2014年3月26日(水)に内閣委員会にて質疑をいたしましたので、私の質疑部分についての動画をアップさせていただきます。


ぜひご覧になってくださいませ。







~議事速報~





○柴山委員長 次に、伊東信久君。


○伊東(信)委員 日本維新の会、伊東信久です。山本大臣には、科学技術・イノベーション推進委員会でもお世話になっております。本日用意させていただいた資料は、STAP細胞に関する資料、理化学研究所に関する資料です。このことに関しては後半に御質問させていただくわけですけれども、一応、テーマとしましては、オール・ジャパンで頑張ろう、だからこそ個人攻撃はしないでおこうというのがテーマでございますので、後ほどよろしくお願いいたします。さて、言うまでもなく、安倍政権の成長戦略である日本再興戦略において、この科学技術イノベーションというのは大事な大事な柱の一つだと思います。この科学技術によるイノベーション創出が日本経済を活性化させ、そして持続的発展に寄与できるように、今回の総合科学技術会議という重要性を私自身も期待もしていますし、国民の皆さんも期待しておると思います。本案の質疑に立たせていただくことには、私、議員としても、医療従事者としても、科学者の一人としても、ありがたく思っています。さて、日本では、総理が議長を務める総合科学技術会議でございまして、基本政策も関係予算も研究内容の評価、さまざまな権限を持っておられるわけなんですけれども、アメリカにおいては、この科学技術政策の司令塔の機能というのはどのような組織になっておられるのか、教えていただけますか。


○倉持政府参考人 御説明申し上げます。米国におきましては、大統領府に科学技術政策局、OSTPという組織がございます。そこのヘッドは科学技術担当大統領補佐官でございます。そこが各省、科学技術政策はアメリカにおきましてもいろいろな省で担当しているわけでございまして、そこが大統領府の中にありまして全体の司令塔機能を果たしているというふうに認識しているところでございます。






○伊東(信)委員 それでは、今回の本法案で言うところの科学技術イノベーションの政策の司令塔としての新規の、独自のプログラムであるとか具体的なビジョンであるとか、そのための必要な組織編成を簡単に御説明いただけますか。






○倉持政府参考人 安倍政権におきまして、まさに委員御指摘のとおり、科学技術イノベーションが成長戦略のかなめであるということから、司令塔機能を強化すべきだということでるる議論を重ねてまいりまして、その一環といたしまして、やはり各府省の横断的な施策、科学技術政策にとって今重要な課題は、研究開発の成果をいかにイノベーションにつなげていくかというところの課題でございまして、そこにはいろいろな省庁がやはり政策としてかんでくる、そこについての横串をいかに通すかというところが課題でございました。その面でのまさに内閣府、総合科学技術会議の機能を強化すべく、このたび戦略的イノベーション創造プログラムというものをつくるということになりまして、これはまさに、日本の成長戦略にとって重要な技術課題に早くその成果を実用化、事業化につなげるという観点で、府省横断的に進めるプログラム、そういったものを進めるというものでございますけれども、そのための予算を計上させていただいて、それに必要な今回の法改正をお願いしている、こういう状況にございます。


○伊東(信)委員 経産委員会とかで茂木大臣に御質問すると、よく、基礎的研究から産業に至るまでは、いわゆる死の谷、デスバレーがあるというようなお話をされまして、先ほどの答弁でも、であるならば横串を通していこうというお話だと思うんですね。今回の戦略的イノベーション創造プログラム、SIPの中に、医療の方は別建てというような感じに見受けられるんですけれども、総合科学技術会議と健康・医療戦略推進本部との関係、もしくは、総合調整において、それぞれの権限とか役割は明確に分かれているのでしょうか。


○山本国務大臣 総合科学技術会議は、・イノベーション政策の全体の推進のための司令塔としての役割を果たすものでございます。一方、健康・医療推進本部は、医療分野の研究開発に関する総合調整を行うものです。具体的には、医療分野の研究開発に関しては健康・医療戦略推進本部が対応することになりますが、一方で、科学技術分野全般にわたる資源の配分の方針とか、研究開発の評価のあり方とか、研究人材に係る施策等の分野横断的な共通施策については総合科学技術会議が基本的な方針を定める、こういうことになっております。総合科学技術会議の司令塔機能の強化と医療分野の研究開発推進のための新たな体制の構築は、これはともに安倍内閣の主要政策となっておりまして、相互に緊密に連携協力しつつ、科学技術イノベーションの推進に取り組んでまいりたいと思っております。


