2014年5月14日(水)に経済産業委員会にて質疑をいたしましたので、私の質疑部分についての議事速報と動画をアップさせていただきます。


ぜひご覧になってくださいませ。







平成26 年5 月14 日 衆議院経済産業委員会速記録(議事速報)





○富田委員長 次に、伊東信久君。





○伊東(信)委員 日本維新の会の伊東信久です。よろしくお願いいたします。電事法の改正についての質疑をさせていただくわけなんですけれども、先ほどの木下議員から前振りというか御紹介もいただいたんですけれども。私は立場的に、日本維新の会の人間ですので、我々が負託を受けましたさきの衆議院選挙の維新の会の公約において、二〇三〇年の原子力発電所のフェードアウトであったりとか、日本維新の会の中でもエネルギー調査委員会をつくっておりまして、その中の私の担当が新エネルギー、再生可能エネルギーの小委員長でありまして、その調査を進めていっているところでございます。一方で、科学に携わる者として、原子力エネルギーの科学的な平和利用、平和応用ということに関しても知見があったつもりでございます。その中で、いたずらに風評被害、風評をあおるような、もしくは、さも科学的に正しいかのような、そういった報道というのはやはりちょっと残念に思うというよりも、正直、怒りを覚えるところもありましたので、今回、ちょっとこの小学館のビッグコミックスピリッツ連載の「美味しんぼ」についての御意見といいましょうか、果たして正しいのか正しくないのか、言えるところまでは言っていこうというのが私のスタンスですので、御質問をさせていただきたいと思います。まずは、気になるところ、やはり鼻出血、鼻血のことなんですけれども、主人公が福島の方を視察している、いろいろ調査しているときに鼻血が起こったということなんです。出血というのは赤のイメージが強いのか、はたまた、生物が守るべき生命の維持に対してなのか、出血に対して、やはりかなりのインパクトを覚えるところがございます。私は、医療に関してのいろいろな経歴があるんですけれども、救急医をやっておりまして、かつ、今、常々言っていますけれども、椎間板ヘルニアのレーザー治療をやっていまして、レーザーに関しては、レーシック以外はほとんどやったことがございまして、例えば、アレルギー性鼻炎の炭酸ガスによる治療であったりとか、扁桃腺のレーザーによる切除であったりとか、耳鼻科のこともやっておりました。かなり鼻出血に関しては知見がございます。何が問題かというと、このコミックの中で水分子のことを書いておりまして、鼻の粘膜や毛細血管の細胞は七、八〇%は水でできていますと書いておりまして、それはそうだと。水分子は、放射線で切断されて、強いラジカルと呼ばれるものになると書いてあるんですね。H2O、水ですよね。ふだんは、HプラスというイオンとOHというマイナスになる。電子が移動するからですね。移動せずに原子の形になって、水素原子のまま、OH原子のままに分かれてしまうのがラジカルという言葉なんですね。これは、かなり強い放射線のエネルギーによってなるわけなんです。もっと読み進めていくと、これが戻ったとき、オキシフルとして消毒薬に使われると書いていますけれども、過酸化水素分子になることがある、しかも、毒性が強いと書いてあるんですよね。これはオキシフルとか書いていますけれども、皆さんも使われたことがあると思うんですけれども、消毒薬で使うオキシドールなんですね。けがをしたときに、私が子供のときは赤チンというのがあったんですけれども、ヨードチンキになって、イソジンになったわけなんですけれども、それ以外にオキシドールというのがあって、しゅわっと泡が立つものです。扁桃腺の話をしましたけれども、扁桃腺をレーザーを使わずに切除した瞬間に、そのオキシフル、オキシドールをしみ込ませた脱脂綿を切除したところに当てるんですね。そうすると、泡がしゅわっと立って、その細かい泡が止血する、そういった応用として私は使っておりました。つまり、実際に血管の中にというか、血管に触れるようにそのオキシフルを使っていたわけです。つまりは、このラジカルが血液中に存在したら、それは即座に、過酸化水素水になったら、酸化還元反応によってまた泡が出てきて、酸素と水に戻るわけなんですよ。にもかかわらず、このことによって血管が破れて鼻出血が起こったような、鼻血が起こったような書き方をこのコミックはしております。私は、いろいろな新聞の報道を見たりとかテレビの報道を見たりしましたけれども、このことについて触れている報道、新聞はわずかでありまして、たしか一社かそれぐらいしか見当たらなかったんですけれども、この現象は、つまり、ラジカル反応は、体の中で自然に起こることもある、これも事実なんですよね。だけれども、実際、このことによって鼻出血が起こったと。このラジカル反応は何で起こったかというと放射線によって起こったというような書き方をしているんですけれども、これについての科学的な検証とか反論とか、つまり科学的な検証というのは、政府はやられておりますか。





