傘を持つ右手がかじかむ冷たい雨。
朝方、布団の裾からはみ出た足は冷たくなって居て
目覚ましが鳴るより早く起きた。
窓を開ければ桜も開花したのがまるで嘘のように、
白く丸まった息は輪郭をなぞるより早く空に薄く消えていった。
それでも春は目と鼻の先、と朝迷いつつも玄関に置いてきた手袋が
今更悔やまれて仕方ない。
「落下の王国」初日の今夜。
シアターグリーンにおいでの際は足元にお気をつけ下さいませ。
+
数日前、母と話して居ると何の脈絡もなしに
「ノブくん、キャベツって見たことある?」
と尋ねてきて、一体どちらのキャベツの話かと
推理の毛穴を全開にしながら詳しい説明を求めると
そんなのも知らないのかとやたらと面倒臭そうにされた。
ノブ君がやってるようなやつ、だとか
世界でもとても有名、だとか
おおよそ僕の知ってるキャベツからは連想しがたい情報に困惑し、
改めて、野菜?と根本的な質問をすると
動物、と衝撃的な答えが返ってきた。
半分面倒臭くなり始めた頃に、
これのことよ、と突きつけられたチラシを見てみると
劇団四季キャッツと書かれて居たのでたいそう面食らった。
横文字に弱いことは熟知して居るけれど
まさか片仮名すらまともに読めて居ないとは。
+
と云うわけで、小ボケエピソードでお茶を濁しつつ。
タナカ、本日参ります!