○伊東(信)委員 特に医療の分野というのは、元来は国境がない、健康に関するのはやはりグローバルであるということだと思いまして、この新組織が将来の市場をにらんだ長期的戦略をやはり持つべきで、予算も長期的確保が重要だと思うんですね。どうしても予算というのは単年度予算になりますし、財務省との調整、役所縦割りということで、先ほどから横串の話、デスバレーの話をさせていただきますけれども、司令塔としてのあり方が問われるわけです。再三お話の中に出てきますけれども、誰がやはりオーガナイザーであるべきかということなんですね。ここはやはり、総合科学技術会議におきまして、山本大臣がそのリーダーシップをとっていただきたいと思うんですけれども、司令塔のあり方として、大臣のお考えを聞かせていただけたらと思います。


○山本国務大臣 健康・医療戦略本部との関係は先ほど申し上げたとおりです。全体は総合科学技術会議が俯瞰をしていくということなんですけれども、特にライフサイエンスの分野においては、この新しい組織が一元的に実施をしていくということで、連携をしながら相乗効果を生んでいきたいというふうに思います。司令塔連携強化ということでいうと、先ほどもちょっと申し上げましたが、幾つか方法があるんですけれども、一つは、予算編成にいかに影響を与えていくか、政策決定プロセスにいかに影響を与えるかということで、アクションプランというのを総合科学技術会議でつくっているんですが、これを進化させていくということ。今、先ほどからお話が出ているSIP、戦略的イノベーション創造プログラム、五百億の枠を確保いたしました。これ、科学技術担当大臣として、ぜひ同程度の枠を確保していきたいと思いますけれども、例えば五年確保できれば数千億のお金が科学技術イノベーションに使える。しかも、それを総合科学技術会議が中心となって目ききをしたプログラムにしっかりと、特に省庁連携、出口をにらんで配分できるということは非常に大きいと思いますし、これも近藤委員との質疑で出ましたけれども、ImPACT、こういう基金もしっかりと総合科学技術会議が見ていくということで、合わせわざで司令塔機能強化を果たしてまいりたいというふうに考えております。


○伊東(信)委員 科学者としてはというか、研究する立場としては、予算をたくさんいただけるのはありがたいお話です。現在、私も、大阪大学の臨床医工学融合教育センターで招聘准教授をやっていまして、いわゆる研究予算というのはできるだけいただきたいなとは思っておるわけなんですけれども、政治の世界におきまして、合わせわざでどんどんそれが膨らむのも、皆様の税金から、国民の皆さんの税金からですので、きちっとした配分をしなければいけないわけですね。先ほど、科学技術イノベーション創造推進費として五百億円いただけるということで、私にいただけるわけじゃないですけれども、五百億円計上していただけるということですけれども、健康・医療分野にそのうち百七十五億円ということですね。仮称でありますけれども、日本医療研究開発機構、いわゆる日本版のNIHの予算の一千二百億円とのすみ分けというのはどのようになっておるのでしょうか。


○山本国務大臣 SIP、戦略的イノベーション創造プログラムでは、実は、四つの分野を対象とすることを決めました。エネルギー、次世代インフラ、地域資源、健康長寿、この五百億の中には、当然、健康・医療分野も含まれております。この当該分野への配分額については、総合科学技術会議が健康・医療戦略推進本部と協議をいたしまして、全体の三分の一を超える三五%、百七十五億円を配分するということを決めました。四分野ですから、割れば二五%なんですけれども、やはり、特に健康・医療分野が大事だということで三五%になったということでございます。健康・医療分野における具体的な研究開発については、これは健康・医療戦略推進本部が推進をする、こういうことになっております。


○伊東(信)委員 ここにおきまして、予算配分というのがやはり大事なところになりまして、研究をする上で、研究の材料もお金がかかれば、いわゆる人件費にもお金がかかります。予算というのは、先ほど申し上げましたように、単年度で決まっていくわけですけれども、研究というのは決して単年度ではございません。私自身の大阪大学でも、私の母校であるところの神戸大学でも、京都大学でも、きのう東京女子医大の方を視察に行ったんですけれども、東京女子医大でも、FIRSTにおきましては非常に盛り上がっていたんですね。それがまた今度期限が切れていくとなると、やはり研究者としては、どしっと落ちついて研究ができないということなんですね。今、京都大学のCiRAの話、iPS細胞研究所の話をしましたけれども、やはり山中教授に代表される基礎研究レベルは非常にレベルが高いというか、日本では研究成果が出ているということなんです。ところが、これが企業などと連携し製品化するまでには非常に時間がかかっております。私は常々言うているんですけれども、シーズありき、研究分野ありきで今までは推し進められたんですけれども、これが成長戦略であるのならば、やはりニーズというのを考えなければいけないんですね。だから、シーズからニーズまでの連携が非常に大事で、効率化が必要だと思います。ゆえに、基礎研究、研究開発、産業化までの支援組織が望まれまして、それがハイウェイ構想であったりもするわけなんですけれども、この新組織では、どのようにして研究開発分野の牽引役として効果をもたらすのか、デスバレーを越えるには、ハイウェイ構想を具現化させるには、もしくは、このタイムラグをどのようにして解消するのか、教えていただければと思います。


