イタリアの旅 (その6) より
■ 7日目:7月13日 ■
今日は、帰る日ですが、20:55の便なので、まだ観光する時間はたくさんあります。
昨夜の残りの朝食を食べ、ホテルのチェックアウトを済ませ、スーツケースをテルミニ駅に預けに行きます。
【テルミニ駅のデポジット・ラゲッジ(荷物預かり)】
テルミニ駅には、日本のようにコインロッカーはありません。受付けは人間対応で、コンピュータ制御のシステム化された自動格納装置になっていましたが、預けるまでに行列に並んだ時間はなんと30分。
しかも預け料金はたった一個で12€(1,400円)というドン引きに近い高額でしたから呆れます。
受取時に行列待ちはありませんでしたが、自動格納装置から荷物が出てくるまで5分という馬鹿げた代物でした。
他にデポジット・ラゲッジ(荷物預け)できる場所はなく、選択肢はなかったので、しかたがありません。
気持ちを切り替えつつ、テルミニ駅(左)から、噴水のある円形のバルベリーニ広場(中央と右)の方へ向かって歩いて行くと、赤い車体の2階建てオーブンデッキの市内観光バスが停まっていたので、その場で1日乗車券(10€)を買い、乗ることにしました。
最初は1階に乗っていたのですが、途中から2階に上がりました。
やはり、高い所から見たほうが、市内の状況はよくわかります。
この時、バスの上から撮影した動画5本をアップロードしました。
【徒歩観光】
市内を一周して観光バスの出発地点に戻ってきたところで、ガイドブックにあったオペラザ近くの中華料理店で、ローマ最後の昼ご飯を食べようと思って歩き出しました。ところが、閉店してしまっていたのか、通りを一つ間違えていたのか、目当てのお店が見つかりませんでした。
「あれぇ~」と思いながらウロウロしていたらマニャ・ナポリ広場に出てしまいました。やむを得ず、この広場の階段上部にあった、女の子が好みそうなスイーツ店でアイスクリームの昼食です。
今回のイタリア旅行では、ついに一回もまともなレストランで食事をすることなく、終わることになりました。貢一のひとり旅なら、いつだって当然こんなもんですが、お母さんは呆れていたかもしれません。
【フォロ・トライアーノ】
マニャ・ナポリ広場の階段を下りてゆくと、フォロ・トライアーノという広場(フォロは広場の意)の遺跡群がありました。ここは、最初の日に来たベネチア広場の東側にあたります。
この付近には、古代ローマ人の格好をして観光客と記念写真を撮って撮影料金を要求する人たちがたくさんいます。記念にお母さんと3枚撮りました。
「3枚だから30€」と言ったのですが、「ユー・アー・ジョーキング」と言いながら、財布に溜まっていた小銭硬貨を一握り渡しました。1€硬貨は2枚しかありませんでしたからせいぜい4€ほどしかなかったはずです。でも、笑顔でOKでした。
ここで、日本人のオバちゃんが「日本の方ですか?」と話しかけてきました。今自分がどこにいるのか分らなくなってしまったようでした。「ここはヴェネチア広場の東側ですよ」と言っているのに、「スペイン広場ですね」とオカシナことを言っていました。ちょっとしたひとりパニック状態だったようです。結局、もと来た地下鉄のコロッセオ駅の方に戻ってゆきました。
こちらも、早めにテルミニ駅に戻ることにします。スーツケースを預けた時のイタリアの不手際極まりないサービス状態から、そう簡単には出てこないだろうと心配だったからです。
【この旅で買った唯一の “物” のお土産】
再び赤い2階建ての市内観光バスに乗って、テルミニ駅に戻る途中、サンタンジェロ橋の袂で停車した5分ほどの間に、黒人の物売りのお兄さんから「風変わりな木製の折り畳み菓子鉢」を15€で買いました。25と言ったので10と言い15で決着したのです。これってローマ的なお土産ではありませんが、何も買っていなかったので、ここでこれを買ってしまいました。
テルミニ駅地下1階の何度も利用したスーパーで、ヨーグルトと簡単な夕食と、お母さんのお土産として、お母さんが好きなチョコレート10個と、お菓子を買いました。
そして、地上の24番ホーム付近にある荷物預かり所でスーツケースを受け取り、それらを詰め、空港に向かうバスの発着所に並びました。
【空港行きバス】
行き先表示が見えないほど狭い間隔の縦列駐車で止まっているバスの中に、空港行らしい2台の同じバスが止まっていました。フィウミチーノ空港行きと、シャンピーノ空港行きだったのですが、その表示は何もありませんでした。並んでいた列は目的と違ったシャンピーノ行きで、フィウミチーノ行の列に並び変えたら、4人残して満席になり出発してしまい、結局次のバスまで30分待つことになりました。
喋りまくって客をさばいていた係員は、全ての乗客に行き先を確認していましたが、行き先表示のボードをそれぞれのバスの前に立てさえすれば、そんな苦労はしなくて済むでしょう。間が抜けているというか、外国人観光客にとっては、煩いだけの、単なる間抜けで悪質なサービスというだけです。
電車で行こうかとも思いましたが、車椅子とスーツケースを引っ張っての移動は面倒です。また電車は10€、バスは3.9€であることが分かっていましたから、ウンザリしつつも30分待つことにしました。
【フィウミチーノ空港】
乗車時間50分で空港に着きました。丁度フライト時間の2時間前です。
中国国際航空の出発は5番ターミナルなので、空港内リムジンに乗ってそこに行ったら、そこで係員に「行き先は?」と聞かれ、「チャイナ」と答えたら、「3番ターミナルに変更になった」と言われました。こういうことがありうるので、帰国する時は時間に余裕をもって行動すべきです。
再び空港内リムジンで3番ターミナルに戻り、チェックインを完了しました。その際、中国人男性職員が、「空港内の移動サービスを手配するから5分待って下さい」と言いました。しかし10分待っても移動サービス・スタッフは一向に来なかったので、勝手に移動を始めました。
荷物検査時に、飲食物は没収されてしまいますから、ベンチに座って、先にヨーグルトやジュースを食べてしまいました。
車椅子は荷物検査と同時に行われるX線検査装置の中を取れませんから、お母さんは直接ボディーチェックです。この時、女性係員によって、全身を手でさすられたお母さんは、大きな声でゲラゲラ笑いだしたので、担当していた女性係員のみならず周辺にいた全員が笑い出してしまいました。なんともおめでたい光景に、こっちまで失笑です。
搭乗口で車椅子を預け、機内に乗り込みました。
予定時刻より20分ほど遅れて飛び立ちました。北京までおよそ15時間のフライトです。
1回目の機内食を食べ、眠っている間に、日付が変わります。
イタリアの旅 (その8)へ続く。