核兵器は、抑止力です。
強力ですが、使ったらアウトです。
核保有国や核の傘下にある国に対して使ったら、報復核で北朝鮮のような狭い国では即死するからです。
では、実際には核は使えない事になる?
そうではないでしょう。米軍が攻めてきたら使うぞ!という自衛込みの脅しはできます。
しかし、論法が変わると、この抑止力が効果を持たなくなります。
それは、「米国を攻撃してやる!」という手を北朝鮮が先に見せた時です。
その場合、米国側は、核を撃たれる事を前提に戦略を組み立ててしまいます。
どうせそのうち撃たれる、、、のであるのなら、こっちが撃たれても良いので、確実に相手の息の根を止めよう! となってしまうのは当然です。
この場合、抑止力はもう機能しません。
現在はこの状態ではありませんが、
米国がこの状態の応用を戦略的に作ろうとしているのではないか、と疑っています。
それは何か?
北朝鮮の核抑止力の無視、、という戦略です。
本日の時事通信社の記事にこんな事が書かれていました。
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金委員長は訓練の「成功」を高く評価し、「『火星12』の戦力化が実現した」と述べるとともに、核戦力の完成について「今はその終着点にほぼ達した」と主張した。「核弾頭の実戦配備」にも言及し、軍事的選択肢を示唆するトランプ米政権を強くけん制した。
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賢い人ならば、これも北朝鮮にとってリスキーであり、大失策に成り得ると気付いているでしょう。
なぜならば、、もうウンザリしていて、核兵器が完成しても、「グアムに届く?あっそ、、。」という状態だからです。
さらに、”完成”と宣言する事すら嘘臭さいっぱいである。
「完成したぞ!何かあったら撃つぞ!」と北が宣言した後で、
もし、米国陣営が、強力な制裁を止めない場合、
もし、米軍が大艦隊を派遣して、圧力をかけてきた場合、
「あっそ。今、お前をやっつける会議中なので、要件は後にしろ。」という、、、
つまり、無視と言う形で、抑止力は無効化されたことになります。
「やってやるぞ!撃つからな、撃つからな、、」という脅しは、
本気でそれをやれない人間が発してはいけないし、
やってしまった場合に大負けしかないのであれば、発してはいけないのです。
米国が、「もうどうでもいい、お前を殺す!」となったら、核に何の意味があるのか?
抑止力の無視、、、という戦略を米国側が用いてこのまま進めれば、
どう足掻いても北単独では生き残りの芽はなくなる。
その場合、完全に中露軍を巻き込むという事で対処するしかない。
日本とインドと英国が準同盟のようになってきて、中国が動けば、
米日英印豪+仏越という参戦状況が見えてきた今、中国にそれができるのか?
愚かだから、事態の深刻さに気付いた場合、
巧妙に矛先を日韓に変じるという姑息な手で逃げようとするのかもしれない、、、。
核があることが重要なのではなく、
抑止力として機能させることが重要で、
手順を間違えれば、抑止力は機能しないのです。
こうなると、私は思う。
金王朝にとって、最善の生き残り戦略は、周辺大国に対して、過剰な脅威にならない事ではなかったか、、、。