○加藤政府参考人 お答え申し上げます。環境省さんでも、これは県の調査などをもとに、こういうものがどの程度行われているかということについては状況把握に努めておられます。また、国連のUNSCEAR、これが、東日本大震災の被災に伴いまして、確定的な影響というものが住民に対して起こっているかということにつきましては、確定的な影響が生じていないということで専門家の御評価をいただいているところでございますので、そういった科学的見地に基づきましたいろいろな御評価を、私どもとしてもしっかりと掌握しながら対応していくことが肝要ではないかと考えているところでございます。





○伊東(信)委員 ここはやはり、政府として毅然とした態度を見せていただきたいわけなんですね。オキシフルの話、ラジカルの話は、本当はできるだけ短くいきたいわけなんです。つまりは、科学的な見地に基づいて、それはわかります。今、環境省であっても、各省庁においても、政府においても専門家の意見を聞くというのはわかりますけれども、こういったことを堂々と載っけているのであれば、科学的に言いますと、それに対しての反論が必要なんですけれども、この、ラジカル、過酸化水素水による血管の破綻というのを、現在、調べているのか、調べていないのか、もしくは知見として出ているのか、もしくは、このこと、このラジカルだけでいいです、ラジカルと放射線の影響について調べているのかどうかという質問です。





○加藤政府参考人 放射線によりまして住民に影響が出る場合に、まず確定的に影響が出るかどうかということをしっかり理解した上で、その状況に応じた対応というのをとることが必要かというふうに考えてございます。ただいまの福島県の方々の被曝量というものを考えます場合に、恐らく確定的な影響が出るであろうという閾値を超えた状況ではないということでございますので、まずは健康の状況等につきましてしっかりと把握をしながら、必要に応じた対応をさらに考えていくということ、現状ではそのようなことではないかと考えております。





