2016年7月7日から14日にかけて、お母さんはイタリア旅行に行ってきました。訪れた都市は、ローマヴェネチアナポリフィレンツェです。
 86歳でも車椅子でイタリア旅行ができるのだという実例を、掲載しておきます。参考になるかと思いますので。
 
■ 1日目:7月7日 ■
日付が変わって間もない深夜1時に、車で家を出発しました。深夜ですから一般道だけで羽田空港近くの駐車場に向かいます。
5月中旬に、この旅行の航空券とホテルを予約した際、「つばさパーキング」にも8日間8千円で予約済です。羽田に戻る帰りの時間も午後8時頃なので、往復2人分の交通費や移動の労力を考え合わせれば格安です。
予定通り5時に「つばさパーキング」に着きました。朝早い飛行機に乗るためにこの駐車場を利用する4組の皆さんとマイクロバスに分乗して羽田空港に向かいます。15分ほどで空港に着きました。
フライト時間の丁度2時間前に着き、チェックインを完了しました。空港内は広いので、折り畳みの車椅子は、搭乗口で渡すことにしてもらい、1時間ほど羽田空港内をウロウロしてみました。新しくなった羽田空港を使うのは、貢一もお母さんも初めてです。
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写真の日本橋と書かれた橋は、出発ゲートの上階にある施設です。そこからスカイデッキにも出てみましたが、ものすごく蒸し暑く、また逆光だったので早々に建物内に戻ってきました。
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今回利用するのは中国国際航空の飛行機です。イタリア行きの最安値価格を提示していたので、中国国際航空を利用することにしました。
2人分の北京乗換えローマ行きの往復価格が13万6千円程です。3年前、貢一が一人でスペインに行った時は、1人で往復14万円でしたから、これはトテツモナイ安値です。
出発2週間前の6月24日に英国のEU離脱か存続かを問う国民投票があり、離脱という結果から1€=125円が115円と円高に振れたので、この時まで両替しなかったのは正解でした。
日本円で12万円程を1030€に両替しました。
帰って来た時点で550€ 残っていましたから、8日間の旅行中に食費や入場料として使ったのは6万円程だったことになります。
 
144番の搭乗口から機内に乗込みます。乗客は日本観光していた中国の皆さんが殆どです。席の周辺に日本人は一人もいませんでした。
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機内食が出発する国で作られるのは言うまでもありませんが、日本と中国では物価が違います。物価の高い日本では、この程度の機内食になってしまうようです。
 
【北京空港】
4時間ほどで北京空港に着きました。
羽田で車椅子利用者であることが事前に連絡されていたようで、空港内の車椅子移動サービス・スタッフが来てくれていました。一般の旅行者が通る通路とは違ったルートを通って乗り継ぎのゲートに着きました
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その途中で、この男性サービススタッフは、片言の英語で「私はあなたのために労力をはらっている。チップをください」と言いました。手持ちの最小紙幣は10€しかなかったので、これを渡すしかありません。10€は日本円で1150円ですが、中国人の生活物価でいえば日本人にとっての1万円程になりますから、すごい収入だったはずです。事実、その後の搭乗時まで、特別扱いで機内に運び込んでくれました。
最初から乗り継ぎ時間は3時間あったので空港内を少し歩いてみました。いかにも中国的な庭園風施設がありました。池の周辺からは、水蒸気を噴き出す演出がされていました。しかしながら、長時間座って楽しめるような施設ではありません。
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北京空港内の自動販売機はすべて中国元しか使えなかったので、この時、以前使って残っていた中国元を持ってこなかったことを残念に思っていました。
幸か不幸か、この日は、出発時間が1時間20分も遅れました。なので、搭乗口でお昼のお弁当が配られました。いかにも中国的な香りがする焼肉と茹でキャベツとミートボールと、おいしくないご飯のお弁当でした。
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乗り継ぎ時の出発遅延と、それによる搭乗口でのお弁当のサービスという体験は初めてのことでしたから、遅延の時間待ちをそれほど苦痛に感じることはありませんでした。
ところで、お弁当の食べ残しを、ゴミ箱の外へ平気で散らかしてゆくのは、いかにも中国人的です。
また、待合の座席でも、周辺への配慮はなく、iPadで自分の好きな音楽を高音量で流したりで、完全にやりたい放題です。
これが普通の中国人のやり方であることは百も承知ですが、さすがに耐えかねたので遠くの席に移動しました。
 北京からローマまでの飛行時間は15時間です。この間2回の機内食サービスがありますから、この日は、朝から4回の食事にありついたことになります。
 