○菱山政府参考人 先生の御質問は、今度設立を考えている日本医療研究開発機構の件だと思います。日本医療研究開発機構におきましては、まず、健康・医療戦略推進本部が医療研究開発推進計画というのを作成いたします。それはまさに、どんな研究をどうやって進めていき、そして、産業化あるいは実用化に向けていくのかといったことが書かれることになると思います。そして、では具体的にどういうふうに進めていくのかということでございますが、医療研究開発機構におきまして、プログラムディレクターを置きます。プログラムディレクターは、非常に、研究開発の御経験もあれば、そういった実用化まで目ききができる、見通せるという方にお願いしたいというふうに考えております。それから、あとほかにも専門家の御評価も得ながら進めていくということを考えております。そして、今、先生御指摘のように、時間もお金もかかりますというのは認識しております。そして、企業にいかにその研究成果をつなげていくのかといったことが非常に大事でございますので、そういったプログラムディレクターあるいは知財の専門家、そういった方とも御相談しながら進めていきたいというふうに考えております。


○伊東(信)委員 ありがとうございます。きのうの通告の際に、日本版NIHのことを聞きたいということも通告させていただいたので、今お答えいただいたと思うんですけれども、本来、次回のために結構控えておこうと思っていたんですけれども、せっかくですから、やはり気になりますのでお聞きします。日本版NIHということで、日本版というのがつくわけなんですけれども、これはもう言うまでもなくアメリカのNIHからとっているわけなんですけれども、では、日本版NIHに比較して、アメリカのNIHというのはどのような組織なのか、ちょっと詳しく説明していただけますか。


○菱山政府参考人 お答えいたします。アメリカのNIHでございますが、NIHは、研究領域ごとに分権されました二十七の独立した研究所がございます。その研究所がみずからの研究を進めるとともに、研究費を全米の医学研究の大学等の研究機関に配分しているというふうに認識しております。その予算につきまして、NIH全体の予算は、日本円にいたしまして約三兆円ぐらいだというふうに聞いておりまして、そのうち、一割強を二十七の研究所のみずからの研究開発、八割ぐらいを全米のさまざまな医療分野の研究の御支援に使われているというふうに聞いております。また、NIHは非常に活発、活動的でありまして、さまざまな医療分野の研究成果が出ているというふうに聞いております。ただ、なかなか、先生先ほど御指摘されましたように、やはり基礎研究を実用化に持っていくというのは非常にアメリカでも課題になっているというふうに聞いております。以上でございます。


○伊東(信)委員 やはり、アメリカの規模を聞くと少し残念な思いもするわけで、三兆円であれば、なかなか日本というのは勝つのが難しいのではないかなと思ってしまうんですけれども、では、予算をふやしていけばいいかというとそうではなく、限られた予算をいかに効率よく使っていくかだと思うんですよね。その場面において、オーガナイザーの、先ほどから申し上げておりますように、司令塔の牽引役が必要になってきます。もちろん、プロジェクトのディレクターであったりプロジェクトのマネジャーであったり、細かくそれぞれの研究を見ていくわけですけれども、やはり一つの司令塔が大事になっていくわけです。基礎分野は、医療におきましては、やはり、シーズの部分は文部科学省、それが産業化である経済産業省の所轄に分かれていくわけなんですけれども、これを臨床応用しようと思ったら厚労省があるわけなんですね。つまり、文科、厚労、経産省のいわゆる死の谷がございます。この場合、やはり予算を一元化しなければ、もしくは、新組織として調整能力というのが必要になってくると思います。この調整能力の強化、政策決定の効率化の具体策、もしくはそれぞれの、各省ありますけれども、この人員配置というのはどのようになっておるんでしょうか。


○菱山政府参考人 まず、先生御指摘のとおり、文部科学省、厚生労働省、経済産業省、それぞれが医療分野の研究開発を進めてきたところでございます。それを、今般、健康・医療戦略推進本部というのを設置させていただきまして、そこが強力な調整機能を発揮させていただきたいと思っております。特に、資源配分の調整権限もその本部で持ちまして、毎年の予算についてもしっかりとした方針を立て、それに沿って各省で予算要求をしていただくということを考えております。また、文科、厚労、経産のそれぞれの医療分野の研究開発の予算につきまして、特に配分する研究費でございますが、それについては医療研究開発機構にまとめまして、そこで、先生御指摘のデスバレー、死の谷が起きませんように、基礎から応用、実用化まで、切れ目ない研究の御支援をしていきたいというふうに考えております。それから、人員でございますね。まず、人員でございますが、医療研究開発機構には、今、医療分野の研究開発の研究費の配分を行っている科学技術振興機構、それからNEDO、医薬基盤研、そういったところ等から人員を集めていきたいというふうに考えております。以上でございます。