○伊東(信)委員 恐らく、このことに関して検証はしていない、そういう御答弁だと思うんですけれども、それはそれでいいです。言ったら、一つの漫画のことに関して、正しいかどうかわからないことに関して、そこまで踏み込むのかというような、そういう意味だと解釈しました。ただ、これに対しての反論はやはりすべきだと思います。なぜかといいますと、いろいろな反論、いろいろな意見、いろいろないわゆる世間の対応というのをこれから紹介していくつもりなんですけれども、この作者なり出版社は、十九日にさらにこの話を載せる、いろいろな意見を集約して載せると書いてあるんですけれども、こういった、十二日に発売されたこの号、そして五日に発売された号、これを見る限り、恐らく、十九日もやはり、独自の調査で独自の知見で書かれる可能性が高く、先ほど木下議員が質疑の中で説明していましたけれども、これを、例えば次の媒体、テレビであるとか新聞報道をされた場合、メディアのニュートラルな中立性という名のもとに対立意見も載っける、公平に載っけるということで出された場合、さも正しいかのような、そういった議論もされてしまうわけです。その前に政府としてきちっとした態度をとっていただきたいということです。さまざまなこれに対する報道、先ほどの答弁の中でも出ていましたけれども、住民の中でも、一Fで働く作業員で、大体住民の被曝線量で大半が十ミリシーベルト以下、もしくはその前後であろう。放射線障害による出血の最大の原因というのは、血が固まりにくくなる、出血がしやすくなる血液の成分というのは血小板であるんですね、この血小板が減少するということです。例えば悪性腫瘍、がんとかで放射線治療をしているときのいわゆる合併症、ふだんは副作用というんですけれども、それで血小板が減少する、パンサイトペニアといいまして、赤血球も白血球も全部減っちゃうわけなんですけれども、血小板が減るので、リスクが上昇するのは大体一千ミリシーベルト以上と言われているんですけれども、いやいや、そうではなくて慢性も怖いのよということをこの漫画は言いたいのかもしれませんけれども。お手元の資料に、再三言っていますけれども、私はふだんはレーザー治療でレントゲンのもとで手術をしていますので、外部被曝の線量測定個人報告書と私自身の検査結果を出しましたけれども、余りうれしくない話ですけれども、実効の等価線量として、今までの累計として二〇〇六年から二十二・一ミリシーベルト浴びております。単年度では一・二から七・九、水晶体とか、目の部分とか、今でこそゴーグルをしていますけれども、昔はゴーグルがなかった時代もありましたので、割かし医療従事者の方では、放射線技師に対抗して、もしくはそれ以上に、外部被曝線量というのはお示しのとおりです。その中で、この検査結果を見ていただいたらわかるんですけれども、私は、一九六四年一月四日生まれ、五十歳ですけれども、非常に健康なんですね。どの検査結果を見ても、肝臓の機能もいいですし、腎臓の機能もいいですし……(発言する者あり)ありがとうございます。結構飲むんですけれども、でも大丈夫なんですよ。赤血球も白血球も、ヘモグロビンもそうなんですけれども、血小板の数も正常値なのでありますね。ましてや、国会議員ラグビーチームのキャプテンもやっておりまして、非常に元気なんですよ。福島の方も何回も行かせていただきまして、これプラスアルファ浴びているわけなんです。ただ、一個人のデータなんですけれども、血小板減少に関して私自身はこのような知見があって、いたずらに風評をあおるようなこの漫画の報道というのはやはり非常に残念というか、それ以上に怒りを感じるものであります。このビッグコミックスピリッツというのは私は結構毎週買っておりまして、この間終わりましたけれども、「ラストイニング」という非常に精神的な駆け引きを展開している野球の漫画であったりとか、ウシジマくんという、ちょっと闇の金融の話とか、「アイアムアヒーロー」という近未来のパンデミックのお話であるとか、非常に味わい深い漫画もある、コミックもある中、かなり残念な感じで、リアルタイムにこれを読んだときはちょっと衝撃を感じました。その中で、一番被害をこうむっているのはやはり福島の住民の皆さんだと思うんですね。この風評被害というのはかなり大きなものであって、福島県の被災の方々の産業とか住民の方々の不安とかに関して、政府としてはいかなる見解なり、いかなる対処をされるつもりでしょうか。





○加藤政府参考人 お答え申し上げます。福島県の風評被害に関しましては、非常に大きな政策課題だというふうに認識しております。特に食品等につきまして、なかなか、特に西日本の方に販路が回復できないということがございますので、そういったものにつきまして、さまざまな展示会をやり、販売促進会をやる、そういうこともやっております。また、工業品に関しましてもそのような可能性がございますので、放射線量をおはかりするような御支援を申し上げるなどして、風評被害が発生しないようにすることが大事だということでございまして、所要の予算措置等を講じまして、引き続き風評被害対策を講じてまいりたいと考えております。





