◆施設の備品◆
介護施設ではたとえば車椅子などの備品は、
利用者さんに負担していただくのではなく、
施設側で用意するのが普通です。
在宅のように利用者さんにレンタルなどを
使っていただくこともできません。
それはべつに良いんですが、
破損した時や特別な事情がある時にも、
すべて施設側が対応すべきなのか困ることがあります。
当然、あきらかに故意に壊した場合は
利用者さんに弁償していただく
可能性はあるんですが、
故意かどうかというのは認知症の方が入居される施設なので、
判断が困難なことが多々あります。
通常の使用方法での破損はともかく、
そうでないケースがとても多いです。
しかし利用者さんにしてみれば、
病気のためにしてしまっていることであり、
悪意を持ってしているわけではないし…。
たとえば常に車椅子をユラユラ動かしたり
テーブルにコツコツとぶつかり続ける方。
そんなこと何の問題もないと思うかもしれませんが、
継続というのは恐ろしいもので、
365日何時間もこれをひたすら繰り返すと、
片方のタイヤだけが異常に削れてしまったり、
テーブルの一部が変形したりします。
車椅子のネジを知らないうちに外して分解してしまう人もいます。
また、特殊な加工の防炎カーテンにほぼ毎日便を塗りつけたり、
普通ならあんな分厚いカーテンを破ることなんてできないんですが、
これも不思議とびりびりに切り裂かれたり…。
新しい物を用意してもまた同じことになるだけだし、
もちろん、しないでくださいとお願いしても全然伝わりません…。
一般の人にとってはおかしなことでも、
認知症の方にとってはあくまで普通におこなっていることで、
認知症の方が暮らす施設である以上、
やはりすべて施設が負担すべきなのか…。
もちろん個別に特殊なケースなので、
家族に負担をお願いしたら絶対にダメなんてこともないんでしょうが、
やはり家族も大変だろうなとも感じるわけで。
たぶん、こういう事象だけを見るんじゃなくて、
そういうことが起きないようにストレスのない暮らしの場を
提供しなさいという教科書的な話はじゅうぶんわかってますが、
最大限の努力をしても現実に解決が難しい問題というのは、
必ず存在します。