排泄ケアの話 | NobunagAのブログ

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◆排泄ケアの話◆
 
よく施設では
「オムツ外し」
が素晴らしいことのように言われている。
 
確かに高齢者といえど、
一人の大人であって赤ちゃんではないのだから、
オムツをしないで過ごせるなら、
そのほうが良いとは思う。
 
だけど、それが本人のためではなくて、
職員…というより、
上の人間の自己満足、
もしくは家族への宣伝のために行われているケースがけっこうある。
 
実際、足元が不安定すぎて特に夜間の歩行なんか、
とてもおぼつかないような状態なのに、
無理やり時間で起こされてトイレに連れて行かれるような場合もあると、
ある施設に勤めている職員さんから聞いたことがある。
 
そこまでする必要ないのでは…
そこまで無理にしたら逆に本人がかわいそうなだけでは…
と現場では感じるそうだけど、
上司から命じられれば仕方ないと思うしかないそうだ。
 
うちの施設に関していえば、
方針としてとくにそこまでオムツ外しへのこだわりはないし、
俺自身もオムツをする、もしくはしないことには
それぞれメリット、デメリットの両方があると思っていて、
とくにどっちが良いという意見は持っていない。
 
だから職員にはオムツ外しを強制する気持ちはまったくない。
もっとも、オムツを全員するべきだとも思ってないけど。
 
それでも失禁が多い方については、
オムツ云々はともかく、
できるだけ排泄パターンに合わせて
トイレ誘導くらいはするべきとは考えている。
そんなのは介護職として当然のことだから。
 
でも先日、
ある利用者さんが
トイレに座ったまま何やら悩んでいたので理由を尋ねたら
 
「行きたくもないのに職員さんから
しょっちゅうトイレに行けと言われてイヤになってしまう…」
 
という相談をされた。
 
この方についてのトイレ誘導は非常に難しい問題で、
とにかく失禁回数が半端じゃなく多いので、
誘導しなかったら清潔保持は絶対無理だ。
排泄パターンに関しても、
常に少しずつ漏れてしまうような状態なので、
ほとんどつかめない。
 
だけど本人は認知症のためもあって、
失禁していても気づかないので、
本人が自分から訴えるのを待っていたら
永遠にパッド交換すらなされないだろう。
 
本人いわく
 
「しょっちゅうトイレに行けと言われる」
 
とのことだが、
実際には俺の知っている限りは2~3時間に1回程度、
職員が誘導しているくらいだと思うけど、
まぁ、それを多いと思うか少ないと思うかはその人ごとに違う。
 
毎度感じることだが、
認知症がある方に対して本当に本人にとって適切なケアとは、
なんだろうとわからなくなる。
 
本人の意思を尊重すると、
何もできなくなってしまう瞬間が多数ある。
 
たとえば子供であるとか、
認知症がほとんどない方であれば、
汚れたオムツを替えれば気分もスッキリ!って感じてもらえるだろう。
 
トイレに行ったおかげで失禁しないでいられたら、
快適だって思ってもらえるだろう。
 
それはとてもやりがいがあり、
まさに本人も職員も満足感が得られる仕事だ。
 
でもそういう感覚がほとんど残っていない場合には、
もはやとりあえず清潔を保持して皮膚を守るとか、
尿路感染を予防するというような、
身体機能を優先したケアになっていく。
 
むろん、それも専門職として大事なことではあるものの、
本人がそれを本心から迷惑だと感じているとなると、
なかなかに難しい…。
 
たかがトイレ、されどトイレ。
一生付き合っていく問題だけに、
できるだけ本人の望み通りにしてあげたいところだが…。