◆ケアマネは偉くはない◆
介護支援専門員、すなわちケアマネジャーは一般的に介護保険の
要であると言われています。
自分もケアマネの資格は持っていますので、
ケアマネの立場がそれなりに評価されるのは喜ばしいことなんですが、
ケアマネであることに誇りを持ちすぎて、
介護保険の中でケアマネがトップに君臨すべきと思っている人も
少なからずいてイヤだなと感じるときがあります。
まずケアプランがあってケアがスタートするわけで、
その大事なケアプランを立てるのはケアマネですから、
非常に大切な役割であることは確かです。
ですが、そのプランを実行していく人たちがいて、
初めて介護が成り立つことも忘れてはなりません。
というか、誤解を恐れずに言うならばケアプランという紙切れ一枚よりも、
利用者にとっては実際にケアをしてくれる人間こそが大事なんです。
だから、ケアマネはあくまで裏方、黒子に徹しながら、
実際にケアする人たちを上手にチームとして導いていくべき存在だと思います。
導く、というのは指導するとか、自分の言う通りにさせるというのではありません。
現場から挙がるさまざまな声をしっかり分析し、
利用者の状態をきちんと評価し、
次におこなうべきことを皆で一緒に考えていくため場を調整していくということです。
導く立場のケアマネが偉いのではありません。
そんなのはあくまで役割分担の問題です。
相応の経験がないと取れない資格だから、
それに応じた役割を果たすべきというだけで、
偉いかどうかなんてことは別の問題です。
もう何年も前に通所で働いてたときの話になりますが、
大雪が降った日に道路状態も悪く職員もほとんど出勤できなかったので、
通所に来られる利用者さんに一日休んでいただいたことがありました。
念のため利用者さんには電話で確認すると
「今日は危ないからいいよいいよ」
と言ってくださいました。
そしたら午後になって担当のケアマネが大激怒して電話をかけてこられ、
「なんで勝手に休ませるんですか!?」
と言われ、事情を説明したのですがまったく聞いてくれず、
「雪が降ったら休んでいいなんて書いてないでしょう!!
あなたちは私のケアプラン通りに働くのが仕事でしょう!!」
とまで言い出し
「こんなことは大問題だから市に報告させていただきます!!」
とまったく怒りが冷めやらないのでどうぞどうぞと言っておきました。
こちらのほうでもその後、市には確認とったんですが、
特殊な事情だし本人の了解も得てるからまったく問題ないでしょうとのこと。
しかし問題なしってのも余計に火をつけたのか、
よほどそのケアマネは腹に据えかねたらしく
結局利用者さんは他の通所に行くことになってしまいました。
私が信用できない場所には行かせたくないというのが理由でした。
それから数か月、たまたま用事で他の施設を訪れたときに、
その利用者さんと再会したんですが、
「あの時は悪かったねぇ…ケアマネさんがなぜかすごい怒っちゃって…
私はずっと通いたかったのに…」
と涙ながらに話してくださいました。
さて、このように自分の立場を主張し、
利用者さんの意向を無視してまですべて自分の思い通りに運ぼうとするのは、
はたしてケアマネとして正しい姿でしょうか?
バカみたいでウソみたいな話ですが、
本当にこんなことがあるのですから、
あきれてしまいますよね。
自分の仕事に誇りを持つのは大事ですが、
本当の主役は誰なのか、
常に見つめていなくてはいけません。
ときに自分の主義・主張・理想を抑えてでも、
利用者さんやケアチームをしっかり導く、
それがケアマネの役割だと思います。