冬の「81」劇場。今度はロマンティックバレエの幕が開く!@広尾「81」 | 日本中を食べ尽くす!!ミトミえもん食べ歩きブログ

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冬の81劇場。
朝から降り積もった雪がすでにショータイムの演出かのよう。
コートヤードの入り口では雪だるまが迎えてくれます。

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81のコンセプトは生と死。
死を強調することで生を感じさせる。食を超えた哲学を提供してくれる。
雪だるまに生を与えたのも永島シェフなのだろうか。

雪が降るほどの厳しい寒さ。
81の劇場は温かさを感じる「甘さ」から幕を開く。

来場を歓迎するかのような小さなブーケ。ズワイガニの味が口に広がる。
林檎をストローで吸い込めば、果実の甘さが厳しい寒さを和らげます。

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ワンスプーンで登場したスープ。
これも甘い。素材に忠実に玉ねぎに少量の塩だけの味付け。寒さも自然なら、甘さも自然。

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早くもスペシャリテの登場。
この素晴らしい一品の説明は前回のブログに預けたい。
有精卵はまさに「生」の象徴である。

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永島シェフはコンセプトやテーマを重んじる。
シェフのインスピレーションを刺激し、生み出された作品が観客を魅了していく。
今回はロマンティックバレーの「ジゼル」がテーマ。

バレーは二幕の構成。
第一幕では、貴族と村人の娘ジゼルとの恋愛。貴族の裏切り。そして、死。
第二幕では、処女の精霊ウィリの女王に迎えられるジゼル、ウィリによる貴族への復讐、そして、ジゼルの許し。様々な解釈があるようだが、愛した人間の裏切り、そして許しという複雑な感情の動きが主題なのであろう。

甘さにから爽やかさへ。
柚子をあしらった冬の食材の白子の登場。まるで貴族とジゼルの恋を描いているようです。
塩分もしっかりしていてペアリングしてくれるお酒とも相性がいい。

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鰈の王様と呼ばれる「松川鰈」
その漁獲高から幻の魚と呼ばれている上に、ほどけるような口当たりが「はかなさ」を感じさせる。ここにパウダー状の鰈のカラスミが味にパンチを作り、さらにとろける食感のエンガワが重ねられ、鰈が立体的に仕上がっている。

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この作品は鰈だけでは完成を見ない。
出汁をかけることで立ち込める湯気。これが鼻腔をくすぐり五感を呼び覚ます。
バレリーナを意識した和歌山産のシラス達が踊りだす。

7種類のキノコのリゾット。
まるでパンドラの箱を空けたように、香りが部屋中に広がっていく。

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この香りの主人はトリュフだが、7種類ものキノコの影響も大きい。
複数のキノコはジゼルの複雑な感情を表しているのでしょうか。
香りがチーズと混ざり合い、絶品のリゾットに昇華。

メインとなる「山形牛」は真空調理。
肉は65度を超えると肉汁でてしまうのだとか。
計算された調理のアウトプットはサシの美しさと他にはみない柔らかい食感を生み出す。

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粉々のポップコーンが塩の役割を果たし、
チョコレートと山葵のエスプーマのソースが肉の表情を作っています。

デザートには温かい「パンナコッタ」
新発想のパンナコッタですね。林檎と添えられるのは薔薇の花が彩りを添える。

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ここで冒頭に戻っていただきたい。花で始まり、花で終わる。林檎で始まり、林檎で終わる。
ジゼルの気持ちも最後は穏やかなものだったということでしょうか。

正直自分なりの勝手な解釈をしている部分も多い。
ただ、演劇とは、芸術とは見るものによって解釈が違うもの。
前回感じた「生」と「死」。今回は「愛」と「憎」といったところでしょうか。
是非皆さんの感想もお聞かせください。

最後にお祝いにいただいた「81」のシャンパン。
永島シェフ、素敵な時間と素敵なプレゼントありがとうございました。
次回は4月。