○伊東(信)委員 ありがとうございます。食品の話をされたと思うんですけれども、やはり科学的な話をしたりとか、政治の世界でもそうなんですけれども、区別というのが大事だと思うんですね。つまり、いわゆる電力の政策と原発の話、ここは一つに考えなければいけないとしても、これからの原発の話と福島の復興の話は別なんですね、補償の問題も含めて。一緒に考えるとかなり話がややこしくなるというか、議論が進まない部分もございまして、国民の皆さんの中で一番どなたが被害をこうむっているかというと、これはもう、とりもなおさず福島県の方であるわけなんです。食品の話をされましたけれども、福島原発からのいわゆる廃棄物であったりとか燃料からの直接の放射線とは別に、放射線を含んだ物質、これを体内に取り入れる、中から放射線が出てくる、これを内部被曝と言うわけなんですけれども、内部被曝の問題と外部被曝の問題はやはり区別して考えなければいけないわけですね。この中で、瓦れきの処理の問題もございます。これは区別して考えようというのが我々大阪でありまして、大阪でそれを受け入れて、この災害廃棄物の処理を大阪府、大阪市で行ったわけなんですけれども、この大阪の焼却場の近くに住む住民八百人ほど、お母さんたちが調査した、放射線だけの影響とは断定できませんが、目や呼吸器系の症状が出ていますということなんですね。このことに関して、大阪府、大阪市は、保健センター、医師会を通じて調査をいたしました。作中に表現のある状況はなかったということなんですね。先ほど私が言ったラジカル反応というのは、いわゆる化学反応とか医学的なことでありますけれども、これは調査によってわかることでございます。このことによって大阪も被害をこうむったので、出版社に対して、大阪府知事、大阪市長から抗議文を出しております。このようにして、このコミックの影響というのは、私はやはり無視できないものだと思います。福島県と、加えて大阪に、大阪の住民の皆さんに被害を拡大しているというよりは、そのことによってさらに福島県の皆さんの心情を深く傷つけ、ましてや、産業に対しても影響を及ぼすような表現だと思うんですけれども、この大阪の瓦れきの処理に関して、政府の見解はどのように思われていますか。





○茂木国務大臣 十二日月曜日に、政府としても官房長官が、専門家の見解として、東京電力福島第一原子力発電所の事故の放射線被曝が原因で、住民に鼻血が多発しているとは考えられない、このように国民に向けて説明をしております。同様に、同日、大阪府、大阪市が小学館に抗議文を送付しておりまして、そこの中でも、震災の瓦れきを処理した大阪の焼却場周辺の住民が鼻血などの症状を訴えているという事実はなく、不適切な表現である旨抗議をしている、そのように承知をいたしております。





○伊東(信)委員 ありがとうございます。いずれにしても、血小板が減少しているか否か、つまり、鼻出血を出しているか。仮に出しているのであれば、その方のこういった検査データも、このコミックは果たして出してくれるのだろうかということですね。フリーラジカルの話は、明らかに科学的に理論が破綻しております。私は、言い切ります。そのことを表現の自由と果たして片づけていいのかということです。漫画であるからそこまで規制をするものではないというような御意見もあろうかと思いますけれども、私自身は表現の自由を超えていると思うんです。そのあたりに関しては、いかが御見解をお持ちでしょうか。





○茂木国務大臣 なかなか、医学の専門的なことは伊東先生ほど私は知見がございませんので、答えにくい部分もあるんですが、先ほどの検査結果でも、お酒を飲むのにガンマGTPが十八というのはすごいなと驚愕の念を持ったところであります。それは別といたしましても、やはり、こういったさまざまなコミックであったりとかアニメ、私は、先ほど木下委員の答弁の中でもお話を申し上げましたが、社会的にも影響は大きいんだと思います。例えば、先ほどはちょっとシャブリの話をしたんですけれども、同じ「神の雫」の中で、シャトージスクールという赤ワイン、これが非常にリーズナブルだと。これはボルドーの五級のワインでありますけれども、そう書かれてから急に値段が上がるというか、こういうことで私も若干の被害を受けた一人なんです。さらに、「巨人の星」、これがインドで今アニメでやっておりまして、「スーラジ ザ・ライジングスター」、これは、もともと講談社でありますけれども、やっているわけでありますけれども、基本的には「巨人の星」そのものであります。三つ違います。一つは、この主人公、スーラジでありますけれども、星飛雄馬役になるわけですけれども、野球ではなくて、インドの国民的なスポーツでありますクリケットをやっている。それから、相手役の花形満も出てきますが、日本ではスポーツカーに乗っていましたけれども、インドではちゃんとスズキの車に乗っているということであります。一番の大きな違いは、星一徹、これが、家族、星飛雄馬、そして明子さんの前でちゃぶ台返しをやるんですね。「巨人の星」のときは、御飯というか、テーブルの上にお茶わんとか置いてあるところでちゃぶ台返しをやったんですけれども、やはりインドにおいては食物を粗末にしてはいけないということで、一旦全部片づけた後でちゃぶ台返し、テーブル返しなんですけれども、やると。やはり、そういうコミックというものも、それがどう社会的に影響を及ぼすか、こういう観点も私は重要なんだと思います。





