さくばっとのブログ 古楽大好き!

サクバットという古楽金管楽器(トロンボーンの前身)・古楽・音楽に魂を捧げるページです!


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9月22日(金)19時開演 日本福音ルーテル東京教会

15世紀にキプロス島で作曲された複雑精緻な、まるで機械式時計の心臓部のように繊細な音楽のコンサートのお知らせです

それに伴いいろいろキプロス島の事について調べてみました

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             キプロス島パフォスの海岸

ギリシャ神話で、海の泡から生まれたヴィーナスが、流れ着いたとされる愛と美の島地中海のはてのフランスとも言われるキプロス島

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                    ヴィーナスの聖地

11〜13世紀、キリスト教の聖地「エルサレム」を異教徒から奪還する目的で行われた『十字軍』の中継地として(イタリアからは航路で数ヶ月もの距離にある)、キプロス島へは、多くの騎士、王侯貴族、外交官、芸術家、そして裕福な商人たちが押し寄せました

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         「聖母マリア」のモザイク画

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           人物画のモザイクは必見です❣️

十字軍は、ヨーロッパのキリスト教文化を中東に伝えると同時に、ヨーロッパよりも進んでいた分野も多かったアラブの文化をヨーロッパにもたらした意義も大きく、また地中海全域にヨーロッパの貿易拠点が置かれ、ヴェネツィアやジェノヴァなどの商人が莫大な富と権力を持つようになりました
12世紀、第3回十字軍でキプロス島を訪れたイギリス、リチャード獅子心王はキプロス島をいたく気に入り一時支配、その後テンプル騎士団の支配の後、1192年からは裕福なフランス貴族ギ−・ド・リュジニャンにより、フランス人のキプロス支配が1489年まで続き、キプロス島にフランス宮廷文化が花開く事になりました

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セリミエ・モスクの前身の聖ソフィア大聖堂は、パリのノートルダム大聖堂とそっくりに作られました

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キプロス島のその後
1489年 ヴェネツィア共和国が支配
1510年 オスマントルコの侵攻
1878年 イギリスが支配
1960年 キプロス共和国ができる
しかし、1983年、北のキプロス・トルコ共和国と、南のギリシャ系のキプロス共和国にグリールラインによって分断されています

ちなみに聖ソフィア大聖堂は、今は北キプロス・トルコ共和国のイスラム教モスクとして有名です

さて、1192年から始まったリュジニャン家のキプロス島支配の最盛期は1359〜1432年間で、中心地はニコシアでした
特にピエール1世は賢王で、その頃は既に十字軍の使命であったイスラム勢力からのエルサレム奪還は絶望視しされていたため、目的地を変更してエジプトのアレクサンドリアを侵攻する事を目標とし、その軍資金集めのために3度もヨーロッパを歴訪し、その資金でついに1365年アレクサンドリア攻略に成功しましたそして、その騎士道精神はヨーロッパ中から絶賛されました
攻略の様子は詩人で音楽家であるマショーが800行の大作詩「アレクサンドリアへの勝利」で讃えています(マショーは音楽の分野ではアルス・ノヴァ〔新しい技法)の代表者的存在でもあります

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             アヴィニョンの大聖堂

ピエール1世が軍資金集めのために、当時教皇庁があったアヴィニョンなど各地に赴いた際、キプロス島ニコシアの宮廷音楽家達を同行させ演奏を披露し、特筆すべきはフランス王シャルル5世から音楽家達に金貨80フランを賜りそして最新のヨーロッパ音楽を吸収また帰国後ピエール1世はそれらをまとめるように促したおかげで、今回演奏する「トリノ写本」という貴重な実績に結びついたものと考えられますお願い

ピエール1世の2代後の王ジャニュス(1348〜1432)は妻をフランスから(シャルロット・ド・ブルボン)迎えました彼女はフランスでの宮廷儀式、音楽、文学などを徹底して取り込みましたお輿入れの際には、当時ルネサンス音楽の中心地カンブレーの大聖堂でギョーム・デュファイと共に仕事をしていたであろう、ジレ・ヴリュやジャン・アネルが随行していて、キプロスを訪れる来賓をもてなした事と思われます

その頃に演奏されたであろうキプロスの音楽が、イタリア、トリノ国立図書館に、159葉の羊皮紙に書き込まれた楽譜「トリノ写本J..Ⅱ.9」として残っていますこの写本は5つに分冊されていて
1.単声聖歌のミサ曲や聖務日課の宗教曲
2.多声のミサ曲
3.41曲のラテン語とフランス語による宗教曲
4.102曲の世俗歌曲
5.21曲のヴィルレーと43曲のロンドー(宮廷恋愛詩・高貴な貴婦人や聖母マリアへの愛などプラトニックで憧れの要素の強い内容など、世俗的で特有の韻を踏んだ歌詞を持つ音楽)
から成っています
今回演奏するのは第3番目のグループに入っているものになります

このトリノ写本は、1434年、キプロス王夫妻ジャニュスとシャルロットの王女アンヌが、トリノのサヴォイア家にお輿入れした際に、嫁入り道具としてイタリアに持ち込み、現在国立トリノ大学図書館に所蔵される、通称『キプロス写本』とも言われるものです

この写本を音楽史的に見ると、グレゴリオ聖歌として単声で歌われていたものが、まずは覚書程度にから始まり、「記譜」される事により多声音楽に発展し、13世紀中ごろにフランコ・デ・コローニアの考案した「定量記譜法」という音の長さを表す方法(リズムは3分割が主)、そして14世紀にフィリップ・ド・ヴィトリがリズムを2分割、3分割対等に表す理論書「アルス・ノーヴァ」(新しい技法)によりリズムを複雑にも記す事が出来るようになり、10種類の異なる拍子(プロポルツィオ)を用いて書かれた曲なども現れて来ました
今回演奏する曲は、それぞれの声部が異なるリズム体系を持つ旋律の重なり合い、複雑精緻を極めた技法「アルス・スブティリオル」(より繊細な技法)によって書かれており、それ以上発展する事が出来ないほどの袋小路に入ってしまったような爛熟しきった多声音楽の到達点となっています
是非、実際にお聴きいただきたいと存じます

今回使う楽器も、とても貴重で珍しいです
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                ルネサンスリコーダー

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               スライドトランペット

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                       サクバット

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                         ヴィエール

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                クラヴィシンバルム

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                      オルガネット


音楽監督・リコーダー:守谷敦
カウンターテナー:上杉清仁 中嶋俊晴
テナー:福島康晴
サクバット・スライドトランペット:宮下宣子
ヴィエル:須賀麻里江
クラヴィシンバルム:吉見伊代
オルガネット:矢野薫


日時:2017年9月22日(金)
   19時開演 18時30分開場
場所:日本福音ルーテル東京教会(新大久保)
入場料:全自由席 前売り:3,000円 当日:3,500円    学生(前売り・当日とも):2,000円


ご来場を心よりお待ち申し上げております

チケット販売:
 AM音楽事務所  04-2953-1459
 東京古典楽器センター  03-3952-5515
お問合わせ・チケット予約:
 AM音楽事務所 Tel&Fax 04-2953-1459
 gandharva.am@gmail.com
 sackbutnm@gmail.com

主催:AM音楽事務所・宮下宣子 共催
後援:在東京キプロス共和国名誉総領事館
   日本イタリア古楽協会(AMAIG)
   日本トロンボーン協会(JAT)

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参考文献

渡邊温子 著
古楽でめぐる
「ヨーロッパの古都」       ARTES出版
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