料理の科学を「ナチュラル」でコーティングした芸術的な料理達@代々木上原「セララバアド」 | 日本中を食べ尽くす!!ミトミえもん食べ歩きブログ

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「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」
フランスの小説家の言葉だが、困難に打ち勝つ示唆をくれる名言であります。
こんにちは、毎日大金持ちになる空想しているミトミえもんです。

さて、料理の技術を駆使して空想の世界に連れていってくれるシェフがいる。
世界のレストランとして名高い『エル・ブジ』出身の橋本宏一シェフ、その人である。
エル・ブジといえば分子ガストロノミー。美食の限りを尽くした料理を科学的なアプローチでアウトプットしたもの。
同じくエル・ブジで研鑽を重ねた『81』の永島シェフも同じアプローチだが、二人のベクトルに違いを感じます。
永島シェフはコンセプチュアルでストイック、一方の橋本シェフはナチュラルでオーガニックだ。

店内はナチュラルなカラーや木を使った作りで明るい。
ちょっとしたアイテムはすべて自然から生まれたものだ。
代々木公園近くに店を構えたこと自体も意識的なのかもしれない。
もちろん料理にも彼の意思が反映されている。

順を追って食事をいただいていきましょう。

「鯛茶漬け」
いきなり〆のメニューかと思いきや、きっと史上一番可愛らしい鯛茶漬けの登場です。

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昆布締めの鯛、梅昆布茶を固めたものにぶぶあられをちらす。
春を思わせるような爽やかな冷たい鯛茶漬けを一口で。口の温度で梅昆布茶が水滴に変化していきます。

「枯山水」
これは度肝抜かれました!白砂に見立てたのは塩。

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石はじゃがいもが、苔はアンチョビのパセリバターが担います。
日本の美しい庭園が食卓に並びます。なんとも美しい。

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「春の高原」
なんとも美しい器。名前通りの春の高原を思わせる緑豊かな器です。

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エスプーマ仕立ての泡の部分はローズウォーターやグランベリージュースで作ったもの。
主役となるフローマージュブランに酸味というアクセントを与えます。
周辺を彩る蝶々までもリンゴで作る。

「春の大地」
緑が豊かな高原に対して、大地はしっかり根をおろす。
ライ麦パンとブラックオリーブで土を作り、フリットの野菜が芽を出したようです。

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「ホタルイカ 小玉ねぎ」
いよいよ旬を迎えたホタルイカ。グリンピースのソースで。

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「ホッキ貝 ウド 海藻」
いつもはミル貝を使用しているというが、今回はホッキ貝。
肝のソースも含めて美味。

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「ヤマメ 芹 ホワイトアスパラ」
瞬間燻製した野菜。こういった技術がエルブジっぽい。

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本領発揮ですね。半熟のうずらの卵がめちゃくちゃうまい。
ついでにヤマメの頭を焼いたも登場。ローズマリーの味付けがいいですね。

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「ホロホロ鳥 クレソン 筍」
パースニップ(白人参)やクレソンのソースで。

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「春の大地Ⅱ」
ここからはデザート。こちらの土のイメージは、チョコレート。

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「パチパチオレンジ オリーブオイルグミ 和紙 桜」
缶缶にはいって登場。甘いものは得意ではないがビジュアルの面白さはセララバアドの楽しみの1つ。

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そうそう、セララバアドって名前気になりますよね。
シェフの大好きだった宮沢賢治の作品の「学者アラムハラドの見た着物」の登場人物の名前なんです。
実はこの作品は未完成。この作品は未完成部分の余白に読者の空想が広がる。
セララバアドが完成を目指す余白の部分が楽しみでならない。

次は6月。