○伊東(信)委員 ちょっと最後のところがわかりにくかったんですけれども、その中の人員の配分というのはどのようになっていますでしょうか。また、最終的には、シーズからニーズに行かせようと思えば、基礎分野のところと産業化の部分と、それぞれに人員が必要になってくると思うんですけれども、そのあたりの人員配分というのはどのようになっていますでしょうか。○菱山政府参考人まず、現在医療分野の研究開発を行っている科学技術振興機構、そういったところから大体約四十名程度、それから医薬基盤研から三十名弱、それからNEDOから十名強で、合わせて百名強の方に日本医療研究開発機構に来ていただこうというふうに考えております。ただ、どの部署にどのくらいというのはまだ、これから組織をつくっていき、中期目標、中期計画というのはこれからつくられるものでございますし、また、この日本医療研究開発機構の経営陣が組織や人員配置を詳細に決めていくものと考えておりますので、今後になるかと思っております。


○伊東(信)委員 その際に、やはりレベルの高い人材確保が肝心になってくるとは思うんですけれども、いわゆる財産であるところの人材の確保、もしくは採用後の身分、待遇について、具体的にはどうされるわけですか。


○菱山政府参考人 お答え申し上げます。レベルというか、非常に能力の高い方の人材確保というのは非常に課題だというふうに考えております。先ほど申し上げましたような、例えばプログラムディレクターとかプログラムオフィサーというのは非常に、マネジメントをしていただいて、その方の能力、力に成功するかどうかというのがかかっているものというふうに考えております。まず、プロジェクトマネジメントでございますが、その実績のある方に機構のもとに結集していただくというふうに考えております。また、例えば、知財の専門家とか、あるいは国際協力、あるいは国際的にいろいろ活動できるような方、そういった方の人材確保も重要だというふうに考えております。ただ、具体的にどんな待遇にするかとかそういったことは、また今後、詳細に詰めていく際に考えていきたいというふうに思っております。


○伊東(信)委員 ちょっと確認しておきたいんですけれども、それは各省庁から、もしくはどこかの企業からの出向という形ですか、プロパーとして雇うんですか。


○菱山政府参考人 お答え申し上げます。当初は、まず、各法人や各関係省からの出向というのもあると思いますし、また、新しく採用することもあると思います。まだ何人とかそういったことについては、これから中期目標、中期計画、そういったものを詰めていく際に考えていくということになると思います。


○伊東(信)委員 やはり、研究者の間で危惧されるのは、どうしても各省庁間の出先機関になってしまわないかというところなんですね。ですので、できるだけ早く、その専門なるプロパーを雇っていただきたいなという思いがございます。プロジェクトマネジャーに関して、いわゆる高いレベルの確保で、実績とおっしゃいましたけれども、確かに、特許なり知的所有権に関しての専門家というのはわかるんですけれども、それ以外のプロジェクトマネジャーの実績というのはどのような意味をなすんですか。


○菱山政府参考人 先ほど先生が例に挙げられました例えば山中先生でございますけれども、ああいった方を今まで見出してきたような方、そういった方とか、あるいは、いろいろな論文が出てきたところを、それだけではなくて、知財をどう確保するのか、そういったことまで見通した実績のある方、そういった方を今考えておりますが、まだ具体的にこの人というわけではございませんけれども、例えば、そういった今までの実績があるような方、それからあと、基礎研究から製品まで開発をした経験のあるような方、そういった方を想定しているところでございます。


○伊東(信)委員 一つの趣旨としてはいいと思います。シーズからニーズにする上での、ニーズの方に力を入れる、その上での実績を持った方々ということだと思います。シーズの話もしていただきましたね。いわゆる山中教授の、まだ奈良先端大学におられるときに、大阪大学の先生初め山中教授がそこでいろいろお世話になって世に出るようになったというのもあります。ところが、いわゆる科学の新しいイノベーションというのは、論文が中心になってくるわけなんですね。現在進行中の研究というのは、例えば科学研究費の申請をしたりとか、そういうような書類を出してということで、ペーパーでやっていくわけなんですけれども、やはり、一つの基準となるのは、インパクトファクターといいまして、引用される回数の多い、世界じゅうで引用される論文なわけなんですね。それがいわゆるネイチャーであったりサイエンスであったりするわけなんですけれども。STAP細胞について御質問させていただきます。その際、いろいろな各個人の方のお名前も出るかもしれません。私はやはり、こういった新しい技術をオール・ジャパンで応援していきたいという思いがございまして、論文の詳細、問題の指摘点というのは、ありがたいことに、前の質疑で近藤議員がまとめていただいたんですけれども、私自身は、今回のことに関しては非常にちょっと心を痛めているところがありまして、まずは、理化学研究所のSTAP細胞のネイチャーにおける論文の問題として、この所見、今後の対応について聞かせていただきたいと思います。


