公開前の方がいいかな、とおもってだいぶ溜めておいたのですが
ようやく感想を書きます。

話題になった映画はそこそこ見ている方だと思うのですが
こういう渋いテーマの映画っていうのはやっぱりいいですね。

ラマヌジャンのことを映画にしようっていうのがまず、いい。

ラマヌジャンはインド出身の数学者です。
学位を持たず、でも数学への情熱と愛とほとばしる才能が抑えきれずに、
紆余曲折を経てロンドンへ留学を果たすのです。

お察しのとおり、ロンドンではかなりのいじめ、というか人種差別を含んだ偏見にさらされ、
彼はとても苦しみます。
菜食主義者だったラマヌジャンは、身体を弱らせてしまい、この時期の生活が元で
若くして亡くなります。

亡くなってから、その才能が評価されるというのは、悲しいことですが
真の天才とはそういう側面もあるのかもしれません。

嫁姑の確執なんかもリアルに描かれてて見ごたえがあります。

ラマヌジャンについては、駒場の頃に、
理系学部で、もう院生だった先輩たちが
ラマヌジャンの公式について議論したりしていて、
とても気になる存在でした。

なにせ、女神が数式を教えてくれるというのです。
彼にとって、数式は証明すべきものではなく、神の恩寵だったということなんでしょうか。
数学の好きな人にとっては、もっと数学について映画の中で触れてほしかった、、、
と思うかもしれません。

彼の業績は、現代社会に活かされている、と、映画は締めくくられます。
どのように活かされているのか
その側面を語り出すともうキリがないのでしょうが
ラマヌジャンについて興味をもって見に来る人は、そこをこそ知りたいと思うかもしれません、、
もしDVD化されることがあれば、その補遺版の映像があるとうれしいですが、、、

数学の美しさ、ロマンティックな数式の神秘性を感じることができれば
この映画を見に行った価値があるなと思えると思います。





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明後日、あすかちゃんの演奏会が王子ホールであります。
http://eplus.jp/sys/T1U14P002201249P0050001
中野も会場のどこかにいると思います。



広汎性発達障害を持っているピアニストの
野田あすかちゃんとやりとりしながら書いた本です。
あすかちゃんの音楽を聴くことができますが
聴いていると泣けてくるような曲がたくさんあります。


監訳を担当しました、マインドフルネスの本はこちらです。




これまでの著書です。