【ローマ・フィウミチーノ空港】
 予定時刻より1時間ほど遅れてローマのフィウミチーノ空港に着きました。貢一が30年前に来たときはレオナルド・ダ・ヴィンチ空港と言っていましたが、近年はフィウミチーノ空港と言うようです。
 ここでも車椅子移動サービス・スタッフのお兄ちゃんが来てくれました。預け荷物1つと車椅子を受け取り、タクシー乗り場まで送ってくれました。イタリア人は中国人のようにチップの要求はしませんが、用意しておいた500円硬貨をチップとして渡しました。
 本当は空港からバスと地下鉄と電車を乗り継いで、予約してあったホテルに行く予定だったのですが、飛行機が遅延したのでタクシーにしました。
 タクシーは、トヨタのハイブリッドでした。乗る時に気づかなかったのですが、ドライバーさんが、聞いてもいないのに「ディス イズ トヨタ」と教えてくれました。「イタリアは何回目か」とも聞いて来たので、「自分は2回目、ママは初めて」と答えました。外国のタクシードライバーは、稼ぐために遠回りをすることがあります。嘘でもいいから「初めて」というべきではありません。
 また、グーグルマップを見て、ホテルと空港の位置関係と、おおよその距離は分かっていたので、「ここ、右ですね」と先んじて言いました。黙っていれば明らかに遠回りをしそうな車線を走っていたからです。空港から20分ほどで着きました。それでも35€です。でも、時間と労力の節約ができたことを考えれば十分な結果でした。ドラーバーのお兄ちゃんに笑顔で「グラッツィエ」と言いました。
ホテルに着いたのは8時半頃でしたが、イタリアはこの季節、夏時間(時差は7時間。冬時間の時差は8時間)を採用しているので、まだ日没前でした。
 
【キャンピング・ビレッジ】
キャンプ村という名前のホテルです。その名のとおり、400棟近いバンガロー、キャンピングカーの駐車兼宿泊区域、プール、バー、レストランなどがある日本では見られないホテルです。
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 このホテル利用者のほとんどは欧米人でした。チェックインの時に赤ちゃんを連れた韓国人夫婦に会いましたが、ホテルの敷地内で東洋人に会ったのは、この時が最初で最後でした。
 チェックイン時に税金等として20€を要求されましたが、日本でインターネットで予約した宿泊料金は2人6泊で、僅かに2万5千円ほどです。1人1泊2100円程度ですから爆安です。
 ドミトリー(2段ベッドの相部屋)でさえ、どこでも2000円程度はしますから、「洗面所とトイレとシャワーとベッドさえあれば十分」と思っている貢一とお母さんにとっては、何の文句もない選択でした。
 指定されたバンガローの番号は226番。予約後に、「長距離を歩くことができない85歳の母親と行くので、なるべく近くのバンガローにしてください」とメールをしておいたので、ほぼ意向どおりのバンガローにしてくれたようです。
 ただ、部屋に入ったらエアコンがつかなかったので、「エアコンディショナー ダズント ワーク」と伝えて、保安スタッフが来てくれるまで10分ほど待ちました
エアコンは日本製ではありませんでしたから、イタリア人と同様におしゃべりでいろんな音を始終出していましたが、その点はまあ、冷房機能さえ満たしていれば文句を言う筋ではありません。
 このキャンプ村の道の反対側に大きなスーパーマーケットがあることは分かっていたので、行って見ました。ところが、9時で閉店していました。
なのでこの日は、キャンプ村内にあるバーで、1.5リットルの水(2€)とピザ(7€)を買って食べて終わりです。
 キャンプ村のバーには、大きな液晶パネルのテレビがあり、世界中からこのキャンプ村に来ていた若者たちが集まってお酒を飲みながらサッカーの試合を見ていました。この日やっていたのは、ヨーロッパ・カップのフランスvsドイツ戦です。
 このような場面は、いかにも外国に来た気分になれて最高だったのですが、お母さんがこのような場所に居たがるわけはありませんし、夕食はまだでしたから、注文したピザが焼けるのを待ってすぐにバンガローに戻り、これを食べてオネンネです。
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