○山脇政府参考人 お答え申し上げます。STAP細胞に係る論文に対しては、さまざまな指摘、疑義があるというようなことを受けまして、現在、理化学研究所におきまして、外部の有識者を含む調査委員会を立ち上げて、専門的な見地から調査を行っているという状況でございます。三月十四日には、野依理事長、調査委員長が出席をした上で、科学社会の信頼性を揺るがしかねない事態を引き起こしたことに対しておわびしつつ、その時点で判明しております調査の状況でありますとか今後の対応について、中間報告として説明をしたという状況でございます。文部科学省としては、こうした事態を真摯に受けとめまして、理化学研究所に対して、今後も着実に調査を進めて、可能な限り早く最終的な結論を得るように求めていきたいと考えております。また、調査状況を踏まえて、原因の究明でありますとか再発防止対策の検討というものを促してまいりたいと考えている状況でございます。


○伊東(信)委員 我々科学者の間では、STAP細胞の問題に関して、今我々と言いましたけれども、論文というのは、大体一人が出すことは少ないんですね。つまり、チームとして論文を出すわけで、ファーストオーサーというのがありまして、一人の、これから育てる若手であったりとか、大学院だったら大学院生であったり、研究所であったら若手が書いたりすることが多くて、セカンドオーサーといいまして、二番目に名前が書いてあるのが直接の指導の先生です。大体最後に、そこの教授であったり教室の教授であったり、もしくは研究所の所長であったりします。今回の問題に関して気になるのは、英語で言うところのシーですね。シー・イズとかシー・ワズとか、彼女がというところが非常に気になりまして、本来は、我々として、一人称として対応しなければいけないわけです。その中で、先ほど文科省の方がお話しいただいたように、野依理事長及び理化学研究所として内部で調査するのは、きちっと国民の皆さんへの説明責任がございますから、それはそれでいいと思うんですね。だけれども、今回、マネジメントというお話をさせていただいたのは、こういったことがございまして、例えばImPACTにしても、本来、実を結ぶかわからない、だけれども、実を結んだとしたら日本の発展のためにすごく期待が持てる、そのような研究に投資をする。今回の科学技術イノベーション創造推進費もイノベーションを推進する目的があるわけで、いろいろな問題、困難というのは多分予測できるわけなんです。今回のこの委員会での質疑に関して、山本大臣にお話しさせていただくのを非常に私は楽しみにしておりました。質疑及び希望なわけなんですけれども、本当にオール・ジャパンでこれを守っていかなければならないというのが私及び我々科学者の考えでもあります。もちろん、レファレンスといいまして、引用部分に関して未熟なところはあったかもしれませんけれども、ネイチャーという雑誌はそれぞれにレフェリーがいるわけですね。つまり、ネイチャーの編集部が決めるわけじゃないんですね、世界じゅうのノーベル賞級の先生がそれを審査するわけです。何をもって審査するかというと、ディスカッション、つまり考察ですね。この考察は、科学のイノベーションに値するか、人類の発展に値するかということで評価された結果なんです。それをどうしても、言葉は悪いですけれども、何となく一人の研究員が出てきて、それを持ち上げて、今度はそれの足を引っ張る、このような傾向は、ほかの科学者もみんな腰が引いてしまうと思うんですね。その際に、この資料なんですけれども、最初の「マネジメントについて(3/3)若手研究者の育成」ということで、この理化学研究所の「若手研究者の育成」というところで、「PI等の大学への輩出」「若手PIの積極採用」ということで、この中にユニットリーダーであるところの小保方さんはおられます。理化学研究所のいわゆる戦略として、積極的に若手、女性研究者を登用という形をとっているわけなんですね。これが今後の科学の発展、日本の発展に結びつくと理化学研究所は判断しているからです。次のページをめくっていただくと、この理化学研究所の研究組織、センター長の竹市先生を初め、副センター長の笹井先生、そうそうたるメンバーの方がおられます。その中で、黄色の部分のセンター長戦略プログラム、センター長の竹市先生が入りまして、その中にユニットリーダーとして小保方さんがおられるわけで、この年齢の女性としてまるですごい登用かのようにマスコミでは報道されているんですけれども、研究者の世界でいうと、もちろん優秀であるのは間違いないですよ、だけれども、特に目立ったものではないわけです。再三申し上げますけれども、このプログラムとして、このプロジェクトとしてできたのがSTAP細胞なわけです。イモリであるとかトカゲであるとか、プラナリアという生物もおるんですけれども、再生機能を持っています。トカゲの尻尾が生えてくるとか、単純に言うとそういった発想です。こういった再生機能が小動物にあるのに細胞というのはどうなっているんだろうかというところの発想は、理化学研究所の、もう既にSTAP細胞がネイチャーに載る前のパンフレットに載っております。それが今回実を結んだ。降って湧いたような、突然天からおりてきたような、そのような論文であり研究成果ではありません。理化学研究所が総力を挙げてつくったものであります。その中で、いろいろな方々のコメントがございます。本来は下村文科大臣にお越しいただいて質疑するのが正当なんでしょうけれども、ここは文科委員会でもございませんし、私は、どなたも個人攻撃はしたくないです。ですので、ただちょっと気になる点だけを指摘させていただきます。