるのもひとつの手です。
 
少なくともそのほうが
追い詰められた環境だけは、
一時的に脱することができますから。
 
 
罪悪感を感じるなとは言いません。
 
罪悪感を感じるほうが正常だし、
自分の親を施設に入れて心が晴れ晴れなんていうほうが
ちょっと変です。
 
ただし、その罪悪感は
誰しもが感じることなので、
そんな仲間が世の中にたくさんいて、
あなたは一人ではないのです。
 
それだけは忘れないでほしい。