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nobumiさんちのおねえさんの天然石の話

水晶やパワーストーンと日常のあれこれ

随分以前のお話です。

どこの会場だったか、あるお客様がご来店下さり、なんの話の流れでそうなったのか、マルチカラーのトルマリンのネックレスをご購入されることになりました。

そのトルマリン、キャンディカラーの高品質品ですが、まだネックレスにも何にも加工されておらず、仕入れてきたままの状態、40cmの連のままでした。

当時は、店頭にビーズの連など並べてはおらず、ということは当然、商品として陳列などされてはいなかったはずです。

その方は、常連様ではなく、あとにも先にも、お会いしたのはその時限り。
なぜトルマリンのネックレスのお話になったのか、まるで記憶がありません。
トルマリンが欲しいと仰られたのか、何かネックレスはないかと言われたのか・・・?
が、とにかく、翌日までにネックレスを作成してお渡しすることになったのです。

とはいえ私も、初めてのお客様ですから、不安要素は沢山あります。
加工だけして、取りに来られなかったら・・・?
催事販売では、実はよくあるケースです。
結局、1万円の内金を入れていただき、作成へと移ったのでした。


さて、翌日。
ネックレスを無事作成し、お客様をお待ちします。
そのお客様はもちろん、ご来店下さいました。

お客様をお待ちしていた私は、出来上がったネックレスを見せようと準備すると、お客様が突然言い出しました。
「ねえ、そのネックレス、キャンセルできない?」
「トルマリンよりも、亀の方が、価値があるんじゃないの?」

亀・・・というのは、おそらくべっ甲。
べっ甲屋さんでも、覗いてきたのでしょうか?


さて、トルマリンとべっ甲、どちらの価値が高いのでしょうか?

その全く違う2つのものの価値、一体どうやって測ればいいのでしょうか?
販売価格でしょうか?
ということは、金額が高ければ高いだけ、価値が高いということになります。
果たして本当にそうなのでしょうか?

基本的に、石の価格は産出量で決まります。
となると当然、有機物であるべっ甲の方が、価値は高いことになります。
だって、取っちゃいけないんですから。

でも、トルマリンは、かなりの高品質品です。
でもだからといって、その品質を、全く違うものと比べてみても、なんの参考にもなりません。

じゃあ、例えば、そのべっ甲とトルマリン、質屋に持っていったとします。
どちらの方が高く買い取ってもらえるのか?

いえいえ、質屋さんは間違いなく、どちらの買取もされないでしょう。
或いは、買取してもらったとしても、大した金額にはならないはずです。

基本、宝石類は、真珠やべっ甲も含めても、ダイヤモンド以外、買取は行われません。
もし宝石を買い取ってもらったというのなら、そこに付属している、金やプラチナの価格です。

となると、どちらの価値も、たいしたことない・・・ということになります。

自分の資産として購入を検討しているなら、正直言ってこんなもの、何の価値もありません。


宝石って、一体何のために買うの?
資産価値として?
見栄?権力の証?お金持ちだと見せるため?

そうじゃないでしょ?
心惹かれたから、買うんでしょ?
気持ちが癒されるから、嬉しくなるから、幸せな気持ちになれるから。
だから買うんじゃないんですか?

トルマリンとべっ甲なんて、見た目にも全く違うもの。
もちろん、どちらにも惹かれる人はいるでしょうし、どちらも甲乙つけがたい魅力があります。
(ま、基本的に私は、有機物は苦手ですが^^;)

その上で、べっ甲の方に心惹かれたというのであれば、気持ちもわかりますが、価値を問われた場合、なんて答えていいのかわかりません。

強いて言うなら、
「どちらの価値が高いと感じるかは、人それぞれです。
その人にとって、より魅力を感じるほうが、その人にとっての価値があるんじゃないでしょうか?
魅力的に感じないものを手元に置いたって、それがどんなに高価なものであったとしても、何の価値も見いだせません。
ヨーロッパの高級ブランドのバッグに価値を見出す人がいれば、日本の職人さんの作ったバッグに価値を見出す人も大勢いますから。」

・・・・まあ当時は、そんな言葉も思いつきませんでしたが・・・^^;


結局、なんだかんだで、そのお客様はネックレスをお買い上げになりました。
しかし、今思い出しても、後味の悪いお仕事でした。





先日、とあるお店で、60万円の商品の手付金として10万円支払った人が、後日、キャンセルしたいから手付の10万を返してくれと言ってきた・・・・という話を聞いて、この話を思い出しました。

手付金とは、「必ず買いますから、誰にも売らずに取り置きしておいてください」というお約束金です。
内金とは、その手付金を商品の額の一部として入金するので、内金というのです。

少額なお買い物の場合は滅多に聞くこともないかもしれませんが、高額商品のやりとりでは、比較的良く耳にします。

この手付金は、「必ず買う」という前提の下でのお約束金なので、キャンセルしても基本的には戻ってこないと思ってください。
戻ってくるのは、お店側の厚意によるものです。
また、取り置きしても内金を請求されないのも、お店側の厚意によるものです。

私も、よほどのことがない限り、内金なんて滅多に請求しません。
(よほどの高額品や初対面のお客様には、稀に請求します)
しかし、世の中は、そんなお店ばかりではありません。

お買い物は、慎重に行ってください。