2014年4月9日(水)に科学技術特別委員会にて質疑をいたしましたので、私の質疑部分についての議事速報と動画をアップさせていただきます。


ぜひご覧になってくださいませ。







平成26 年4 月9 日 衆議院経済産業委員会速記録(議事速報)




○富田委員長 次に、伊東信久君。




○伊東(信)委員 日本維新の会の伊東でございます。本日、原子力損害賠償支援機構法、そのままフルで読ませていただきましたけれども、この一部を改正する法律案に関して御質問をさせていただきます。さて、先ほど原子力損害賠償支援機構法と読みましたけれども、今回、法目的の追加といたしまして、廃炉などの適正かつ着実な実施を追加ということでございます。廃炉というのは、核燃料の冷却、取り出し、加えて汚染水の処理というのもございます。本法案は、廃炉に関して技術的側面から対応策を講じるというのも追加されておりまして、事故対策というのは、言うまでもなく、午前中からの質疑にもございましたように、経済的側面と技術的側面と両建てでやっていかなければいけないんですけれども、国民が願っているのは、廃炉・汚染水対策、そして賠償や除染について、国と東京電力、支援していくというのはわかるんですけれども、でも、まずは役割分担を明確にして、何よりも迅速な対応ということです。迅速という言葉もどうかと思うほど、三・一一から年月はたっているのですけれども、まずは、大臣、現時点で率直に、復興の現状を見てどのようにお考えになっておられるか、お聞かせ願えればと思います。




○茂木国務大臣 福島そして被災地の復興、まだまだ道半ばだと考えております。現実に、大変厳しい避難生活を余儀なくされている方はたくさんいらっしゃるわけでありまして、そういった方々がもとの生活に戻れるような状況を一日も早くつくる、こういったことが必要であると思っております。もちろん進んでいる部分も出てきておりまして、今月の一日には、田村市で避難指示区域としては初めて避難指示が解除されるなど、福島の復興、再生を軌道に乗せていく、こういう道筋が一つ一つ見えてきていると思っております。もちろん、産業等の復興も、被災直後から比べるとかなり回復している部分がありますけれども、では生産が完全に戻ったかといいますと、まだ三・一一前には戻っていない。さらには、さまざまな産業において風評被害等々に苦しんでいらっしゃる皆さんがいらっしゃるわけでありまして、こういった皆さんの思いを思いとして、さらに復興を加速化していかなければいけない、このように考えております。




○伊東(信)委員 ありがとうございます。本法案では、その中の国の責務が定められておりまして、その中に、福島第一原発事故に起因する放射性汚染水の流出の制御が喫緊の課題であることに鑑み、国内外の不安が早急に解消されるように万全の措置を講ずると書いております。先ほど大臣の産業の話、特に福島というのは、海産物、漁業その他、汚染水に関する水の問題というのは非常に喫緊の課題だと思うんです。今申し上げた規定に、経済的な側面と冒頭申し上げたんですけれども、まず、予算を伴うものを考えておられるのか、もしくは、今後予算を伴う措置が発生した場合はどう対応されるのか、お教えください。




○藤原政府参考人 お答え申し上げます。今回、法改正の中で国の責務の規定、あるいは附則においても汚染水対策に関する規定を盛り込んでいるところでございますが、これは、東京電力が廃炉の実施責任を有するということを前提に、従来から行ってきた汚染水対策などに関する国の取り組みを、法律上、国の責務ということで明確に位置づけたものでございまして、今回の法改正によって、国と東京電力の間の役割分担を変えるものではございません。したがいまして、この条文を追加したから、この条文の規定に基づいて具体的な予算措置を新たに講じる、そういう意図はございません。他方、技術的な難易度が高く、国として前面に立って取り組むべきものにつきましては、予算措置を講ずるというのは別途行っているところでございますし、今後とも、必要があればそのような取り組みを進めていくという点は変わらないところでございます。




○伊東(信)委員 この法律が直接的に予算を伴わないものであるということは理解できました。今後、予算を伴う措置が発生した場合は別途対応になるとは思うんです。予算的なことはわかりましたけれども、技術的なことなんです。それを促進するいわゆる諮問機関、有識者のために、廃炉等技術委員会というのがあると思うんです。委員の人選、副理事長を含め役員の増員が盛り込まれていると思うんですけれども、これは、確認なんですけれども、どなたが、どのような方法で決めていかれるのか、教えてください。




