序の2  Guardian ― お庭の守護者 ― <2>


 それにしても、物が行方不明とかってたまに聞くけど、勘違いとかじゃなくて、実際にあるトラブルで、専門のトラブルシューターがいるっていうのもちょっと驚きだし、(繰り返すけど) それに携わっているのがこんな人… サラダでお茶する姿さえ妙にハマっている。そして…

 「しかし、担当のお庭が増えて多忙になっても、こういう、いい感じのお庭が増えて、しかも、ステキなオーナーさんとお近づきになれるのは嬉しいっすね。サラダも大変美味しくて…  こちらのようなお庭にお邪魔すると、正直な話、 Guardian より、 Adviser の方がいいかも、なんて時々思ったりもするんですがね。」

 食べながらのセリフが、セ… セリフが… わぉ… ステキなオーナーさん^^; サラダ、美味しいって… ちょっと汗^^; ごくありふれた褒め言葉なのに、この人が言うと、なんかドキドキする~。 「お世辞、お世辞…」 「社交辞令、社交辞令…」 って何十回か (しつこいくらい) 心の中で繰り返さなきゃならないかも…  これじゃ~、原則としてオーナーに姿見せないってのが、ある意味納得だよ~。 (女性オーナーだったら、担当地区で、ある意味、バトルの源になっちゃうかも。)

 職務と同じくらい、こっち (← って、どっち!? ) も凄腕だったりして… って、本人、そんな意識があるのかどうかは謎なんだけど。

 更に、 Guardian氏、「彼」にいきなりこんなこと言う。

 「な~、仕事交換しねぇ~!? 俺、このお庭の Adviser やりたい。」

 「却~っ下! 冗談は顔だけにしとけって。」

 「あら、俺、本気よ。オーナーさんの意向に沿って、オーナーさんのためにご奉仕する、素晴らしい仕事だし、このお庭でずっと居られて、お茶できて… 」

 「確かに、お前がやっても Adviser は完璧以上に勤まるだろ~ケド、 Guardian に代わりはいないだろっての! 一朝一夕に「交換しねぇ~!?」 って取り替えられる仕事ならとっくに誰かやってるだろ、って」

 「う… ま、ま~な…  しかし、残念… 

 やり取りの後、ふっと小さくため息をついたそのあと Guardian氏は、ニコッと笑ってこっちを向いた。

 「こちらのAdviser になりたいってのは、担当から断られたんで無理っすけど、よかったら時々お茶しに寄っていいっすかね!? 」

 え、えぇ~? だって、原則オーナーとは顔合わせないんでしょ? 今日だけの偶然だと思ってたんだけど… あ~、でも、お茶しに来てくれる方が増えるのは嬉しい…

 「あ、え~と…、来ていただければ、嬉しい… ですけど… でも、え~と…  お仕事に差し支えたりとかは~…」

 「あ~、お優しい。気を遣ってくださるんですね~。大ッ丈夫! 仕事はきちんとこなしますから!! こういう仕事してると、オーナーさんとお近づきになれるって滅多にないんっすよ。こうして美味しいお茶、ご馳走になれるチャンスも。「いい」と言っていただけたら、それで、仕事の励みになりますから 」

 うぅぅ~ん… 大変なお仕事の励み? 息抜き!? になれるなら光栄…!? なのか何なのか^^; 自分で自分の考えていることが、訳わかんなくなってきた… 特に過激な言動している訳じゃないのに、なんで Guardian氏の一挙一動でこんなに気持ちが動かされるんだろう。

 一目惚れ!? ううん… そういうのではないことだけはどこかで分かっているんだけれど…


 その説明は、Guardian氏が帰ったあと、「彼」が教えてくれた。

 「あいつはさ、仕事ゆえにパワーがあり過ぎるんだって… それで周囲への影響も半端ないらしいんだよ。傍にいるだけで訳も分からず気圧されるっていう奴もいる。で、結構敬遠する奴多いんだよな。 Adviser連でも、まともに話すのって俺とティオと他数人ってくらいだから。オーナーさんと原則、非対面ってのも、それもあるんじゃないかな。いいにつけ悪いにつけ、影響が出かねないって… ま、あんたは大丈夫そうだったけど 」

 感じたオーラはその潜在パワー故… あの人にしかできない仕事、でもその仕事とその能力があの人を孤独にしているの!? … なら、結局、

 「うちでよかったらいつでも寄って息抜きなさってください、ぜひ。」

 って言っちゃったのはよかったのかな… 

 よかったんだと思いたいよね、本当にまた会えるかどうかは別にしても。 Guardian氏がくれた苗木を横目に見ながら「彼」の話を聞いていて、そんなことを胸の中で呟いてみたりした。


                               <ツヅク>