◆1番議員(高見澤伸光君) 
 私からは、4つの大項目について質問をいたします。
 1つ目の大項目は、人と自然との共存『星空』の魅力活用と光害対策についてです。
 北杜市の星空は大切な観光資源であり、北杜市の魅力の一つであると私は考えます。環境省では、星空観察を通じて光害や大気汚染等の環境問題の関心を深めるとともに、美しい星空を観光や教育などの地域資源として活用することを推奨しています。
 光害は街灯や照明のLED化が進んだことにより、動植物の生態系に異常が出たり、星空が見えにくくなったり、車の中から歩行者が見えにくくなり、事故につながりやすくなるなど、様々な影響が出ていると環境省は指摘をしています。
 光害対策型LEDの防犯灯の設置を促進することは、環境省が指摘している問題やSDGsへの取り組みになるとともに、市民生活は安全に照らされ、星はより輝き、動植物の生態系は守られます。これこそが自然との共存の良い姿ではないかと思います。
 それらをふまえて、質問をいたします。
 ①環境省から光害対策が緊急な課題とされていますが、光害に対する市の考えを教えてください。
 ②『光害防止条例』に対する市の考えを教えてください。
 ③光害に対して、現在行っている対策や街灯設置に対する決まりごとや条例などはありますでしょうか。
 ④防犯灯などを光害対策型LEDに交換することに対する市の考えを教えてください。
 ⑤今、地域負担になっている街灯の設置や維持費を、光害対策型や環境に配慮した街灯であれば市で負担する考えはありますでしょうか。
 ⑥環境省では、星空を観光や教育などの地域資源として活用することを推奨していますが、市の考えを教えてください。
 ⑦北杜を『星見里』にした名前の由来と、現在その名前にふさわしい市になっているかどうか、市の考えを教えてください。
 ⑧子どもから大人まで多くの人に星空の魅力を伝えることは大切であり、広報などに力を入れて、それにより郷土愛の強い市にしていくことが大切だと思いますが、今、行っていることと市の考えを教えてください。


◎森林環境部長
 1番、高見澤伸光議員のご質問にお答えいたします。
 人と自然との共存『星空』の魅力活用と光害対策について、いくつかご質問をいただいております。
 はじめに、光害に対する市の考え方についてであります。
 「光害」は照明の設置方法や光が届く範囲が不適切で、景観や周辺環境への配慮が不十分なために起こる様々な影響を指すとされております。
 国の「光害対策ガイドライン」によりますと、夜間の社会活動を営む上での屋外照明使用目的として、「安全で効率よく活動することを助ける」、「社会システムの円滑な維持を可能にする」、「効率的な経済活動を助ける」ことが挙げられ、その目的を踏まえ、より環境への負荷の少ない照明の普及が望まれるとされております。
 これに基づき、周囲の社会的状況や自然環境に即して、快適かつ効率的な照明による景観が形成され「星がよく見える」ことをはじめ、地域の良好な「照明環境」の実現が望まれるとされております。
 市としては、市民一人ひとりが関心を持つことが重要であり、照明器具の設置者は、光害に対する配慮が必要と考えております。
 次に、「光害防止条例」についてであります。
 夜間において社会活動を営む上での道路照明や看板照明、店舗や住宅周辺の照明による光は、本市においても存在しておりますが、条例による規制は社会活動の制限につながることから、現状を把握しつつ、今後の都市化や市街地の形成を鑑み、慎重に判断する必要があると考えております。
 次に、現在の対策や街灯設置に対する決まり事等についてであります。
 市道の照明については国が定める「道路照明施設設置基準」を参考にしております。
 また、防犯灯については「北杜市防犯灯設置管理要綱」に基づき、対応しておりますが、本市では光害の報告はなく、国のガイドラインに沿った設置管理が行われているものと考えております。
 次に、光害対策型LEDへの交換についてであります。
 市が管理する街灯は42カ所のトンネルや橋梁に設置しており、防犯灯については、約6,400基が設置されております。
 街灯は安全面の向上を、防犯灯は、生活環境の整備および犯罪の防止を図ることを目的としておりますが、現在設置を進めているLED街灯および防犯灯は光害を及ぼすとは考えていないことから、「光害対策型LED」に交換する計画は、現在はありません。
 次に、光害対策用の街灯への補助についてであります。