○藤原政府参考人 お答え申し上げます。今回の法改正によって、委員御指摘のとおり、廃炉等技術委員会という組織が機構の中に新設されます。この委員につきましては、今回の改正法案第二十二条の五の規定に基づきまして、原子力工学、土木工学その他の廃炉等を実施するために必要な技術に関して専門的な知識と経験を有する者のうちから、機構の理事長が主務大臣の認可を受けて任命するという手続を定めてございます。また、今回役員の増員をしているところでございますが、機構の役員につきましては、法第二十五条第二項の規定に基づきまして、機構の理事長が主務大臣の認可を受けて任命するという手続になっております。




○伊東(信)委員 手続についてはよくわかりました。さて、このような委員会、機構が実質的に機能しているか否か、技術的な側面を支える科学的なバックボーンが否かということに関して質問させていただきたいと思うんです。昨年の茂木大臣の所信表明に関しての私の一般質疑で一部を資料として提示させていただいたんですけれども、今回は正確な資料を持ってきました。三枚写真が載っていると思いますけれども、一番上の右側に写っているのは、モデルは私じゃなくて、うちの男性看護師なんです。上から帽子をかぶっています。この帽子は鉛でつくられております。ゴーグルをかけております。このゴーグルは放射線をカットするものであります。襟巻きみたいなものをつけております。これにも鉛がありまして、エプロンをしていますけれども、このエプロンにも鉛が入っていまして、エプロンだけで一キロの重さがございます。手袋をしています。この手袋にも実は鉛が入ってございます。言ってはなんですけれども、これだけの設備は結構高いです。手袋はディスポーザルなんですけれども、何万円もします、鉛が入っていますから。私自身、整形外科医なんですけれども、透視下といいまして、エックス線を見ながらカテーテルのように手術をしなければいけないので、このような状態で手術をしています。でも、これだけでは怖いので、左側の、凸の形をしたようなシールドがございますけれども、これはガラスの部分も鉛のコーティングをしておりまして、主に二センチぐらいの分厚さがございますか、この防御盾に守られて、そこから、上のちょっと狭くなっている部分から手を出して手術操作を行うようにしています。下に、私の持っているバッジがあります。習慣的にフィルムバッジと言いますけれども、フィルムじゃなくてクイクセルバッジというもの、ガラスバッジなんですけれども、これで放射線量をはかっています。黒いのが胸、赤いのが頭と書いてありますけれども、現実は、人間の形をしている黒いバッジを衣服に直接つけて、赤い方の頭と書いてある方のバッジをこのエプロンの上につけております。これで一カ月はかっているのが、次の外部被曝線量測定報告書というものです。このことによって、エックス線、ガンマ線が〇・〇二ミリシーベルト、Sの三、すなわちエプロンの外は〇・五一ミリシーベルトになっているんですけれども、実際、累計でいくと二十二ミリシーベルトになるわけなんですね。年間の放射線量から五年の放射線量となるんですけれども、放射線作業者の安全のために線量限度を決めているのがICRP勧告でございまして、一九七七年は放射線作業者は年間に五十ミリシーベルト以下であらなければいけない、一九九〇年は五年間で百ミリシーベルト以下であらなければいけないという基準ができておりますので、私も、仕事ができなくなると困るので、このように手術をしているときは、もちろん国会中は無理ですから、日曜日にたまに今でも手術することがあるんですけれども、はかっております。下のところを隠しているのは、これはうちのスタッフのデータが載っていますので、個人情報なので、私の情報だけを流させていただきました。さて、私はこのような環境下で手術しているんですけれども、これはわかった上での質問ですけれども、タイベックではこのように放射線、外部被曝をカットすることはできないですね。今、廃炉の仕事に従事されているスタッフの皆さんはタイベックだけを着て仕事をされているわけなんですけれども、この方々は一体何の目的でタイベックを着用されているんでしょうか。




○糟谷政府参考人 福島第一原発のサイトの中の放射能を帯びた粉じんが衣服等に付着をして、それにより被曝をするということを避けるためにつけておるものだ、タイベックスーツを着ておるものだというふうに理解をしております。




○伊東(信)委員 済みません、技術的な質問なので。ということは、外部被曝を防ぐためのタイベックという意味でしょうか、衣服についているというのは。外部被曝ということですか。




○糟谷政府参考人 直接的には、衣服につくということを防ぐものであります。それから、全面マスク等のマスクをすることによって、空気中の粉じんを吸い込む、もしくは衣服についた粉じんを再度吸い込むということを防止する。そういうことでいいますと、最終的には内部被曝も含めて防止をするためのものであるというふうに理解をしております。




