今回は鉄についてのお話です。
鉄と言えばほとんどの女性の悩みの種とも言えるミネラルではないでしょうか。
鉄は、毎日汗や腸の粘膜がはがれることで1㎎失われると言われています。
女性の場合は更に月経で毎月まとまった量の鉄が失われます。
ミネラルなので吸収しにくい鉄はこつこつとっていく必要があります。
鉄はヘモグロビンの一部となって、酸素を運ぶ働きがあります。
また酵素としてエネルギーを産生したり、
活性酸素を分解するSOD(スーパーオキシド)という酵素や
コラーゲンの材料になったりもします。
鉄不足ということは、
体内の酸素不足、エネルギー不足、コラーゲン不足を招くともいえるのですね~
鉄不足のチェック表はこちらをどうぞ。
①月経量が多い
②不安やうつがある
③氷をがりがり食べる
④爪の形が平ら
⑤顔が青白い
⑥昇り階段がつらい
⑦冷え性
⑧物が飲み込みにくい
⑨朝が起きられない
⑩立ちくらみ、めまい、耳鳴りがする
⑪あざができやすい
①は鉄不足による月経異常が考えられるほか、鉄の損失も多くなる状態。
②や⑩は鉄が酸素を運搬するため、脳が酸素不足になるため。
神経伝達物質の代謝にも鉄が関わっています。
③は味覚障害を起こしやすく、特に異食症という症状が出るため。
④はスプーン状爪といい、コラーゲンの代謝ができないために起こります。
(コラーゲンはたんぱく質・ビタミンC・鉄から作られます)
⑪もコラーゲン不足で血管がもろくなり、内出血するため。
⑤は貧血から。
⑥も酸素不足のため。
⑦は赤血球の運ぶ酸素が抹消に届かないため。
⑧は食道が鉄不足で委縮するため。
⑨は酸素とエネルギー不足で疲れやすいため起こります。
血液検査で鉄欠乏性貧血を診断するときは
ヘモグロビンを見る場合が多いですが
フェリチンを見ると更に正確です。
目安として30以下で低フェリチンと言われています。
体内にある鉄は3~4gで
そのうち35%がフェリチン(貯蔵鉄)として脾臓や肝臓、マクロファージなどに
残る65%はヘモグロビンとして、酸素とくっついて赤血球の中に存在します。
ヘモグロビンは赤血球が作られていると数値が保たれることがあるため、
鉄不足があっても数値に現れるのに時間がかかります。
(現れている時は鉄欠乏が進んでるとも言えます)
血液中にも血清鉄として分布していますが、わずかです。
(血清鉄はトランスフェリンというたんぱく質と結合していますが
この結合は外れやすく、フリーの鉄は活性酸素の素となり
危険なため少量の鉄しか血液中に存在しないそう。)
鉄欠乏が起こる原因として
吸収が悪くなる要素がいくつかあります。
一つ目は炎症があること。(脂肪肝・歯周病・アトピー・上咽頭炎など)
炎症があるとヘプシジンというたんぱく質が肝臓で作られます。
このヘプシジンは腸や肝臓、マクロファージのフェロポーチン(鉄を出すたんぱく質)の動きを止めるため
体内の鉄の動きが全て止まってしまいます。
古くなった赤血球はマクロファージが取り込み
脾臓で鉄を切り離し、骨髄にまわされます。
体内で鉄をリサイクルしているわけですが
この動きも炎症で止まってしまうのです。
鉄の吸収とリサイクルを回すためには、まずは炎症を治すことが大切です。
二つ目は吸収を阻害する食品の摂取によるもの。
乳製品・食品添加物・タンニン、フィチン酸、シュウ酸などがこれに当たります。
三つめはカンジタによるもの。
腸内にカンジタがいる場合、カンジタが鉄を奪って増えるため、まずは除菌が必要になります。
炎症があると吸収しないし、
リサイクルも止まってしまうし
腸カンジタがいると悪化させてしまうなんて!
なかなかハードルが高いミネラルですね~
鉄はフリーになると活性酸素を出すほか、
癌とも正の相関があり、慎重な扱いが必要です。
食品の形で摂るほうがメリットが大きいと感じるミネラルでもあります。
鉄の多い食品はレバーやかつお、あさり、しじみなど。
ほうれん草や小松菜など緑の野菜や大豆製品にも多く含まれます。
鉄分補給にお勧めのレシピはこちら↓
ビタミンCとたんぱく質は鉄の吸収をアップさせてくれるので
一緒に摂るといい栄養素ですよ。
かつおの刺身をレモン汁のポン酢で食べる、とかいいですね~
テケジョ(鉄欠乏女子)におすすめ
奥平先生の本はとてもわかりやすいです
また、鉄と亜鉛は吸収するときの入り口が同じで
一緒に摂ると拮抗すると言われています。
亜鉛のサプリを摂る時は、時間をずらすといいですよ。
炎症や腸のケアもやっていきましょー