私のお話ばかりで質問が全然ございませんが、もうちょっと、こういった機会もございませんので。記者が、STAP細胞の件ですけれども、昨日、共同執筆者の方が論文撤回を求めるような話が出ています。これについて、大臣として率直な感想というか、受け止めをお聞かせ願いたいのと、それから、所管している官庁として、今後どういう姿勢で臨んでいきたいか、対応していきたいか、その二点をお聞かせください。これは大臣の答弁です。STAP細胞は、もう一度論文を、これは十四人が共同研究者ということで、ほかの方々が取り下げるかどうかということは、まだ現時点でわかりませんが、こういうようなことは非常に残念ですけれども、しかし、だからといってSTAP細胞そのものが否定されたということではないのではないかというふうに期待したいと思いますし、是非、客観的な研究、調査をして、早くもう一度STAP細胞について、再度論文を出すように期待をしたいというふうに思います。大体いいんですよ。大体いいというのはおかしな言葉ですけれども、STAP細胞そのものが否定されたということではない、期待したいと思います、ここまではいいんですけれども、もう一度STAP細胞について、再度論文を出すというところがちょっと気になったわけなんですね。つまり、ネイチャーで一度パブリッシュされた、出た論文に対して、科学というのはいろいろあると思います、ニュートンでさえアインシュタインにひっくり返されたわけですから。だけれども、ニュートンも間違いじゃなかったというわけなんです。再度論文を出すというのは、今の論文をそのままにして再度研究成果の論文を出すという意味かなと思ったんですけれども。この後も続くんですけれども、理化学研究所は特定国立研究開発法人に指定される見込みになっています。今回の論文の問題が、理研の指定に何らかの影響を与えるとお考えでしょうか。という記者の質問に対して、大臣は、これは、全く関係ありません。理研はSTAP細胞だけをしているところではありませんから、これによって理研の存在そのものが疑義があるとかということではありませんし、客観的に見て我が国を代表する研究開発法人であることは間違いないところでありますし、新たな研究開発法人の位置付けとしての対象に対して、このことによって議論されるということもないことだと思います。そのとおりなんです。論文ばかりの評価を私は話していますけれども、理研からネイチャーに毎年数多くの研究発表がされておりますし、STAP細胞のこのような問題が起こっても下村大臣はこのように答弁していただいたことに関しては評価したいと思いますし、ありがたいと思っております。しかしながら、ここからなんですね。昨日若山教授は、ここまでいろいろミスが多かったり、疑惑というか疑義が出ている論文であれば、一旦取り下げて、再度、ちゃんとしたものに作り直して出すべきではないかといったようなことを提案して、共同研究者に撤回を提案しているわけですけれども、大臣も先ほど、早くもう一度、再度論文を出すよう期待したいとおっしゃいましたが、それはやはり若山教授の言っていることにも一理あるとお考えになったのか。大臣がお答えされました。そうですね。ですから、一旦撤回するということが前提ですけれどもね。ただ、共同研究者が十四人いて、日本国内だけでなく、ハーバード大学等海外にもおられるそうですから、実際に全員が納得して取下げされるかどうかは分かりませんが、いずれにしても、国内外から疑義があるということですから、改めてその疑義を払拭するための新たな客観的な事実関係を積み重ねることによって、もう一度「Nature」等に発表するというようなことを、是非していただきたいというふうに希望しております。取り下げてもう一度発表している間に、よその国にこれはとられると私は思います。つまり、この理研の成果は成果で、さらなる追試をしなければいけないというのが私の考えでございます。例えば、再現性がないとか、わずか一カ月で再現できるような研究であれば、ネイチャー級の発表にはなっていないわけなんですね。それをやはり、ここでマスコミ批判をするのもなんですけれども、マスコミの執拗なネガティブな報道に関してもいささか疑義を持つわけです。さて、今回のテーマであるところの科学技術イノベーション政策に関して、総合科学技術会議、総理が司令塔になりまして、それで各大臣がおられると思うんですけれども、こういったSTAP細胞の問題に関してオール・ジャパンで、日本でこういった研究成果を守っていかなければどんどんどんどん、それでなくてもアメリカのNIHの予算とかにも負けているわけですから、そうなると我々日本人は、まずは一つのユニットとして、オール・ジャパンで頑張らなければいけない。加えて、もちろん責任者というのは必要です。だけれども、誰か個人がというのではなくて、一人の研究者がいたら、その研究者に対してのマネジャーが要るわけです。山中先生はおっしゃいました。私は、あくまでも一研究者である。この研究を産業に持っていくというのは、研究と産業は、ラグビーとアメリカンフットボールぐらいの違いがある。ボールは同じ楕円形だけれども、全然違うスポーツだ。だからこそ、CEOが欲しい、オーガナイザーが欲しいということで、いろいろな困難があると思うんですけれども、このSTAP細胞、非常に、これであるならば、たとえこの組織をつくっていたとしても、誰かがこれを政府として守らなければ、日本の科学技術イノベーションというのは推進できないと私は危惧しております。長々と私がお話をしていますけれども、なかなかお答えしづらいと思いますけれども、感想はいかがでしょうか。