 市が管理等を行っている橋梁の街灯は、安全面を考慮し、高い位置から照らす大型のものを設置しておりますが、主に路面を照らすよう配慮しております。
 防犯灯については、設置・管理を地区で行っていただいておりますが、防犯灯の切り替えに伴う地区の負担軽減を図るため、市で「LED防犯灯」を用意し、申請のあった地区へ配布しております。
 なお、市が購入している「LED防犯灯」は一般に普及しているタイプで、市民の安全・安心のため路面を広く照らすもので、光源は下を向いており、上空への影響は少ないものであります。
 次に、星空の観光や教育等への活用についてであります。
 本市では、「八ヶ岳南麓エリア」や「みずがき湖周辺エリア」で見ることができる美しい星空を誇りとし、それを守り、伝えるため、市内の団体や個人の方々が「星空観察会」を開催し、観光客など多くの方に本市の魅力を発信していただいております。
 このような取り組みが活発に行われていることから、北杜の美しい星空は、貴重な観光資源の一つであると認識しております。
 今後は、これまで行われている取り組みなども参考にしながら、この観光資源を有効に活用していく方策について、研究してまいりたいと考えております。
 次に、星見里の由来と現状についてであります。
 古くから月の景観の美しい地に、「山梨」という地名が付けられ、この山梨の古名は「月見里」で、「やまなし」と言われていることと合わせて、本市は美しい星空を望むことができる地として、「星見里」で「ほくと」と表現しているところであります。
 現在でも、その名にふさわしい星空が望めますので、今後もこの景観を維持できるよう努めてまいります。
 次に、星の魅力を伝える取り組みについてであります。
 市では、星空の観察を市民団体と協働・連携して実施し、観光や教育に生かす取り組みを行っております。
 今後も、市民一人ひとりが「星見里」、「ほくと」に誇りを持てるよう活動を継続するとともに、これらの資源を活用し、誘客に成功している先進事例等についても研究をしてまいります。
 以上でございます。


◆1番議員(高見澤伸光君) 
1つ目の大項目、星空と光害について再質問をいたします。
 星空を観光資源にして誘客に成功している先行事例などは、どんな取り組みをして成功したのかを教えてください。
◎森林環境部長
 1番、高見澤伸光議員の再質問にお答えをさせていただきます。
 先進地における取り組み事例ということでございますが、先進事例といたしましては、岡山県の井原市を確認してございます。もともと天体観測に適した環境にありまして、星の里づくりというものに取り組みまして、天文台も建設され、この環境を残すために光害防止条例を制定しておりまして、国の認定機関から星空保護区の認定を受けるなど成果をあげているそうでございます。また、長野県も光害防止対策には積極的に取り組んでいるというところでございます。
 今後、その他先進事例について研究をしてまいりたいと考えております。
 また、本市においても天体観測に適した環境でございますので、地域委員会や民間団体等で星座に関する座学、観察会などが開催されておりますので、そういったところからも現状把握をしてまいりたいと考えております。
 以上であります。
◆1番議員(高見澤伸光君) 
 再々質問をいたします。
 ただ、星が見えるだけという場所であれば日本中のどこにも存在していますし、今、市では現状維持でいいという判断をされていますが、星空で成功しているところは、官と民が一体となって、本気になって取り組んでいるからこそ成功しているのではないかと思います。いっぺんに街灯や環境に対する問題意識などを、人の意識を変えるということは大変ですが、年々徐々に変えていくことで、5年後10年後、夜空を見上げたときに、その成果が見える形で分かるようになってきますし、今ある魅力をさらに輝かして、北杜市の星空がブランド化していく、今ある丸を二重丸にできるような取り組みをすることがよりよい未来をつくると思いますが、いかがでしょうか。
◎森林環境部長 
 1番、高見澤伸光議員の再々質問にお答えをさせていただきます。
 現状維持ではなく、官民一体の取り組みをすることが大事ではないかというご意見です。
 本市におきましても、全国で300以上の自治体が参加しております「星空の街・あおぞらの街」という全国協議会に加盟をしております。全国大会もあることから、類似団体の光害への対策、また観光振興への情報などを収集いたしまして、今以上に星空のきれいなまちとして取り上げてもらえるような、そのような取り組みを研究してまいりたいと考えております。
 以上です。