○伊東(信)委員 ありがとうございます。確かに、インドには、ちゃぶ台がないと思うのでテーブルだと思うんですけれども。食生活も違うので、やはりカレーとかそういうのが散乱するとかなり悲惨な状況になると思うので、そのあたりの考慮もあったのではないかなと思うんです。いずれにしても、政府の方針であるところのクール・ジャパンではないですけれども、いわゆる紙媒体による社会的な影響というのは、全く無視のできない状況であります。ですので、やはりコミックであるからといって流すことなく、政府としての厳しい態度を、今後、十九日の次の、まあ、余り言い過ぎると何かかえってこのコミックの宣伝になってしまいますので、この辺が難しいところなんですけれども。ただ、守るべき方はやはり福島の被災者の方という、このスピリットのもとに、スピリッツだからスピリットと言っているわけじゃないですけれども、これは済みません、これは申しわけなかったです、きっちりと守るべきところは守ってほしいのと、政府としての毅然とした態度と、一刻も早くこの科学的検証はしてください。きょう、七問ほど用意していたんですけれども、大分時間を過ごしましたので、できたら次に進みたいと思います。電力システム改革についてお尋ねしたいんですけれども、どうしても三・一一とそれに起因する原発の事故によって、原発の信頼の低下、あとまた、地域をまたぐ供給力の広域的活用対策とか、再生可能エネルギーの問題など、従来の電力システムの問題がさまざま出てきておりまして、電力の安定供給、このことが政府が取り組む大きな課題となっているのは言うまでもないお話でございます。私自身の前回の質疑でも取り上げましたけれども、電力系統全体のシステム統合についてお尋ねしたいんです。現状においてやはり問題になるのは、接続地点の問題。そういった場合、近隣地域における系統の十分な容量の送電を確保するために、増設計画策定などのいわゆる局所的な問題と、また、あと、もう一方では、再生可能エネルギーを導入した、このことを前提とした調整メカニズムを構築するための系統全体の供給バランスと、つまりは、局所的な問題と系統全体のバランスの二面があると思うんですね。どっちも大事だと思うんですけれども、どちらに比重を置くというわけじゃないんですけれども、この二面に関して、政府の対応策というのを示していただきたいと思います。





○上田政府参考人 委員御指摘のとおり、局所的問題と申しますか、特定地域あるいは特定地点をめぐる課題、それから、より広域で解決していくべき課題、この両方があると私どもは考えております。それで、局所的な課題、特定の地域、地点における課題といたしましては、例えば、電源を設置し、設置を検討するという者にとりまして、近くにある送配電設備の送電への可能性についての情報が適切に開示をされるといったこと、あるいは、電源の送配電網へのアクセスが非常に中立性が確保されているといったこと、さらに、送電線の運用や送電線の整備、あるいは運用のルール、こういったものが適切に整備されているといったようなことが考えられております。こういった問題につきましては、電気事業法の第一弾の改正によりまして創設されます、広域的運営推進機関における送配電等の業務指針、こういったルールの設定ということを行っていくわけでございますが、こういったこと、あるいは、第三弾で検討しております、送配電部門の一層の中立化のための電力会社の法的分離などの対策ということが重要であるかと考えております。それから、より幅広い、広域的な問題もございます。例えば、全国レベルで発電所が適切に建設されて、維持、運用されていくか、あるいは、エリアを越えた送電が現在より柔軟に行えるよう広域的な送電線の運用の調整が行えるかどうか、あるいは、エリアをまたぐ送電の可能性について情報が開示されるかどうか、あるいは、必要な地域間連系線の整備が計画的に進むかどうか等々が考えられるわけでございます。これらに対応するためには、広域的運営推進機関が、地域をまたいだ電力融通の指示、あるいは電源や送電線に関する整備、時々の需給状況の管理など、広域的な系統運用を進めていく、それとともに、今回の法案におきましても、安定供給を確保していくための発電、送配電、小売の各事業者に対して、それぞれの義務を課していく、こういったことが重要であると考えております。