○山本国務大臣 先生の科学者としての、STAP細胞、この一連のいろいろな出来事に関する分析、考察、これは大変参考になりましたし、勉強になりました。何からどう話していいかよくわからないんですが、率直に申し上げまして、今回の発見は、生物学の常識を覆すような大発見だというふうに期待されていただけに、やはりこういう疑義が生じているということは大変残念だと思います。ただし、これはまだ結果が出ておりませんので、科学技術担当大臣としては慎重にコメントしなければいけないというふうに考えております。理研は、委員がおっしゃったとおり、研究開発法人として大変実績を上げておりますし、研究者の方の質も大変すばらしいと思いますし、野依理事長のことは個人的に尊敬もしておりますので、総合科学技術会議で特定国立研究開発法人の候補として決めたということは、これは私はおかしくないというふうには思っております。他方で、率直に申し上げますと、これだけいろいろ多方面から疑問が呈されているという中ですので、やはり理研として、先般中間発表をしたわけですが、六項目のうち四項目についてはまだ結果が出ていないということですので、これはできるだけ早く調査結果を公表していただいて、組織としてのアカウンタビリティーを示していただきたいというふうに思いますし、やはり特定国立研究開発法人としての、もちろん十二分な資格を持った研究開発法人であるとは思いますが、ガバナンスとか危機管理マネジメントとか、そういうことについても一流であるということをぜひ示していただきたいというふうに思っています。理研は文部科学省の所管ですから、敬愛する下村文科大臣がきちっといろいろな意味で指導していっていただけると思いますが、これは、私にとっても実は非常に関連の深い問題でございます。なぜなら、特定国立研究開発法人の創設については、私も中核的な役割を果たしてきた大臣の一人でございますので、やはりこれは私としても関心を払っていかなければいけないと思いますし、今後、閣議決定で最終的に特定国立研究開発法人を決めるという段になったら、やはりこの制度の創設にかかわった大臣として、特に科学技術・イノベーション担当ですから、しっかりと意見を言わせていただきたいと思っていますので、この間、理研側の対応、しっかりとした結果を公表していただく、そういうことも見きわめた上で、やはり閣議決定をするべきだというふうに考えております。他方、今委員のお話、科学者としてのお話を伺って思うのは、やはり、野依理事長の哲学、若手と女性にチャンスを与えたい、レーバーからリーダーへ、大体、偉い先生のずっとレーバーになっているところから早くリーダーにしようという野依先生の哲学は、実はとても大事だと思っていまして、今回の件で、まだどういう結果になるかわかりませんが、やはり若手とか女性研究者が、リスクをかけてどんどん新しい研究に挑戦するという流れを逆行させるようなことがあってはならないのではないか、そんなふうに感じております。


