かれこれ4回目の訪問となったが冬の晴山は初体験。冬の日本料理は蟹、河豚など食材が豊富な時期。自然とシンプルな料理が多いが、晴山の冬には工夫が山ほど隠されます。例えば、蟹料理。セコガニには長芋を混ぜて、塩と醤油で味を調整したキャビアを乗せる。ややもすると淡白な蟹に新しい命を吹き込むように味わい深いものに変化していきます。
料理自体は一般的な松葉蟹を使ったクリームコロッケも、他ではなかなか出会えないシルエット。低温で揚げた品のあるシルエットで、とても柔らかいタッチで仕上げます。蟹の風味はしっかり担保され、オニオンソースの甘味ともバッチリの相性を発揮します。
個人的には良い素材に過度に手を加える料理は好みではないが晴山だけは例外。大前提として、素材の味を少しも壊していないからでしょう。蟹に、河豚に、鴨、鼈。素晴らしい食材達に独自のアイデアが加わり、最高の料理に仕上げてくれます。今度はどの季節の晴れを見ようか、次の晴山が今から楽しみです。ご馳走様でした。
料理のラインナップはこちら。
「車海老真薯と聖護院蕪」ほぼ身!
「河豚刺し」鮟肝ポン酢で
「白子の飯蒸し」
「鰤の照り焼き」
「河豚焼き」
「真鴨の山椒煮」
「鼈の竜田揚げ」
「鰹とイクラと海苔のご飯」
「あまおうのプリン」