五反田駅前の細い路地。
山手線の駅前とは思えない時代感を感じる通りに洋食店『グリルエフ』がある。
創業は昭和25年。半世紀以上愛される理由は何だろうか。
創業当時が変わらないという内装はレトロ感満載。
厨房とカウンターを仕切るのはガラス窓からは調理風景も望めます。
ここで注目してほしいのが圧倒的な存在感を示す鍋の姿。
先代から継ぎ足しで受け継がれた漆黒のデミグラスソースの鍋だ。
デミグラスソースを使った「タンシチュー」や「ビーフシチュー」も人気だが、
絶対的な名物として有名なのは「ハヤシライス」(1300円)
よくみるとメニューにハヤシライスの存在がない。実は裏メニューなのでしょうか!?
さて、このハヤシライス。かなり独特な仕上げです。
たっぷりの玉ねぎと牛肉をよく炒め、白ワインでフランベして香り付け。
デミグラスソースは少量づつ絡まるようにじっくり炒めていく。
仕上がりは一般的なスープ状のハヤシではなく炒め物に近い。
ソースボートから溢れるほどたっぷりな盛り付け。デミグラスソースの黒中心の色味にグリーンピースが彩りを加える。
独特の苦みのあるソースと玉ねぎと牛肉の旨味が見事に融合する。
塩胡椒の強さも手伝ってか、ライスとの相性は抜群すぎるほどに抜群。
この地でファンを魅了し続ける理由は、
ずばり半世紀以上も前からやってきたデミグラスソースに他ならない。