人の知性がそうさせるのか、僕自身が単に即物的なのか、
突然何かの衝動に駆られるように箇条書きが始まることがあって。


例えば好きなもの100個以上羅列だとか
例えばプレーヤー内の優しい曲30選だとか
例えば明日が世界の終わりだと僕だけが知ってしまったとして
その事実を知らせておきたい20人だとか
そんなことを書き留めておく真っ青なノートがあって。

ある意味これはデスノート。


本当は革張りの世界一お洒落なノートに書き留めたかったのだけれど、
その日スタバで思い立ってロフトだったか無印良品で出会ったのが
唯一このノートだったから、
このノートには時々の秘密まで崇められない微妙な気持ちが
書き連ねられるようになって今に至って居る。

毎度センチメンタルの高まりと共にこのノートを開く機会が増え、
春に樹が芽吹いてやがて蒼くなり行く狭間に立たされたり、
夏に浮き輪のビニールがじりじり焼かれるにおいを嗅いでしまったり、
秋に枯れ葉が包まれて逃げ場を失ったり、
冬に負けないようにと無理矢理背筋を伸ばすようになったりすると、
ノートは当たり前に開かれて、
季節を巻き込んで箇条書きは増えていくのが常だったりする。


日々することがないと
思い出が見つからないと
鬱々とそう嘆く母に
日記をつけてみよ、と云ったのは確かに僕で、
不謹慎な時にも僕は見ないようにきっと努力するから、
今日あった何気ないことも嫌なことも悪口も嬉しかったことも
とにかく書き連ねてごらん、
きっと昨日と違う今日だと気付くはずだよ、騙されたと思って、
そう云ったのが始まりで、
母はあくる日から日記をつけるようになった。

手に取りやすい所に放置されて居ても僕はさわらない。

相変わらずのルールを未だに守って居て、
母のピンチにも今まで通りノート以外の情報で全てを判断をする。
母のノートは今何冊目なのだろう。
それすら分からないけれど、せっせとノートを書く姿を
見掛けると母の人生が綴られて居るのだとほっとする。

母は可愛い人なのです。

懸命なタナカドリル読者さんはご存じのことと思うけれど。



母の日。
その翌日に僕たちは沖縄に発って、
母の少女な部分、
母の面倒な女の部分、
母の母親の部分、
母のおばさんな部分、
母の年を老うた部分、
そのどれもを一挙に感じられて
それは何かを取り戻す旅のようでもあり、
親切な叔母に更なる愛情を吹かせ、
絶え間なく吹き荒ぶ梅雨入りした沖縄にありがたさが募る。



雨の近付く空の下の恩納村の誰も居ないビーチで急停車。

浜に降りてみようと母を連れ去ったのは
息子面して居ない息子の僕だったと思う。
まるで少年少女友達同士。
大きなヤドカリを触れぬままに僕を呼び寄せて
こんなに大きなヤドカリ見たことない、持ってみて、
そう母が云うから、30過ぎた少年の僕も
すごいね、こんなの見たことないね、歓喜して。





ちから強くていたい。



びびらせてしまいひっこむ彼。ごめんよ。




飲む人。




そして飲む人。




まだ飲む。




ホテルでも飲む。




続けて飲む。





母は貝を拾い洗う。




まだ飲む。


結果、3ガロン独り占めでした。
(母はビール飲めないので、結論そうなります)





梅雨で雨ざらしだから時期を見送ったらどうかとの
叔母の言葉に抗う形で出向いたのだけれど、
日頃の行いが良いとみえて晴天に恵まれて
良い思い出が残ったので良かった。







後日、東京はもっと暑かったと聞かされたけれど気にしない。



そう云えば、世界一敬愛する大好きなjazz bandの
SOIL&"PIMP"SESSIONSの名サックスプレイヤー元晴さんに
行きの羽田空港の搭乗口付近で超偶然に遭遇したのも思い出。

すごい偶然だね、そう口々に挨拶を交わして居たのだけれど、
母はエキセントリックなビジュアルのアーティストを前に
物怖じするでもなく、この時期は梅雨だから残念よねぇと応酬。
母はさすがはやる女。まだ時代に負けてない。


