さくばっとのブログ 古楽大好き!

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サクバットという古楽金管楽器(トロンボーンの前身)・古楽・音楽に魂を捧げるページです!

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コンサートのお知らせです‼️
16日東京、17日浜松で行います💖

古楽金管アンサンブル「ANGELICO」アンジェリコと、コルネット、バロックヴァイオリン、ドゥルツィアンの世界的名手をゲストに迎えて華々しく演奏します🌸

是非是非おいで下さいませ💐


3月16日(土)14時開演 大久保 淀橋教会

3月17日(日) 18:15開演    浜松市楽器博物館 天空ホール

ハインツ・イグナツ・ビーバー(1644〜1704)

      プログラム


                                  ハインリヒ・イグナツ・ビーバー作曲

                                          「15声のレクイエム」

                                                                                                         

                               アンニバレ・グレゴーリ作曲

                                       「ルッジェーロ」(コルネット・ソロ)

                                          

                               ハインリヒ・イグナツ・ビーバー作曲

                                                      ロザリオのソナタ  より

                               「パッサカリア ト短調」(ヴァイオリン・ソロ)


 ハインリヒ・イグナツ・ビーバー(1644~1704年)は、ボヘミア出身17世紀ドイツ圏最大のヴァイオリニストで、ザルツブルク大司教の宮廷楽長を務めました。 

 24歳からモラヴィア地方クロムニェジーシュ、オロモウツ大司教の宮廷楽団でヴァイオリニストを務めた後、26歳でザルツブルクの宮廷楽団ヴァイオリニストとなります。その際のエピソードが残っており、26歳のビーバーはオロモウツ大司教から、クロムニェジーシュ宮廷楽団のためのヴァイオリンを仕入れるようオーストリア、アプサムの名工ヤコプ・シュタイナーの元へ遣わされました。ビーバーはその機に乗じてザルツブルク宮廷楽団へ就職してしまったらしく、その時のお詫びの気持ちから、その後1676年にオロモウツ大司教に許されるまで、多くの作品をクロムジェニーシュに送り続けたそうです。

 ビーバーは40歳の時ザルツブルク宮廷楽長となり、終生その地位にありました。

 レクイエムとはラテン語で「安息を」という意味で、カトリック教会における、死者のためのミサ曲のことをさします。グレゴリオ聖歌を源として、ほぼ構成や通常文が決まっていて、14世紀頃から多くの

作曲家がレクイエムを作っています。レクイエムの冒頭部分は「Requiem aeternam dona eis, Domine.」主よ、永遠の休息を彼らに与えたまえ、と亡くなった人の罪を軽減し、安らかに眠れるようにと神に祈るための楽曲になっています。

  今日演奏するビーバーの「15声のレクイエム」は1687年枢機卿大司教マクシミリアンの死に際して作曲された可能性は高いのですが、タイトルページには1690年カイザー・レオポルド1世と書かれており、正確な事はわかりませんが、この頃の、4つのギャラリーを持つザルツブルク大聖堂のものとされる絵が残っています。(表紙絵) この大聖堂には4台もの大オルガンがあり、ビーバーはなんと53声とオルガン4台のためのミサも書いています。

  ザルツブルク大聖堂は1598年から8度もの火事、そして空襲をも受けたためビーバーがこのレクイエム を作った頃のオルガンの状況はどうなっていたのかは、よくわかっていません。しかし、ピッチから言えば、ビーバーの死の翌年(1705年)に建造されたオルガンのピッチがA=約454Hzでありまたビーバーが多用していた木管楽器からも高いピッチであったことがうかがえます。(「A History of  Performing Pitch」Bruce Haynes著)「木管楽器」とは直接的にはオーボエのことですが、ビーバーと関係のあったニュルンベルクやミュンヘンの木管楽器製作者のオーボエのピッチも、オルガンのそれと同じだったということでした。ザルツブルクの、他の教会で同時期に作られたオルガンも大聖堂のそれと同じピッチだったという記録があります。

   また、調律法についてですが、当時のオルガンの調律法の情報は正確には得られていませんが、ヴェルクマイスターの調律法の著作が出たのが1680年代で、それが浸透する前のヨーロッパ各地のオルガンの調律法は、まだミーントーン主体、またはその変化形だったのでは、と考えられます。本日はそれらを鑑み、ミーントーン調律による、高めの調で演奏いたします。



今回のプロジェクトの目的


  今回なぜ、本来声楽歌われるべきレクイエム を、敢えて器楽のみでやるのか?という理由は・・・・

   本来、音楽の源は「歌」です。しかし時代と共に機能的に優秀な楽器が出現し、鳴りやすく大きな音が出せるように変化して来ると、今度は本来一番大切なはずの「歌」がおろそかになりがちに・・・・我々は音楽の原点「歌」を最も大切にしつつ、器楽ならではの

多種多様なタンギングや装飾などを使った表現により、新たな切り口から「歌」の世界に挑戦して行きたいと考えています。古楽本来のスピリッツを現代に生かした演奏を目指す事こそ、今を生きる我々の使命だから!

楽器の解説

コルネット




ナチュラルトランペット




サクバット



アンドレア・インギッシャーノ (Andrea Inghisciano)  コルネット



2016年インギッシャーノ氏来日時宴会での名演(秘蔵品)





アナイス・チェン( Anaïs Chen)  バロックヴァイオリン


アナイスとアジアちゃん



シルケ・グウェンドリン・シュルツェ (Silke Gwendolyn Schulze)   ドゥルツィアン




杉村 智大  (すぎむら ともひろ)    ナチュラルトランペット





斎藤 秀範 (さいとう ひでのり)ナチュラルトランペット





能登 伊津子 (のと いつこ)   オルガン





宮下 宣子(みやしたのぶこ)  サクバット     




古楽金管アンサンブル「ANGELICO」アンジェリコ

  コルネット 池田 修 上倉 武

 サクバット 宮下宣子 小倉史生   生稲加奈代 生稲雅威 原田春香          山田秀二