○伊東(信)委員 そうですね。内部被曝ですね。では、外部被曝と内部被曝で、外部被曝はシーベルトという単位を使っております。内部被曝になるとベクレルになります。例えば、セシウム137で、成人が千ベクレル、ベクレルというのはいわゆる放射線を出す能力という意味なんですけれども、千ベクレルであれば、成人へ影響を及ぼす実効線量は〇・〇一三ミリシーベルトでございます。さて、今回、汚染水の問題が入っていますけれども、汚染水の処理というのは、内部被曝、外部被曝、どちらを基準にされているのか。確認ですよ。いわゆるベクレルなのかシーベルトなのか、どのような基準で今まで進めていったのか、今後も考慮されていくのか、教えてください。




○糟谷政府参考人 作業員の方々は線量計をつけておりまして、ガンマ線による外部被曝、それから、タンクなんかに余り近づきますとベータ線の影響も出てまいります。そういう意味での外部被曝の観点からも線量管理をしております。それから、放射線業務従事者の方は必ずしもそうではありませんが、そうでない場合には、ホールボディーカウンターを受けることで、内部被曝についても、サイトに入る前、入った後について確認をするというような手続をとっておるというふうに承知をしております。




○伊東(信)委員 ありがとうございます。放射線従事者に関する御答弁は今のとおりでいいと思います。それでは、今回の法案の汚染水の処理というのは、地域の住民の皆さん、もしくは日本全体の国民の皆さんは、今おっしゃられた外部被曝というのは当てはまらないという理解でよろしいでしょうか。




○糟谷政府参考人 御質問の趣旨を正しく理解できていないとちょっと間違った答弁になるかもしれませんけれども、原子力規制庁、規制委員会におきまして、敷地境界の線量を下げるようにという規制を先日定められております。現在、タンクの中にためております汚染水によって、敷地境界の線量が非常に高うございます。これを、今年度末まで、つまり来年の三月末までに境界で二ミリシーベルトに下げる、さらに、もう一年後、つまり再来年の三月末までには一ミリシーベルト以下に下げる、そういう規制を定められ、それに従ってさまざまな取り組みを始めておるというふうに理解をしております。




○伊東(信)委員 このあたりの問題は非常に大事なところでございまして、先ほど大臣の答弁の中にあられました産業にもかかわってくる話なんですね。汚染水というのは、現実、海洋へ今も流出しているのでしょうか。これは避けられないものなのでしょうか。しかしながら、いわゆる汚染水の基準というのはどのように決めますか。何分の何という何分のというのは海全体のことを言っているのか、すくい上げた水のことなのか。何ベクレル以下ならば大丈夫だとエネルギー庁の方では認識されているのでしょうか。




○糟谷政府参考人 これは原子力規制委員会の所掌に属するところでございますけれども、従来、告示濃度基準というのが定められておりまして、水中の排出時における放射線濃度については、その水を通常毎日二リットル飲んで、一年間飲み続けた場合、七百三十リットル飲むことになるわけでありますが、その場合でも被曝量が一ミリシーベルト以下に抑えられる数値ということで、告示濃度基準が定められてきたというふうに理解をしております。ただ、先ほど申し上げた規制委員会の規制におきましては、気体による敷地境界での放射線量、固体廃棄物から出る敷地境界での放射線量、それから液体廃棄物から出る放射線量、これを合わせて最終的には一ミリシーベルト以下になるようにするように規制をされているというふうに理解をしておりまして、その意味で、気体廃棄物、固体廃棄物、液体廃棄物合わせてのカウントでありますので、液体廃棄物だけ取り上げてどうこうということではなく、トータルとして敷地境界で一ミリシーベルト以下になるようにという規制を受け、それに従うように最大限取り組んでおるところでございます。




○伊東(信)委員 ということは、基準としては、外部被曝をやはり基準にされるのかというような理解になるんですけれども。先ほどちょっと御答弁いただけなかったんですけれども、まず、言いにくいかもしれないですけれども、海洋へは今も汚染水は流出しているのでしょうか。その場合、その汚染水からどれくらいの内部被曝をすればどのような影響が出るのか。先ほど、お水の話はよくわかりました。逆に、どれぐらい内部被曝すれば健康被害になるかというような基準というのは認識されておるのでしょうか。まずは、海洋に今も流出しているのか、それともう一つは、逆に、健康被害になる限界量というのは、内部被曝の場合、幾らになるかというのは認識されていますでしょうか。