元晴さんは月末の宮古島のフェスに出演するみたいなので
7月の僕の公演までに帰ってきてくれること前提で
是非チェックしてみてください。




そんなわけで、
母の日引っ張りまくりなタナカの5月が
いよいよ終盤になりつつあります。

来月はいよいよ舞台の準備。稽古。
これからいよいよ大好きが高まる人々と芝居を作り始めます。

演出は1回目にして、脚本は2回目にして、共演は3回目。
そんな123な濱田真和くん作・演出の作品に出演いたします。
十鬼の絆~関ヶ原奇譚~恋舞では敵役で
あまり絡みのなかった割にお話しさせて貰う機会の多かった
日和佑貴くんともご一緒で心強いし。


ダブルキャスト相手チームには
東京流星群の細川洪くんが居るし、
輝くん、悠喗くんに続いて3人目の流れ星だし。
これカウントして宜しいのでしたら、
あと2名の流星を数えるまでにカウントダウン始まりますので。



おしゃべりにな奴にもきっと叫びたいけど叫べない叫びがあるはず。

皆きっと、無言で叫んでいる。いつでも、どこでも。


上野ストアハウスにいらしてください。
きっと僕たちの力作ですから。





以下 info


2014年7月2日(水)~6日(日)

ソラリネ。#12
『 Anytime,Anywhere』

@上野ストアハウス
演出・脚本: 濱田真和

【キャスト】
[空]
日和佑貴/田中伸彦
名倉愛美/中太佑/吉川紘章/村井隆利

[鈴]
細川洪(TOKYO流星群)/中口翔
華子/松井貴典/田村公典/島田惇平

[シングル]
弥香/山田栄子/ 濱田真和 /小林英樹/いのうえあい

【スケジュール】
7月/
2日(水)19:30-[空]
3日(木)19:30-[鈴]
4日(金)12:00-[空]/15:30-[空]/19:30-[鈴]
5日(土)12:00-[鈴]/15:30-[鈴]/19:30-[空]
6日(日)12:00-[空]/16:00-[鈴]
※受付開始は開演の45分前、開場は30分前

【チケット】
☆かぶりつき席:5000円
(最前列確約・お好きなキャストの非売品プロマイド[回変わりの写真])
☆一般席:4200円(自由席)
☆当日券:4500円(自由席)
チケット発売日:2014年5月31日(土)10:00~

【劇場】
上野ストアハウス
東京都台東区北上野1-6-11 NORDビルB1
(JR「上野駅」入谷口より徒歩5分/
東京メトロ日比谷線「入谷駅」より徒歩8分)

【あらすじ】
一つの事故により、"声"を失った灰島青海。
一つの事故により、"笑"を失った白石藍子。
望まなくてもやってくる明日から逃げる様に、
黒猫達は自分を見失い、身を隠して生きていた。

ある日、
灰島が働く会社に、小説家志望の諸井晃詩が派遣として配属されてきた。
諸井は灰島に出逢うと言った。

『君の話を小説にしたい。』

諸井の行動により、
黒猫達の止まった時間は、少しずつ動き始めようとしていた・・・

被害者とか加害者とか関係無い。
人間だとか動物だとか関係無い。
何度も間違えながら、迷いながら、正しい姿を探してる。

"皆きっと、無言で叫んでいる。いつでも、どこでも。"

【Staff】
作・演出: 濱田真和
舞台監督:シロサキユウジ
照明  :吉田雅史・谷地あゆみ(アイコニクス)
音響  :宮崎裕之(Predawn)
舞台美術:門馬雄太郎
ヘアメイク:結城小百合
衣装  :森千晶
楽曲制作:いのうえあい hisatohamada 濱田真和
楽曲提供:いのうえあい hisatohamada
宣伝美術:平井辰夫
制作  :坂上裕美(AsPLUS)
キャスティング協力:林茉結子 加藤真紀子
プロデューサー:森友ひかり
企画制作:ソラリネ。

【Special Thanks】
ヒラタオフィス/オフィスジュニア/えりオフィス/ルビーパレード
bamboo/トキエンタテイメント/ウェスタ/三木プロダクション
スターダストプロモーション/プラチナムプロダクション
グロリアスクリエーションズ/オフィス樋口/アイコニクス
Predawn/AsPLUS
(敬称略・順不同)

【ソラリネ。HP】
http://sorarine.com/