○伊東(信)委員 ありがとうございます。質疑しながら拍手しそうになりました。そうなんですよね、結果が出ていないので慎重に、やはり科学技術・イノベーション推進大臣としてはコメントしなければ、まさにそのとおりなんですよ。今、調査中に関してコメントできる人間なんて、世界じゅうにいないと思うんですね。なぜならば、では実際にその論文を読んだのかという話です。私も読ませていただいたのですけれども、なかなか難解でして。ただ、指摘されたところがこうだと言われたら、ああ、そうなのかなと本当に思うぐらいでありまして、やはり専門的なところは専門家に任せなければいけないということです。やはり、大臣のお話の中に、組織としてのアカウンタビリティー、そして、文科大臣、文科省の管轄であるから、理化学研究所について、下村大臣にお任せするところでありますが、科学技術・イノベーションの大臣として、山本大臣の責任ある答弁もお聞きしたと思います。その中で、レーバーからリーダーへというところなんですけれども、科学技術・イノベーションの推進として、今まさにおっしゃっていただいたように、やはり誰かがオーガナイザーにならなければ、研究者に任せ切りでもだめですし、かといって、コントロールする総合科学技術会議が全部マネジメントするのもいけないですし、オーガナイザーとそれぞれのユニットの調整が必要だと思うんですね。時間も大分なくなってきましたけれども、大臣の科学技術・イノベーション施策に対する、最終的に、先ほどのSTAP細胞も含めて、ぜひとも、私が牽引していくんだ、一人称であるところのその決意というのを、通告にはないのですけれども、お聞かせ願えたらと思います。


○山本国務大臣 STAP細胞の問題については、先ほど申し上げたことが全てだと思っておりますので、つけ加えることはいたしません。一般的に言って、科学技術・イノベーション担当大臣としてやらねばならないことは、画期的な研究がどんどん生まれる、特に、若手研究者も含めて優秀な研究者の方々が、リスクをかけてどんどん研究を進めてイノベーションを生み出せるような、そういう環境を科学技術担当大臣の立場からつくっていくことに最大限貢献をするということだと考えております。


○伊東(信)委員 今回のことでお考えいただきたいのは、やはり、世界を相手にしていかなければいけないんだと。日本の経済を考えていく上で、内需の拡大も必要なんですけれども、世界に通用する、そういった産業を育てようというところなんですけれども、例えば創薬に関しても、三万二千個ぐらいのいわゆる研究があったとしたら、その中でわずか一つなんですね、創薬として。つまり、三万二千分の一なんですよ。例えば医療機器に関して言いますと、メード・イン・ジャパンであるところの医療機器というのはほとんどございません。整形外科医が使う人工関節も、ペースメーカーでさえ、日本の企業がつくっておりません。ちょっとNIHの関連というよりもPMDAとか薬事法の関係になってくるとは思うんですけれども、こういった治療に関しての研究開発イノベーションが日本はおくれているというところに関しての認識を、ちょっとどなたかお答えできる方、お願いします。


○菱山政府参考人 お答え申し上げます。医療分野の基礎研究は、先ほどのiPSを初め、非常に高くなっております。まさに、それをいかに医療イノベーションにつなげ、産業につなげていくか、そこが課題だというふうに私どもも考えております。幾つかの日本の研究成果が、日本の製薬企業のみならず、例えば外国の企業で事業化されたりというのもございますし、そういった面で、日本全体で、先生御指摘のように、オール・ジャパンで医療の研究開発を進めていけるような体制にしていきたいというふうに考えております。


○伊東(信)委員 ありがとうございます。私自身、ちょっと特殊な治療法でレーザー治療というのをやっているんですけれども、レーザー治療の機械というのは日本でつくっていないんですね。では、どうしているかというと、それを海外から輸入するに当たり、個人の医師免許において個人輸入をするわけなんですよ。私のやっている治療というのは、どっちかというと、マーケットはそんなに広くないんですね。ほかにやられている方というのはほとんどおられませんし、先進医療の評価療養からも、五十一番目の評価療養だったんですけれどもこれも外れましたし、特定機関である病院も、三つの施設があったんですけれどもそれも取り下げられましたので、なかなかよそではうまいこといっていないみたいなんですね。そうなんです。だから、いわゆるリスクマネジメント、事故に関してのマネジメントで、どこに本当に責任があるかで、各個人の医者なり責任でやっていく部分と国がやっていく部分というのがあると思います。今回、SIP、四つの分野があると思いますけれども、中に非常に大事なものもあります、エネルギーもインフラも。こういったことに対してやはり責任の所在というところで、きょうは、本当に山本大臣に質問できてよかったと思います。山本大臣が責任を持って総合科学技術会議というのを牽引していこうという意気込みが伺えたと思いますので、もうこのいい感じのまま、私の質疑を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。


○柴山委員長 午後零時五十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。