○茂木国務大臣 詳しい数値等々につきましては、この後、政府参考人の方から答弁をさせていただければと思っておりますけれども、汚染水の港湾への流出は主に三・一一の事故直後に起こったものでありまして、そして、この汚染水の影響は、港湾の内、大体〇・三平方キロメートル以内に限定をされている。定期的にモニタリング検査を外洋等々で行っておりまして、福島県沖を含めまして、外洋におきましては、この汚染水の影響は、定められた基準値以下、もしくはND、測定できない値にとどまっている、このように承知をいたしております。




○糟谷政府参考人 汚染水についてですけれども、まずタンクの中の汚染水は、漏れないようにしっかりと管理をいたしております。ただ、事故の後、爆発によって出た、フォールアウトといいますが、放射性物質が地表等に残っておりまして、これが、雨が降ったりしたときに排水路などを通じて出るということがございます。したがって、今、排水路の清掃とかそういうことをやっているところでございます。どういうことになるとどういう影響が出るかということにつきまして、資源エネルギー庁の立場でお答えするのが余り適当とは考えておりませんが、我々としては、少なくとも、規制委員会を初めとした規制当局で、こういう規制をしっかりと守る、守るべきであるということにされた規制をしっかりと守っていけるように促してまいりたいというふうに考えております。




○伊東(信)委員 ありがとうございます。特に茂木大臣に答弁していただきましたけれども、政府参考人は要らないんじゃないかというぐらいの正確な、そのとおりです、〇・三平方キロメートルでモニタリングをするわけです。ここに、コップに水が入っていますけれども、インクをぽたっと落とすと、まずインクの固まりがありますけれども、まぜることなく放っておいても、このインクというのは薄まりますね。薄まるのは、なぜ薄まるかというと、拡散するわけです。何で勝手に拡散するかというと、自然界というのは、エネルギーの高い方から低い方に流れる以外に、もう一つ、エントロピーの法則というのがあります。つまり、乱雑な方に乱雑な方に満遍なく広がるという法則がありまして、これが自然界の二大法則のうちの一つなんですね。それが海洋に入った場合、海洋全体に広がるように出てきます。その場合、事故直後のものは、申しわけないことに、広がります。だけれども、そういう自然界で、それは人体への影響がどれだけあるのか、つまり、海洋物、二枚貝とかだったら、例えばノロウイルスとか、カキを食べると集積するのは、海に広がったノロウイルスを二枚貝が集めるからなんですね。だから、そういったところで、海洋物への影響があったりするか否かを、この内部被曝も含めて、大丈夫だよということを政府が科学的に検証してあげることが産業への後押しになるのではないか、そういった御質問でした。今も海洋へ汚染水は流出しているんでしょうかという質問は、今後、事故後の核の廃棄物というのは、核燃料の廃棄物というかデブリとかは過去のことなので、今後出ないことへの対策というのが必要だと思います。先ほど御答弁の中で、今後、医療的なこと、人体への影響、いろいろな技術的なことが今後の課題であるとお答えいただきましたけれども、近年、原子力関係の学科、特に大学、大学院では減少しておりまして、やはり研究者や技術者が減っていくことが懸念されております。原子力という科学は、そもそもの理論はアインシュタインが発見したんですけれども、原子力の技術、理論は悪ではないんですね。原子力発電、発電という技術も悪ではないんですね。事故を起こした原子力発電所が、人類への、人体へのいろいろな悪影響を及ぼす、そういったことでございまして、では、それを、国を挙げて、民間を挙げて何とかしていこうということなんです。今回は特定原子力施設の廃炉ということでございますけれども、この原子力の技術、研究自体とはまた別問題なんですけれども、そのことを踏まえて、グローバルな人材が育っていく環境を整える必要があると思うんです。今後の原子力専門の技術者の確保について、政府としての、本当は文科省に聞くべきなんですけれども、何か所見はございますでしょうか。




○茂木国務大臣 エネルギー基本計画、まさにこれから最終的な閣議決定を行う、こういう段階に入ってきておりますけれども、そこの中で、この原子力を安全に使っていく、さらには廃炉を進めていく、さまざまな意味で技術の蓄積、そして人材の確保ということが必要でありまして、そういったものに必要になる、確保していく規模、こういうのを見きわめる、こういったことを今回の計画の中にも書き込みをさせていただいたところであります。ちなみに、ヴィヴィアン・ウエストウッドのネクタイ、大変似合っていると思います。




○伊東(信)委員 ありがとうございます。このヴィヴィアン・ウエストウッドのネクタイ、一見惑星のように見えるんですけれども、実は違うんです。これは原子核と周りを回っている電子というイメージで、さすが茂木大臣というところで、私の質疑を終わらせていただきたいと思います。