○伊東(信)委員 そういった中でも、系統全体の問題に関して、再生可能エネルギーの導入も考えられるわけなんですけれども、さらに、電力の周波数とか電圧を保つための需給を合致させる調整機能を構築するのが大事なわけなんです。東西とか管内をまたがる地域の電力調整を強化するための区間の連系強化とか広域運用の仕組みづくりをするために、前回もお聞きしたと思うんですけれども、ここで私としては周波数の問題に行きたいわけなんですけれども、こういった電力管内をまたがるところの各区間の連系の強化、広域運用のための仕組みづくりの具体策について、もう少し詳しくお話しいただけますか。





○高橋政府参考人 お答え申し上げます。広域的な融通、運営ということでございますけれども、電事法の第一弾の改正におきまして、広域的運営推進機関を設立することになっております。これによりまして、北本連系線などを含め、あるいは周波数変換設備、それから地域間の連系線というような送電インフラを増強するための計画を広域的運営推進機関が取りまとめる。それから、送電網の広域的な運用の調整、例えば風力発電につきまして、風況のよい北海道や東北から大量に発電が可能となっても、エリアで吸収できないということなので、それを東京管内に送る、そういった出力変動の吸収などの調整業務を行うということにしております。また、連系線の強化の具体的な取り進めでございますけれども、まず、周波数変換装置につきましては、二〇二〇年を目途に現在の百二十万から二百十万まで増強をする、それ以降にできるだけ早期に三百万まで増強するということ、それから北本の連系線につきましては、現在の六十万から九十万キロワットまでの増強を早期に実現するということが決まっておりまして、今、これに向けて準備を進めているところでございます。





○伊東(信)委員 御答弁の中で周波数の問題が出てきたと思うんですけれども、政治というのは、ことしはことしの政策がございまして、五年後、十年後のロードマップもございまして、だけれども、やはり大事なことは未来への責任ということなんです。原発政策もそうなんですけれども、電力の自由化に関して、来年以降の送配電の法的分離とかいうところでかなり期待はできると思うんですけれども、やはり周波数に関して、わかります、そのシステムを変えていく中でかなりのコストがかかっていくのは。しかしながら、やはり、目指すべきものはというよりも理想は周波数の統一だと私は思うんですけれども、そのあたり、政府の見解を聞かせてください。





○上田政府参考人 御存じのとおり、日本は、現在、五十ヘルツと六十ヘルツに分かれているわけでございまして、この周波数をむしろ統一すべきでないかという議論は過去から多々ございました。私どもも、総合資源エネルギー調査会のもとに研究会を設置いたしまして、このコストあるいは実現性を、可能性を含めて検討したことがございます。そこでは、一つ、やはりコストの問題が大きゅうございまして、例えば、電気事業者の設備を交換するのに約十兆円かかるということに試算がされております。それから、電気事業者のみならず、需要家方、これは交流でございますので、自家用の発電機あるいはモーターといった工場等で使用する設備の取りかえに非常にコストがかかる、それからその期間は操業停止になる、そういった問題をどうするか。さまざまな課題があるということで、むしろ周波数変換装置を増強するということがより的確であり、周波数の統一については、さらなる検証、さらなる検討が必要であるというのがそのときの結論でございました。





○伊東(信)委員 どうしてもコストの話になると思いますし、御質問してもそういった答弁になるのはわかるんですけれども、ただ、五年後、十年後を超えて、未来への責任という点においても、そういったいろいろな可能性の部分に関しては検討いただきたいということと、あと、重ねて、福島の方、被災者の方の心情を考えるに当たり、このコミックの問題も、科学的な検証も含め、調査も含め、早急なる対処をお願いすることで、私の質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。