香川照之さんによる性加害者の問題とその対応について! | 細木信宏の良い映画を観よう!

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フィルムスクール卒業後、テレビ東京の番組「モーニングサテライト」のニューヨーク支局を経て、アメリカ国内枠で数々の映画を取材し、シネマトゥデイ 、映画.com、リアルサウンドに寄稿。自身の英語の映画サイト、https://cinemadailyus.comも立ち上げた。

 

長年、アメリカに住み、記者としてハーヴェイ・ワインスタインに関する記事も英語で書いてきたからかもしれませんが、香川照之さんによる性加害者の問題とその対応について、個人的に思ったことを書きたいと思います。

 

既に彼が出演していたCMや情報番組などでの司会は降板させられたようですが、今のところ、彼が出演するNHKの昆虫番組と民放のドラマは降板させられていないとのこと。正直、受信料を受けて放映しているはずのNHKならば、過去のことで謝罪しているし、番組も面白いから、OKにしていることが僕には理解できません。民放のドラマもスポンサーがあってこそドラマが作れるわけで、スタッフや共演者には責任はないから、ストーリーが成立しなくなるから、面白いから、残り数話しかないからと忖度して、放送しても良しとしている判断がよく理解できません。

 

そういうところで、忖度しているから、こういうことが起こるし、現場で性的な被害に遭った女優が声が上げられない状況下が出来上がっているのではないのでしょうか?むしろ、性的加害者が出たときは、一発アウトにすることで、ドラマをやっている人たちが連帯責任を負うことで、逆に今後は絶対にそういうことができない環境下にした方が、今後そういうことを産まない抑止力になる気がするのですが、これは机上の空論なのでしょうか?例えば、少し前にある芸人が反社の営業とは知らずに参加して、結局、その芸人さんは番組を降板し、地上波の番組に出演しなくなりましたが、今回のケースは性加害者だったが、過去のことで謝罪しているからOKというのは、どこか矛盾している気がします。それに、同番組を放映する会社側の立場としても、今後の将来を見据えたスポンサーとのやり取りをするうえで、このスタンスのままで良いのでしょうか?

 

僕自身もTV業界で仕事し、映画でも仕事をしてきて、番組や映画の制作がどれだけ大変なのか理解していますし、決して放送を簡単に中止しろと言っているわけでなく、TV業界のスタンスがこのままでは本当に視聴者が離れていくのではないのでしょうか?